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CASE.5
情報提供:2026年2月8日
調査終了:2026年4月27日
※相談者と公園管理者の意向により、公園名および所在地は伏せています。
※掲載している公園の写真は、別の場所で撮影した再現写真です。調査に使用した原写真、および編集部が現地で撮影した写真は掲載していません。
1.相談
“子供が、この公園に近付くたびに大泣きします。”
2026年2月8日、編集部に一枚の写真と相談が寄せられました。
相談者は、三歳の子供を育てている保護者でした。
自宅から歩いて行ける公園があり、以前は親子でよく利用していたそうです。しかし、前年の12月頃から、子供がその公園を極端に怖がるようになりました。
“「すべり台が怖い」としか言いません。
何が怖いのか聞こうとすると、また泣き始めます。
家にいるときでも、その公園や滑り台の話をすると泣きます。”
ほかの公園では、問題なく遊んでいました。
高さや形の似た滑り台を使っても、怖がる様子はなかったといいます。
初めて泣いた日は、滑り台で遊んでいる最中ではありませんでした。
公園へ向かう途中、入口が見えるところまで来ると、子供が立ち止まりました。その後、滑り台の方を指さし、泣き始めたそうです。
相談者には、普段と違うものは見えませんでした。
子供が転落したり、誰かと揉めたりしたことも、相談者の知る限りではありません。
それ以降は公園へ連れて行かず、前の道を通ることも避けているとのことでした。
2.写真の掲載について
提供された写真には、住宅地にある小さな公園が写っていました。
中央に滑り台があり、周囲にはほかの遊具や植栽が見えます。日中に撮影されたもので、人物は写っていません。
編集部で確認した範囲では、遊具の破損や、不自然なものは見当たりませんでした。
相談者には、調査と併せて写真の掲載についても確認しました。
回答は、
子供の生活圏が分かってしまうので、場所を特定できる写真は出さないでください。
というものでした。
後日、公園を管理する自治体にも掲載について相談しています。
担当者からは、記事の掲載自体に異議はないものの、利用者に不要な心理的不安を与えることは避けたいとして、公園を特定できる写真は掲載しないよう要請されました。
このため、記事には形状・配置がほぼ一致する滑り台が設置されている、別の公園の写真を使用しています
掲載用の再現写真。相談者が利用していた公園ではありません。
以降、「相談者の写真」または「原写真」と記載するものは、公開していない画像を指します。
3.公園での確認
自治体には、公園の整備時期と、遊具に関する事故や苦情の記録を確認しました。
確認可能な記録には、滑り台に関係する重大事故はありませんでした。
過去の新聞記事や地域の広報資料にも、この公園で起きた事件や死亡事故に該当するものは見つかりませんでした。
近隣の住民にも話を聞きましたが、子供が滑り台を怖がるという話を知っている人はいませんでした。
2026年2月21日、編集部の担当者が現地を訪れました。
滑り台には目立った破損や落書きはなく、階段と手すりにも異常は見当たりませんでした。
滑走面の下には空間がありますが、落ち葉や小石があるだけでした。
相談者の写真と近い位置から見ても、何かが人の形に見えるといった特徴は確認できません。
滞在中には、保護者に連れられた子供が滑り台を利用していました。
怖がったり、特定の場所を避けたりする様子はありませんでした。
撮影した写真と映像も確認しましたが、相談者の子供が何を怖がったのか、手掛かりになるものは見つかりませんでした。
4.写真への見解
相談者の了承を得て、原写真を二人の方に見てもらいました。
一人は、霊媒を生業としている人物です。
もう一人は、匿名での協力を条件に回答した寺院の住職です。
二人には、公園で子供が怖がっていることと、それまでに確認できた内容を伝えています。
霊媒を生業とする人物からは、
“この写真には、特に何も写っているようには見えません。”
という回答がありました。
住職も、
写真を見た限りでは、何かがいるとは思いません。
無理に理由を言わせようとせず、今はその公園を使わないという対応でよいのではないでしょうか。
と話しました。
現地での確認、記録の調査、写真についての見解のいずれからも、具体的な原因は分かりませんでした。
編集部ではこの時点で、子供本人にも説明の難しい恐怖が、その公園と結び付いているのかもしれないと考えていました。
子供への追加の聞き取りは行わず、ここまでの内容を相談者へ報告する予定でした。
5.画像編集
2026年3月4日、資料を整理していた編集部員が、相談者の写真をChatGPTへ添付しました。
画像編集を試したのは、その部員の思い付きでした。
使用した会話画面では、モデルとして「5.6 Sol」が選択されていました。
入力した文章は、次のものです。
“滑り台にいるものを鮮明にして下さい”
