テラーノベル
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ちょっと文がぐちゃっとしてしまいましたが
ご了承ください
「最っ悪…」
「まぁまぁ、僕はうれしいよ、元貴くん頭の回転早いからさ」
「見事なフラグ回収だったな、お疲れ元貴笑」
「だー!!!めんどくさい!!」
事の発端は、数十分前に遡る。
昼下がり、俺たちが食堂で話していた時のこと。
元貴が俺たち連続殺人事件捜査チームのリーダーに呼ばれ、少し席を外した。
藤澤さんはカレーを、俺はカツ丼を頬張りながら事件について話していると、
しばらくしてから足音が聞こえてきた。
お、元貴帰ってきたな、と入り口の方に目を向けると、そこには死にそうな顔をした元貴が。
どうしたのかと聞いたら、小さく掠れた声で
「…配属だって」と呟いた。
配属…?配属…!?
「えっ、元貴このチーム来んの!?」
「…そーだよ、最悪…」
「よっしゃあ!!ざまぁ!!これで俺たちの仲間入りだな!!」
「だるお前」
そして、今に至る。
「そんじゃ、元貴君にも情報提供しますか」
「はぁ…、」
「おら元貴、ため息ついたら幸せが逃げるぞ〜」
「幸せだったら溜息なんかつかねぇよバカ」
「なんだとコラ表出ろ」
「上等だよバカ」
「バカじゃねぇよ!!」
「ほぉら二人とも、喧嘩しない!!」
「すいやせん…」
ちらりと元貴の方に視線を向けると、
「ばーか」と舌を出された。
くっそ、元貴め……覚えてろよ…
「はい、これが資料ね。今ここで覚えて」
「嘘でしょ」
「嘘じゃないよ。優秀な大森くんならできるでしょ?あれ、もしかして出来な」
「出来ますけど!?やればいいんでしょ、やれば!!」
「うんうん、その意気だよ〜」
藤澤さん、元貴のことコントロールすんの上手いな…笑
「…動機は不明、凶器は発見されていない、被害者に共通点は無し…。壁に書かれた文字、これはどういう意味だ?鐘が鳴る街…田舎のほうか?禊…殺人を犯しているのに?何か別の犯罪か?現場に残された痕跡から、犯人は単独犯と過程するのが妥当か…」
「…っおお、相変わらずすげぇな…」
元貴は資料を見るなりブツブツ何かを呪文のように唱えだした。
昔から嫌だめんどくさいとは言いつつも、任されたことはちゃんと全力でやるもんな、お前は。
流石の回転の速さに藤澤さんも驚いたようで、ほんと凄いね元貴くんは、と感嘆の声をもらした。
「…ふぅ…、覚えましたよ」
「えっ、もう!?」
「俺はお前と違って優秀なんだよバカ」
「だからバカじゃねぇよ!!」
「…二人とも?」
「はい!すいません!!」
怖い、怖いよ藤澤さん。目が笑ってない。
「で?元貴くん何か分かった?」
「まぁざっくりですけど」
「例えば?」
「一つ、この壊れた時計ですね。一見なにも共通点がないように思えますが、ここ見て下さい」
元貴が指さしたのは、被害者3人の部屋。
「一人目は柱時計、二人目は腕時計、3人目は目覚まし時計。それぞれ壊されていますよね」
「あー、確かに。なんでだろ」
「まぁ俺が言いたいのはそれではなくて、
“これ”です。」
「なんだこれ、花…?」
「そう。さっき調べたら、白いたんぽぽって書いてありました」
「それに何の意味が?」
「壁にメッセージを残すぐらいですから、犯人は相当なロマンチストでしょう。だから、花言葉を調べたんです」
「どういう意味だったの?」
「…見つけて、私を探して、というものらしいです」
「んん…?」
益々意味が分からない。犯人は見つかりだかっているのか…?
「で、時計に戻りますね。これは藤澤さんも気づいたと思ますが、全部10時8分を指しているんですよ」
「10時8分…?」
「残念ですが、この時間の意味は分かりませんでした」
「…いや、凄いよ元貴くん。ほんのちょっとの時間でこれだけとは、先が楽しみだね」
「…まぁ、嫌ですよ?嫌ですけど、…仕事ですから」
「かっけぇぞ元貴〜!俺もそうなりたいもんだね」
「うざ、若井はバカだから無理でしょ」
「お前そろそろぶっ飛ばすぞ」
「きゃーこわーい」
「ムカつく〜!!!」
ふと藤澤さんに目を向けると、何やら難しそうな顔をしていた。
「…?藤澤さんどうかしました?」
「…嫌、別に」
藤澤さんはまた何かを考えるような仕草をした後、にこっと微笑んだ。
「よし!そろそろ戻ろっか」
「そーですね、昼休憩終わっちゃいますし」
「じゃ、かいさ〜ん」
その声を合図に、今日は解散した。
〈備考〉
白いたんぽぽ
花言葉「見つけて、私を探して」
コメント
1件
いやちょっと好きすぎます…シリアスというか、すごい面白い展開になりそうで…続きが楽しみです…!!!!