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オメガバでもなんでもない
だけど男性妊娠(未遂?)の描写あり
ただ「孕んで欲しい」と受に対するどでか感情抱いてるだけですが一応
「はる、っ、はるっ…!」
「あんまり、煽んないでくださいよッ…!」
彼の足を上げて、更に最奥を抉る。汚い母音を無意味に溢しながら、不破さんの中は嬉しそうに僕のものを締め付けた。無意識からか、不破さんが僕の背中に爪を立てる。痛い。だがそれすらも今は欲情を煽っている。
どくどくと最奥へ自身の欲望を吐き出して、僕は彼と繋がったままかいた汗を手で拭った。
・
「ほな、また」
不破さんはまた乾いた笑い声を添えて、家から出て行く。終わったら即帰宅、僕と彼の関係はいわゆるセフレだ。
高校時代から恋愛経験も皆無だった僕が彼と出会って、一夜の過ちで彼にリードされながらも手を出してしまった。それ以来ずっと、こんな関係がずるずると続いている。
「はぁ……」
長い長いため息には理由があった。
僕は思う、あの夜にこんな事をしなければ存在した恋心も気がつかなかったはずなのに、と。どうしてあの夜、手を伸ばしても届かないはずのものなんかに手を伸ばしてしまったんだろう。追い求めてしまったんだろう。
───不破さんは僕の隣になんて立つ必要がないほどに、かっこよくて素敵な人なのに。
「ああもう!やめよ……」
考えていても仕方ない。さっさと寝よう、と僕は寝室へと戻っていった。
・
結論から言えばずるずると、僕と不破さんの関係はそれからも続いていった。1度味わってしまった蜜の味は忘れられない、ギャンブルとはこう言うものなのだなと思った。僕から不破さんに抱く恋心も段々と加速していくようになる。不破さんが俺以外と話している、のような些細な事に嫉妬を覚えた。覚えてしまった。
「最悪だ」
これからもっと加速していくのならいっそ、いっそ。自分の手の中に閉じこめて2度と離れなくしてやれば良い。
そう、でも、一体どんな方法で?
・
「不破さん」
玄関に入ってきたところで急に、晴が後ろから抱きついてくる。こいつから誘ってくるなんて珍しいな、なんて考えながら犬を躾けるように笑って言った。
「寝室行ってから、な」
俺に嫌われたくない甲斐田ならば俺の指示は聞くはずだ、だが今日はそんな気分ではなかったみたいで。言葉を聞かず服の中に潜り込んで来た手が全てを物語ってきた。
「ちょっ…甲斐田」
「不破さん、…」
寄りかかってきた甲斐田の体重に耐えきれず、俺は壁に体重をかけた。ぐり、と胸の突起を摘まんで、もう片方は押しつぶされる。こんな所では外に声が聞こえてしまうかも知れないのに。外とは、扉1枚しか隔てていないのに。
下半身がどんどん熱くなってくる。いつもはこんなに強引なことなんてしないのに。
「マジではなれ、ー~ッ!?」
マジか、こいつ。
くるりと体を回転させられ、向き合わせられたと思えば強引に唇を奪われる。慣れてるはずなのに、呼吸の仕方を忘れてしまいばんばんと胸板を叩くことしかできなかった。
下半身に欲しかった刺激が与えられる、いつの間にかそんなところにも手を伸ばしていたのだろうか。
ああ、もう流されてしまおうか。なんで俺はこんなにこいつとの行為を嫌がってるんだろ、気持ちいいのに。
「っ、不破さん」
ようやく離された口が俺の名前を呼んだ。銀色の糸が線を引き、床に落ちる。
その気にさせておいて、離してんじゃねえよ晴。なんて思った自分の気分の変わり方に吃驚した。
「ごめん…なさい、なんか最近、行為がマンネリ化してるような感じして、不安になって…」
「マンネリ化ぁ?」
なんだこいつ。くだらないことを考えてるとは思ったけどそんな事を考えていたのか。確かに照れくさくて馬鹿らしくてちゃんと気持ちいいよなんて言わなかったけどさ。
「僕、不破さんにもっと気持ちよくなって欲しいんです」
「……」
「で、調べてきたものがあるんですが……」
ごそごそと服の中を探る。出てきたものはどピンク色の液体が入った容器だった。
「飲んでください」
「いや、明らかにヤバい色」
「僕、不破さんに依存されたいんです」
「やば、コイツ……」
手を出したのは間違いだったかもしんないわ。
「まあ別に、いーけどさ」
言わなくてもわかる、色や容器から見て媚薬だろう。晴から受け取って飲み干してやれば、彼は嬉しそうに笑った。
…つかこんな所でおっぱじめる意味あったの?
