「クソッッ!何勝手に死んでんだよ、、、」
「キャメさんッ、、泣」
「うぁッ泣なんでッ泣」
「あの時俺がもっと注意しておけば、」
ニキsaid
言葉では言い表すことが出来ないほど
最悪な気分で目が覚めた
真っ暗な世界に引き戻されるような思いで
ゆっくりと目を開けた
今日の予定は特にない
明日の予定は一昨日事故で死んだ仲間の葬式になっている
俺が密かに思いを寄せていた大切な人の葬式に
気持ちが沈む
俺にとっては
脳が解けそうになるほど
息がしにくくなるほど
言葉をつらねにくくなるほど好きなのだけれど
彼にとって俺はただの友達だったかもしれない
いや
良き友達と思ってもらえているのならそれでいい
今までの俺は
少しずつアプローチをしていけば
いつか思いが伝わることもあるんじゃないか
なんて思いながら
希望を持ちながら
彼に接してきた
でももうそれも今ではなんの意味もない
近くにあったスマホで時間を確認すると
10時半を回っていた
昨日は夜遅くまで会議をするはずだった
仲間が1人減ってしまってからのこれからの活動について
みんなで考えを出し
最近卒業したもう1人の仲間にも伝えようと思って
20時にdiscordに集まり会議をする予定だった
でも実際は
まだ仲間の死に理解が追いついて居ない人
自分の行動に後悔が芽生え始めた人
ただひたすらに涙を流す人
大切な人を失い空いた心の穴を埋めるため暴言を吐く人
それはもうカオスだった
俺たちにとって彼の存在はここまで大きかったのかと
失ってからきずく大切さとはこの事かと
放心状態に近い脳でそんなことを考えていた
最終的にはみんなが泣き出し、
パタパタとdiscordをつけたまま
気絶をするように寝落ちしていき
話したいことがひとつもまとまらないまま
会議を中断することになった
朝起きて、
一昨日のことが夢かもしれないと思ってみたりしたけど
だぶん夢では無いだろう。
変に記憶力のある俺の脳は
あの日のことをしっかりと覚えているのだから
肌がヒリヒリと痛む
寝ながら泣いていたのかもしれない
そんなことを考えていると聞きなれた通知音が聞こえた
ボビーからだ
2年ほど前から相棒として活動を共にしてきた仲間
昨日のボビーは割といつもと同じ感じて
みんなを慰めてくれていた
頼もしいなと思ったのと同時に
悲しくないのか
と考えてしまっている自分がいた
きっと俺は性格が悪いのだろう
彼からの連絡の内容は
前々から行きたいと言っていた
有名な店での食事だった
その店の雰囲気的に食事は夜だったので
少し安心した
今の自分は相当酷い顔をしていると思う
長年の相棒にも
こんな顔は見せることは出来ない
俺は自分で
ほんとうに勝手なことだけれど
女研のリーダーは俺だと思っている
こんなことを言ったら
さんざんいじられそうで言えないが
全体の案件も
コラボ相手からの連絡も
全て俺を通してやっている
もちろん動画の編集はみんなで少しずつやっているが
おおまかな動画の構成は全て俺が考えている
だからこそ
こんな顔を見られるわけにはいかないのだ
重すぎる体を起こし
洗面所に向かい鏡を見た
想像してたよりいつもどうりの自分に驚く
薄情なやつだな
と乾いた笑いをこぼした
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