テラーノベル
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#独占欲
#ワンナイトラブ
#溺愛
「まず理解しておくべきは、これから話す内容は、現状は未だ机上の空論に過ぎないということ」
「物事を進めながら進展に応じて微調整する必要がある」
リュカの知恵を借りて
リュカの分析を基に
リュカが導き出す未来への道筋に
私の望む思いを乗せて
未来への筋道を立てる
「まず、この恐らく鈴木さん?からのメールで分かることは、少なくとも彼女は瑠奈の旦那に深い愛情がある」
「彼女は瑠奈たちを離婚させたいんだろうね」
「ただ、旦那さんがどう思っているのかまでは現状不明」
「で、本筋の離婚協議に戻ると……まず現状明らかになっている情報を基にケーススタディしてみよう」
「瑠奈が離婚を望み、夫がすんなり了承するならこのフェーズは円満に完了」
「でも、先日の離婚協議の話を聞くに、そう楽観的に進まない可能性が高い」
「最も望ましいのは話し合いで解決できること」
「例えば、夫の浮気を理由に応じさせるとかね」
「夫が応じない場合、その延長線上にあるのは離婚調停」
「ただしもつれれば訴訟に進み時間がかかる」
「瑠奈に強く嫌悪感情があるなら離婚及び慰謝料請求の訴えを起こす手もある」
「夫との協議では鈴木さんからの嫌がらせを示すのも一つの手」
「ただし、現状では差出人が彼女であるとは法的に確定していないので、開示請求をして特定する必要がある」
「あの内容だとすんなり開示請求は通ると思う」
「差出人が彼女で確定すれば夫の浮気を裏付けるし、離婚を望む理由にもなり得る」
「彼女から受けた被害は当然訴えてもいい」
「強要罪や威力業務妨害あたりで認められると思う」
「それと……」
「鈴木さんに関しては、現在報告が上がってる調査状況を鑑みるに……解雇は免れないと思う」
「そして、それは瑠奈の旦那さんも同様と推察できる」
「当然他社の事なので確定的とまでは言えないけどね」
「自分たちの処遇がどうなるのか、当の本人たちは察しがついてるんじゃないかな」
「その上で聞くけど、瑠奈は夫がどう思い、どう考え、どう出ると思う?」
「そして何度も繰り返しになるけど……」
「瑠奈はどうしたい?」
「……」
私は
あっけに取られてしまった
口を半開きのまま
理路整然と語る
リュカの目を見たまま
固まっていた
リュカの頭脳のスペックを
リュカの思考回路の精密さを
垣間見た気がした
(これが……)
(リュカの言っていた私がどうしたいか、の意味か……)
(単純に離婚ではなく、どう離婚したいか)
私は
リュカの言葉の意味を
全く理解できていなかった
私に見えていた景色と
リュカが観ている世界観とでは
違い過ぎる
「でも……夫は私の浮気も疑ってるの」
「そんなに私主導で上手く進むかなあ……」
「ただでさえ夫の方が一枚上手というか……」
「私リュカみたいに弁が立たないから」
リュカの話は
とても筋が通っていて
正論のように思える
でも
正論を語るのが私の場合
リュカの筋書き通りには行かない気がする
突き通せる自信がない
言い包められる未来しか見えない
「確かにその可能性もあるよね」
「でも行動する前から決めつけるの?」
「どうなるかなんて分からないし、状況に応じて調整すればいい」
「仮に瑠奈が訴えられたとしても大丈夫、証拠がない」
「たまたま会社付近を一緒に歩くところを見られたにすぎない」
「物的証拠も状況証拠も乏しい」
「逆に彼らが深い関係にあったのは不正調査でも明らかになっている」
「裁判になっても優位に進むはずだし、その時は知り合いの強力な弁護士をつけるよ」
夫婦間のもつれ
その程度の認識でしかなかった
リュカの言う通り
話し合いで済むなら
それに越したことはない
でも
そうならない可能性も十分あり得る
そうならなかった場合の想定も必要
でも……
急に降って湧いた
裁判やら訴訟と言った物々しいワードに
途端に逃げ出したくなる衝動に駆られる
リュカの見解は正しい
法廷での論争も視野に入れないといけない
でも
ただでさえ嘘が付けない性分の私からすると
実際にはリュカと深い関係にあることに
罪悪感が拭えない
それでいて
純也の浮気を断罪することに
良心の呵責を感じ得ない
「感情に流されたら先に進めないよ」
「成すか、成さぬか、分け目には冷徹な決断を要する」
「辛いけど、いつだってそういうものだよ」
「俺が出てってもいいけど……瑠奈はそれを望まないだろう?」
「最悪は俺に頼ってもいいよ、それをお守りに心の片隅に留めておいて」
私は……
どうすれば良いのだろうか
どうすべきなのだろうか
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