じゃ、寝室に行きましょうか。なんて手を引く甲斐田。あっちで飲んだ方が良かったんじゃね、なんて思ったが口には出さず。まあ良いかと火照った身体のまま立とうとしたその時のことだった。
体中を針で刺されたような痛みが、突然俺を襲った。
「ッ!?」
「…大丈夫ですか?おぶりますよ」
「ちがっ…なにこれ、いた……い…!?」
「ああ大丈夫です、正当な効果ですから」
いや、媚薬にこんな効果あってたまるか。
話も聞かず、彼は俺に肩を貸し、引きずるように寝室へと連れていった。やっぱり様子がおかしい、なんて考えた時にはベットに投げられていた。
「…ぇ?」
そして、痛みが急にすーっと引いていく。不自然な程に。突然に。
ぎしりと音がして、彼がベットに乗る。俺の横に手をついて、顔が近付いた。
「じゃ、やりましょうか」
「甲斐田…さっきの薬、絶対─んっ」
媚薬なんかじゃない、と続けようとしたが強引に口づけられ止められる。
じゃあなんだ、俺は何を飲まされたんだ?あの直後の痛みは一体……。
ああ、やばい。何も考えられなくなってきた。頭がぼーっとして、全部、どうでも良くなってきて。
「っは、」
「目、とろんってしてる………。可愛い、」
「やめ、かいだ、ッ!」
はだけた胸元が外気に触れてヒンヤリと感じた。暖かな手が触れて少しくすぐったい。赤子のように乳首に口づけ、舌で転がされる。
「なに、これ、っやば、っい、」
先程の件があって体が火照ってるとは言え、その刺激は自分にとって強すぎるものだった。がり、と歯を立てられ甘噛みされた。びくびくと体を震わせて、頭の中が真っ白になった。
もしかして、これ。
「…不破さん、イッた?胸だけで」
「っ………」
「僕、嬉しいですよ、感じれば感じるほど”そう”なりやすくなるらしいんですから」
甲斐田の手が下半身に伸びて、ズボン越しにぐり、と股間を握る。濡れたようにじんわりと張り付いており、そしてそれはまだ元気なようだった。
「脱がせるね」
なんだか怖い。いつもはもっと下手に出て、煽ればすぐに乗ってくるような奴なのに。何故か今だけは勝てない気がする。抵抗しても、きっと……。
露わになった俺の陰茎は上を向いていた。あまりにもじろじろと見るのでこちらまで恥ずかしくなってくる。いつもは電気、消すのに。
「んふ、かわい。慣らすね」
「は…?いや、良いから。なに、急に」
「いつもは不破さん自分でやって来ちゃうから。たまには僕がやりたいなーって」
「今日も慣らしてきたから、さっさと突っ込んで……」
終わらせろよ、早く。
「抵抗しないで、ね?」
「今日のお前…なんか、変……」
「んふ、小さい……。こんな所に僕のものが入ってるんだ、」
さっき飲まされた薬がなんであろうと、この行為が終わればそのまま終わって行くに違いない。足を開かれて、じっと入り口を見る。やばい、欲しい。見られてるのに、見られてるから、なんかいつもより………。
「ん、ぁっ……」
潤滑液で濡れた指が俺の内壁をこじ開けながら入ってきた。と言っても、優しく。傷つけないようにゆっくりと。
少し慣らしてきたからかそいつの指はすんなりと受け入れた。満足したなら早くいれて出して終わってくれ、と心の中で考える。その時のことだった。