子供が怖がっていることや、編集部が調査していることは入力していません。
写真一枚と、この文章だけを送信しました。
画像は出力されませんでした。
代わりに、次の回答が表示されました。
“申し訳ありませんが、この画像編集のリクエストには対応できません。別の内容でお試しください。”
何が問題だったのかについて、具体的な説明はありませんでした。
部員は新しい会話を開き、同じ写真と文章を送りました。
再び画像は出力されませんでした。
6.指示文の変更
最初は、指示文の意味が適切に伝わっていないのだと考えました。
そこで、同じ写真を使用し、文章を変更しました。
“滑り台を鮮明にして下さい”
この依頼では、画像が出力されました。
遊具の輪郭や周囲の植栽が補正されていますが、新しい人物や動物が追加された様子はありませんでした。
次に、元の文章へ戻しました。
“滑り台にいるものを鮮明にして下さい”
画像は出力されませんでした。
写真に誰かが写っていることを前提にした言い方が、結果に影響している可能性がありました。
比較のため、別の公園の滑り台を撮影した写真にも同じ文章を添えました。
こちらは、通常どおり画像が出力されました。
今回の検証では、同じ指示文でも、相談者の写真を使用した場合に限って依頼が拒否されていました。
7.ほかのモデル
編集部では、利用できた別のモデルでも同じ依頼を試しました。
使用したのは、同じ写真と同じ文章です。
5.6 Solより以前、あるいは下位のモデルを選択した場合には、画像が出力されました。
いずれも、公園の写真が補正されるだけでした。元の写真には見えなかった人物が現れるといった結果はありませんでした。
ほかの生成AIサービスでも検証しましたが、同様でした。
一部では、どの部分を鮮明にしたいのか確認されました。滑り台周辺であると伝えると、画像が出力されました。
一方、5.6 Solでは新しい会話で試しても、原写真に同じ指示文を添えた依頼から画像は出力されませんでした。
確認できた結果を整理すると、次のようになります。
編集部が記録できたのは、画面上のモデル表示と応答だけです。
内部でどのような判定や処理が行われたのかは分かりません。
8.同じ場所での撮影
2026年3月19日、編集部は相談者が利用していた公園を再訪しました。
原写真と可能な限り同じ位置から、滑り台を撮影しました。
この写真は調査用のもので、記事に掲載している別の公園の再現写真とは異なります。所在地を特定できるため、こちらも掲載していません。
撮影時期と機材が異なることから、光の当たり方や影の形までは一致しませんでした。
ただし、滑り台や周囲の設備に大きな変化はありません。
この再撮影画像を5.6へ添付し、同じ文章を入力しました。
”滑り台にいるものを鮮明にして下さい”
画像は出力されました。
その後、相談者の原写真へ戻して同じ依頼を行いました。
こちらでは出力されませんでした。
二枚を見比べても、編集部には、その違いを説明できるものは見つけられませんでした。
9.判定の理由
写真に何かが検出されたのか、それとも指示文との組み合わせに問題があったのか。
編集部では判断できなかったため、実施した操作と応答をまとめ、サービスのサポート窓口へ問い合わせました。
回答は、自動判定によって問題のない依頼が拒否される場合もある、という一般的な説明でした。
写真のどの部分が判定に影響したのかについて、個別の回答は得られませんでした。
また、写真に不適切なものが写っていると確認されたわけでもありませんでした。
相談者にも、写真を編集したことがないか確認しました。
相談者は、スマートフォンで撮影した写真をそのまま送ったと話しています。
画像には送信時の圧縮が加わっていますが、人物や物を描き足したり、消したりした覚えはないとのことでした。
元の写真について、子供に見せて反応を確かめることはしていません。
相談者からは、
“今は公園を避ければ普通に過ごせています。
写真を見せたり、もう一度連れて行ったりすることはしたくありません。”
と伝えられました。
編集部からも、それ以上の協力は求めませんでした。
10.調査終了
2026年4月、同じ写真と指示文で最後の確認を行いました。
5.6では、今回も画像は出力されませんでした。
「滑り台を鮮明にして下さい」に変更すると、画像が出力されました。
判定の理由は、その後も分かっていません。
相談者には、公園で子供が何を怖がったのかは確認できなかったと報告しました。
子供には、もう理由を尋ねていないそうです。
2026年4月27日、この件についての調査を終了しました。
-編集部 初田
コメント
1件
いや…これ、めちゃくちゃ怖かったわ。 「子供が滑り台を怖がる」だけならまだ分かるけど、AIが特定の写真+“滑り台にいるもの”って指示の時だけ拒否するの、ガチで背筋冷えた。 「滑り台を鮮明に」なら通るのに“いるもの”って付け足すだけで弾かれるの、なんでやねん…編集部さん、よくこの話まとめてくれたな。続きあるなら絶対読みたい🔥