コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
かがみなと fw誕生日
いつものように会社を出た。
今日は、恋人の誕生日だから、早く帰ろうと仕事を早く終わらせた。
たが、私の恋人はホストで、私よりも帰りが遅い。
「今日は、早く帰ってきて欲しいですね…」
なんて呟いて、重い玄関の扉を開けた。
「不破さん…?」
靴が、ある。そこには確かに、恋人の靴がある。少し、居ないかが心配だったため、靴を見つけて、安堵した。
リビングへ続く扉を開けると、そこには、
誰も居なかった。
「そう…か…」
考えてみれば、靴を一足しか持っていない人は少ないかもしれない。いつもの靴はある。
だか、いつもしまってある皮の靴は無い。
少しのショックと、残念な気持ちを抱えて、スーツを脱ぎ、夕飯の支度を済ませる。
すると、ガチャッと、玄関のドアが開く音がした。
「…!!」
『ただいま〜』
「おかえりなさい、!」
恋人は『疲れた〜』と言いながら、エプロンを付けたままの私に抱きつく。
「なん、ですか、?」
顔が熱い、それと同時に頬を水が伝うような感じもする。
『っえ、社長、?ごめん、嫌だった、?』
「いや、違くて、!」
誤解をされてしまった。でも、帰りが遅かったことに、嫌だと、傲慢にも感じてしまった自分が居るのは事実だ。だか、私はそれを伝えずに、嘘をつく。
「今日、仕事で嫌なことがあって、不破さんに会ったら、なんか気持ちが落ち着いて、」なんて笑いながら話す私に、不破さんは腑に落ちない顔をして俯く。
「不破さん、?」
『今日、早く帰って来れへんくてごめんな、』
「っえ、?」
『社長が、俺の誕生日ってずっと張り切ってプレゼントとか選んでるん知ってたんよ、』
「…で、でも、ちゃんと帰って来てくれたじゃないですか、!」と、頬を伝った水を拭いながら伝える。
『でも…』
「別に私は大丈夫ですよ、!」
大丈夫じゃない、本当は2人で朝から家に居たかった、ケーキも作りたかった
でも、不破さんも私も仕事は休めなかった。
『ごめんな、社長、俺なんかが恋人で、』
「っえ、?」
『もっと、大切にしてあげられたらええんやけど、そう上手く伝えられなくてな、』
「俺なんか、なんて、思ってません、!!」
『え、?』
「不破さんは、不破さんだったから、私は好き、になれて、!それで、今も一緒に居られるんです、!」
『社長…』
「でも、不破さんに、知らない女性の匂いが付いているのは、ちょっと気に入らなかったですけど、、、」
『はぁ〜社長可愛い〜!!!』
可愛いの意図が分からないが、素直に嬉しい。いつも、いつも、毎日のように伝えてくれる不破さんの可愛いは、これからも私以外には、聞かせたく無い。
でもこれは、不破さんにはずっと内緒の話。