「あ゛ッ!?」
「あ、やっぱここだった?」
前立腺を指で刺激され、体がびくりと跳ねた。
「しこり…ふふ、人間の体内にあるとは思えない感触だ」
「うッ、あっ、っ~~……♡やだ、そこばっか、」
「でも不破さん、腰浮いてますよ。もっとって事ですよね」
「い゛ッ!?♡♡」
「可愛いなぁ…♡」
同じように何度も何度も指で突かれたり軽く引っかかれたり。気持ちよくなんてなりたくないのに、体は快感を得ようと腰を突き出していた。
屈辱的だ、こんな。甲斐田に……。
「はるぅっ、♡おねが、もういれてっ…!♡」
「もう欲しいの?堪え性のない子だなぁ」
「ちがっ♡♡うぁ゛ッ!♡♡」
早く終わらせてくれ。早く、早く。
腹の奥に熱が溜まっていくのがわかる。きゅんとうずいた、もっと奥に欲しいなんて考えてる。受け入れる準備なんてもうできてるのに。
「でも、不破さんが感じてくれて嬉しいですよ」
ふと指が止まる。俺はゆっくりと、甲斐田を見上げた。
「”感じれば感じるほど、孕みやすい”って言いますもんね」
その笑顔はいつもとは違い、何処か邪悪で無邪気で純粋で。俺は動かない頭でようやくその言葉の意味を理解することができた。
「……は……?」
いや、できていなかったのかも知れない。
「さっき飲ませた薬、あれ男の人でも孕めるようになるらしいんですよ」
「…ちょ、は……?なに、勝手に……」
「勝手じゃないですよ、飲んでくれたじゃないですか」
確かに自分で飲んだけど、あれは、そんな薬なんて聞いてなくて。
「ねぇ、いれるね?不破さん」
「………、え?」
「ゴム、付けなくて良いよね」
それ以上は何も説明する気はないようだった。足をぐっと掴んであげて、ひくつくそこに甲斐田のものを宛がわれる。
望んでいた状況なのに、あの話を聞いてしまっては頭の中は恐怖で埋め尽くされている。
「逃げても良いよ。逃げられる力があればだけど」
力が強くて振りほどけない。なんども達して、体に力が入らなかった。
いやだ、いやだと頭をふるふると震う。視界が涙でにじんでぼやけた。怖い。
「~~~~~~ッ!!♡♡♡♡」
しかしそんな抵抗虚しく、俺は与えられた快楽を享受するしかなかった。
────
腹の中がたぷたぷと音がする。ぼこ、と出された精子で膨らんでいた。
あの後、体勢を変えて何度も、何度もイかされて中に出されて。
「あは、絶景……♡」
下からゆさゆさと揺さぶられて、その振動の度に頭が真っ白になるくらいの快感を与えられている。
突かれるだけじゃ当たらなかった所に当たったり、逃げようとして身を動かしたら更に敏感な所に当たったり。気絶したら結腸まで突かれて無理矢理起こされたり。
何時間経ったかは知らない。自我を保っているだけ奇跡だった。
「っい、ぅあ、~~~~ッ!!」
「もう透明だね、不破さんのせーし」
ぶひ、ぶ、と卑猥な音がしながらも出てくる音はもう白くなんてない。こいつ、いつになったら萎えるんだ。
「……あー、」
また快楽に溺れていく。
堕ちてはいけないところまで、俺は堕ちていったのかも知れない。
「好きだよ、不破さん」
もう全部捨てて、馬鹿になってしまおうか。
─────。