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凛潔、冴潔
それは、雨の日のことだった
ブルーロックが終了し、勝ち抜いた奴らは各々オファーのあったクラブチームでサッカーに励んでおり、 潔はバスタード・ミュンヘン、凛はP・X・G にて活躍をしていた
そんなある日、凛に1件の通知が来た
画面を開くと、 潔 の文字
ブルーロック時代凛の最良のパートナーと言われた相手であり、凛の片思いの相手だ
いつものポーカーフェイスは崩さずに雰囲気だけ嬉しさを満載にだし、凛は 潔 の文字をタップした
「来月の第1土曜日凛休みだったよな?良かったら遊ばね?」
来月の第1土曜日、、、その日は確かに休みだったはずだ、丁度予定もない
凛は嬉々としてその誘いに乗ることにした
まぁ、文面は
「暇だから行ってやる」
と、不機嫌極まりない文章だが、、、
相変わらず好きな相手に素直になれないらしい
「凛」
幸せの絶頂に達していた凛のもとに1つの声が届いた
その声を聞いた瞬間凛の気持ちはどん底に落ちていってしまった
「、、、んだよ、クソ兄貴」
凛と同じターコイズブルーの瞳をした兄、冴だ
本来ならスペインにいるはずだが、会食だかなんだかがフランスで行われるとかで凛の家に1泊しに来ていたのだ
「いや?さっきまで俺が来て不機嫌だったくせにいきなり嬉しそうにしてるからなんかあったのかと思ったんだよ」
「なんでもねぇよ、あったとしてもてめえには関係ねぇ」
「、、、潔世一か?」
「、どーでもいいだろ、風呂入ってくる」
「、ふーん、」
潔、と名前を出した瞬間凛が少し反応した
それが運の尽きだったのかもしれない
___________________________________
潔との約束の日
凛は約束の時間より少し早く待ち合わせ場所に着いた
まだ潔の姿が見当たらない
気長に待つことにしようと、ならべく人が少ない場所で立っていること数分
くんっ と後ろから服を引っ張られた
後ろを振り向くと、久方ぶりの潔がいた
「いさ「冴だよな?」
「、、、は?いや、俺は「凛は何処にいる」
潔は真っ直ぐ俺の瞳を見つめて凛の居場所を問いかけてくる
まるで、尋問をされているようだ
職質とはこんな気分なんだろうか
こんなに早くバレるとは思わなかった、、
「、、よくわかったな、」
「兄弟とはいえ、全然違うからな」
「、そうか、」
わざわざ凛の身長に近づけるために厚底まで履いて、ウィッグを被って来たというのに、、、この男は一瞬で違いを見分けてしまった
「もう一度聞くぞ、冴」
凛は何処にいる
「、、、、凛は取材だ」
「嘘つくなよ、遊びに誘った時は絶対凛だったし、昨日の確認でメッセージ送った時も凛だった」
あぁ、この男は文面でも俺らの違いがわかるらしい
「、本当だ、おれが、潔と遊びに行かせないために家を出る少し前に無理やりねじ込んだ」
「、、、俺にはなんの連絡も来てないけど?」
「それに、凛なら用事があるって断りそうなもんだけど」
「凛に投資している奴らからの取材ってことで、断らせないようにした」
「連絡が来なかったのは俺が凛のスマホを持ってて、家を出るまでに見つけられなかったからだ」
「、そう」
「なんでこんなことしたんだ?」
「、、、試したかったんだ、お前が俺と凛を見分けられるのかどうか」
嘘だ、試したかったわけじゃない
凛と潔の特別な関係を見て嫉妬した、凛と潔は自他ともに認める最良のパートナー、でも俺は違う
潔にとって特別でもなんでもない
ただの凛の兄で、新世代世界11傑に選ばれたMF、FAじゃない
だから、少しでも潔の隣を歩いてみたかった、特別に見て欲しかった
それがたとえ凛に向けられたものだったとしても
ただ、それだけ
「ふーん、そ、」
「じゃあ今頃凛は取材だから今日はもう遊べないんだな」
「あぁ、そういうことだな、」
「冴は?」
「は?」
「冴は今日暇?」
冴の頭に疑問が芽生える
「俺はもう凛と遊べないから暇になっちゃった」
「、、、暇だが、、」
今の潔の発言に対して鋭い冴は1つの答えを導き出した、その答えが合っていることを信じて、期待を乗せて、冴は口を開いた
「お!マジ?」
「じゃあ遊ぼーぜ!それで俺を騙そうとしたことチャラにしてやる!」
どうやら冴の回答はあっていたらしい
「、、いいのか? 」
「どうせ今日1日俺が冴だって気づかなかったらそのまま遊んでたんだろ?」
「だったらなんも変わんねぇよ」
「まっ、話しかける相手は変わっちゃうけど」
「、、、そうか、ならお言葉に甘えてやる」
「楽しませろよ?」
潔世一
「ふはっ、なんだそれw」
「俺を騙そうとした償いで遊ぶのにw」
潔の瞳が真っ直ぐ俺を見据えた今度は凛の兄としての俺でもなく、MFの俺でもなく、過ちを犯そうとした罪人を見るような目でもなく
しっかり、俺を、
あぁ、こんなに簡単なことだったのか、ただ一言、潔、と名前を呼べば彼の瞳に映るのは俺になるのだ
(こんなことなら早く声をかけるべきだった、)
「凛は今度また予定合わせて遊ぶかな、」
「、、、」
「てか、いつまで凛の格好でいるんだよ」
「違和感しかねぇんだけど、、」
「、、、」
無言で冴がウィッグをとる
「お!冴になったw」
「、俺はずっと俺だ」
「そうだな〜」
「あぁ、俺だ」
その時冴のあまり動かない表情がふんわりとした柔らかい笑みになったように潔には見えた
END