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「初めまして。」
全面が白い不思議な空間で唐突に聞こえた声に戸惑いながら僕は返す。
「は、はじめまして…?」
「あ、あなたは…誰?」
目の前に立っている女はその問いに答える。
「私はあなた。もう1人のあなた。」
僕は戸惑いながら考える。
(もう1人の僕…?)
(もう1人の僕なら何故女の子の声なんだ…?)
考えが見透かされてるかのように声が聞こえる。
「私はあなたとして産まれられなかったあなた。」
「簡単に言うと別の世界のあなたです。」
回答に驚き、呟く。
「別の世界…!?」
期待に胸を膨らませ質問をしてみる。
「そ、それっていわゆる異世界ってこと!?」
その期待には添えないなという声で答えが返ってくる。
「厳密には異世界とは違います。」
「あなたが今暮らしている世界と大きな違いはない世界です。」
「魔法も無ければ亜人もいない。そちらと同じ世界です。」
ガッカリした。と言わんばかりに僕は続けて話をする。
「そっか…。なら僕に話しかけてきた理由は何?異世界転生!なんて話じゃなさそうだけど…?」
薄れつつある声で答えが返ってくる。
「今、こちらの…は、消……だか…、あ…は……」
「しっかり聞こえない…って、夢か」
今までの日々と違うことに出逢える予感は見事打ち砕かれ目が醒めた。
しかし、上手く聞き取れなかった最後の言葉。それが僕は気になっていた。