あれから日数は過ぎ、明日は入学式だ。
春休みはうりや他の友達とも遊んだが、その他の時間はほとんどえとと過ごした。
一緒に散歩をしたり、色々なアクセサリーをつけてみたり。今までで1番短い春休みだった。
今日は、春休み最後にえとと会って、話している。
「いや〜、春休み、あっという間だったね、!」
「ほんとそれやなぁ、今までで1番短かったわ」
「ふふっ、私も」
そう言ってえとはにこっと笑う。その笑顔が、少し寂しげに見えたのはきっと気のせいだ。
「明日から、高校生…なぁ…」
高校はえとと近い高校に偶然受験していて、えとの高校と近い所に通うことになる。どうやらうりもえとと同じ高校に通うらしい。そんな偶然、都合が良すぎるのではと思うけど、本当らしい。えとのことは、うりには話していない。話す必要がないと思ったからだ。
「ほんと、たつやくんが友達になってくれて良かった〜、!」
「俺もや」
「ほんとっ?嬉しいなっ、!」
「そうだ、何か共通のもの、持たない?」
「共通…お揃い、ってことか、?」
「んー…あ、それこそアクセサリーとか!そういえば、違う色のお揃いあったっけ」
「ちょっと持ってくるから待ってて!」
「あ、おう」
しばらくするとえとが戻ってきて、違う色の宝石のようなものがはめ込まれた、同じブレスレットを2つ並べた。
「ね、どっちがいい?赤色とー、白色!」
「お、俺が選ぶんか、?」
「うん!」
「…っと…赤、の方が俺のイメージに合ってる、んちゃうか、?」
「じゃ、赤ね!なら、私は白だね」
「なんだ、ちゃんと選べるんじゃん、笑」
いや、俺のイメージに合ってるから、ってだけで、好きだからとかではないで、?」
「それでもたつやくんが選んだものでしょ?それはたつやくんが選んだ、たつやくんのもの!」
俺が選んだ…ものか。なんだか、心がぽかぽかする。えとにそう言われただけなのに、妙に自信がつく。不思議だ。
そのあとも適当に喋って、家に帰ってきた。ふそスマホを見ると、うりからの電話が何件も来ていた。急いでかけ直すと、まるで待っていたかのようにすぐにうりが出た。
「たっつん!!」
「どーしたん?」
「いや、今日とか、会えねーかな…って思って…」
あんなに威勢よく電話に出たのに、急に自信がない声だ。
「っはは、wいっつもお前は突然やなぁ」
「ごめんごめん」
「んー…昼食べ終わってからでええか?」
「ほんとっ、!?」
電話越しでもうりが喜んでいるのが伝わってくる。こいつはほんっとに単純やなぁ。
いつでもいいから、ゆっくりでいいから、と何度も俺に念押しして電話は切られた。といっても、絶対早く来てほしそうだから、さっさと昼ごはんを食べる。今日の昼はチャーハンとパスタどっちが良いか聞かれた。チャーハンにした理由はただ、チャーハンの素が目に入ったから。でも、今はそれでも良いって思える。きっと、えとのおかげだ。
そしてそそくさとうりの家に向かう準備をして、家を出た。