テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
###番犬くんと優等生###
<第十一章> 二重の支配
“虚しい抵抗”
春夜は、目の前に立つ龍崎と流風の姿に、怒りと絶望が入り混じった感情を爆発させた。手足は手錠で固定され、身動き一つ取れない。この無力な状況が、春夜のプライドを容赦なく踏みにじる。
「テメェらっ……!ふざけんなっ!!」
春夜の喉から、怒りに満ちた威嚇の叫びが迸った。
「龍崎、お前、もう俺には干渉しねぇって言っただろうが!嘘吐きがっ……!!」
彼の視線は、まず龍崎を射抜く。あの完璧な謝罪は、すべてこのための巧妙な罠だったのか。その欺瞞が、春夜の心を激しく揺さぶった。
そして、その矛先は隣に立つ流風へと向けられた。
「流風、テメェもだ!『相談』だの何だの言いやがって、俺を騙しやがったな!?この、クソ野郎がっ……!」
春夜は、身をよじらせながら罵声を浴びせる。顔は怒りで真っ赤になり、額には血管が浮き上がっていた。
しかし、龍崎と流風は、春夜の怒号がまるで聞こえていないかのように、ただ静かに、そしてゆっくりとベッドに近づいてきた。彼らの表情には、春夜の激情に対する反応は一切なく、まるで春夜が吠える犬であるかのように、冷静に、そして愉悦の光を瞳に宿らせていた。
やがて、二人はベッドの両側にそれぞれ座った。まるで、春夜を挟み込むように。この配置すら、彼らの完璧な支配を物語っているようだった。
龍崎の手が、春夜の頬を優しく撫でた。その指先が、肌を滑る感触に、春夜の体がピクリと反応した。
「そんなに荒い声を出さないでください、春夜君。せっかく、また僕の元に戻ってきたのに」
龍崎の声は穏やかだった。しかし、その裏には、春夜を再び手中に収めたことへの確かな満足が感じられた。
同時に、流風の手が、春夜の露出した首筋に触れた。その指先が、首筋を滑り落ち、鎖骨のくぼみに触れる。
「春夜くん、怒ってる顔も素敵だね。でも、僕たち、君が喜ぶことをたくさん教えてあげるよ」
流風の声は甘く、蠱惑的だった。しかし、その瞳は、春夜のすべての抵抗を砕くような、冷たい輝きを放っている。
二人の異なる触れ方が、同時に春夜の身体を襲う。龍崎の慣れた支配的な触れ方と、流風の予測不能な、しかし確実に快感を刺激する触れ方。数週間の自由で、かえって敏感になっていた春夜の身体は、久しぶりのその刺激に、抗いようもなく反応した。全身の毛穴が開き、肌が粟立つ。喉の奥から、抑えきれない吐息が漏れそうになる。
(クソっ……身体が……!)
春夜は、己の身体が勝手に反応してしまうことに、激しい屈辱を覚えた。こんなにも怒り、憎んでいる相手に、身体が快感を求めてしまう。その事実が、春夜のプライドを再び深く抉った。これ以上、情けない姿を晒してたまるか。
春夜は、全身の力を振り絞って、怒鳴った。
「やめろっ……!触るなっ……!この、ゲスどもがっ……!!」
その声は、震えていた。屈辱に耐えかねた、春夜の必死の抵抗だった。だが、龍崎と流風は、その叫びさえも、二人の「作品」が発する甘美な音であるかのように、ただ愉しげに受け止めていた。
祝、第20話!!(๑>◡<๑)
これからも応援お願いします!
ではまた次回!
next→♡1800
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!