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1日目。
稀咲が死んでから随分経った。
最初は女みてぇにビービー毎晩泣いてたんだけど
最近はもう涙が枯れたのか泣かなくなった。
いや、泣きたくても泣けなくなった。
逃亡すんのもだりぃし、
そろそろけじめを付けようと思う。
できるだけ人の少ないホームセンターに寄って、
ロープと小さめの台を買った。
夜、12:30。
そっとロープに首をかけて、台の上に乗って。
後は台を外すだけ。自分の足で思いっきり台を蹴った。
かひゅ、ひゅっ。
思うように呼吸が出来なくなっていく。
ついにそーまとー?みたいなやつも見えてきた。
稀咲の焦った顔が最期に見る光景なン?
やっぱ、オマエって面白れぇの。
すっと目を閉じたその時。
何故かロープが首から抜けて落ちてしまった。
「ッいってぇ……」
もう一度やろうと思ったけど、
またロープを結ぶのがめんどくてやめた。
2日目。
今日は昨日の反省を活かして、
睡眠薬にしてみた。
どれが良いか分かんねーから睡眠薬を色んな種類買ってきた。
夜12:30。
買った薬をひとつひとつシートから出すのめんどくせぇなと思いながら
全ての薬をシートから出した。
睡眠薬を全部口に入れて。
水で流し込んで。
30分もすれば頭痛と吐き気を催してきた。
でも吐いたら効果が無くなっちまうから我慢した。
「気持ちわりぃ……う”っ、」
結局吐いちまった。何やってんだよオレ。
と、まぁこんな感じで色んな死に方を試したが死ねなかった。
首を吊っても、薬飲んでも、溺れようとしても。
オレも車に引かれようと思って道路に出たこと だってある。
でも何か死ねねぇンだよ。
1ヶ月もすればオレはもうボロボロだった。
首にはロープの跡がつき、足には痣ができた。
明日が来るのが怖くなって心が落ち着かない。
—————–死にたい。
死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。 死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。 死にたい。死にたい。死にたい。 死にたい。 死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。
そう思った瞬間には近くのビルの屋上まで走っていた。
コレで死ねねぇ筈がねぇ。
これで、これでやっと稀咲に逢える。
全てを覚悟して手すりに手を掛けたその時。
誰かに後ろに引っ張られたようで後頭部を打った。
『……何やってんだてめぇ!』
聞き馴染みのある声がした。
『何勝手に死のうとしてんだ馬鹿!』
「は、……」
「稀、咲、?」
『お前にはまだ償う罪があんだろーが』
「稀咲、だよな、ァ? 」
『おい、聞いてんのか半間』
「稀咲っ……。 」
『ったく……手が掛かる駒だな……』
「会いたかった、会いたかった、……っ」
『どれだけ俺がお前を助けようとしたことか……』
「え、?」
『、っ!間違えた、今のは無かったことにしてくれ』
「助けて、くれたン、?オレを、?」
『……馬鹿。』
「だからオレ死ねないン…。」
『……お前、なんで泣いて……』
「なァ、稀咲」
『なんだ』
「オレ、稀咲の傍に居れて良かったワ。」
『今更、何言ってんだ。』
「稀咲、好きだ」
『……はっ、知ってる。』
「マジのヤツでも、傍に居てくれるン、?」
『……。』
「オレ、何言ってンだろ、」
『お前が変なこと言ってんのは何時もだぞ、』
「稀咲はオレのことどー思ってる、?」
『……俺は、』
稀咲の体が徐々に透けていく。
それはもうすぐタイムリミットが来てしまうという合図だ。
『好きだ、好きだった。お前が好きだ、半間』
「そっかァ……っ」
『……死にたく無かった、』
「……痛かったよなァ、苦しかったよなァ。」
「オレがもっと上手くやってたら、、っ」
『……れ、』
「、なに、」
『キス、してくれよ』
2人の唇を重ね合わせ、リップ音が響き渡る。
「嗚呼、ずっとこうしたかった。」
「愛してるよ、あいしてる稀咲。」
『こんなこと、もうやめろ、よ……』
半間に向かって最期で最高の笑顔を見せ、跡形もなく稀咲は消えた。
1人になった半間の背中をそれは美しく月が照らした。