ザバン地区_______
ここはとても活気溢れる街。
港の近くでもあるため人は多い。
この場所にある試験を受けようと、とある1人の子供がいた。
リル「 ここがザバン地区… 」
「広いアルね〜..!」
リル ( この場所のどこかに “ ハンター試験会場 ” があるのか… )
( これ探すの難しいアルね )
この子供の名前は リル 。
世界中の人が目を向ける資格、” ハンター “ になるためにここ、ザバン地区に訪れていた。
リル「 う〜ん、どう会場まで行こうか… 」
( 通知ではザバン地区のどこかって書かれてたけど、いくら何でも情報少なすぎなんじゃあねぇアル? )
「 難しいネ… 」
( ま、とりあえず歩いてみるか )
悩んでいても仕方がないと思い、一旦市場の近くまで歩いてみることにした。
「 いらっしゃい いらっしゃい!良い品物が揃ってるよ〜! 」
「 朝とれたての魚、数個限定で売っているよー! 」
「 新鮮な果物に野菜はいかがですか〜! 」
市場はいろいろな人達やお店の人達で賑わっていた。
リル ( いろんなものが売っているんだな〜..! )
ザバン地区の市場でとても興味津々な様子で、歩きながらいろいろな所に目を向けていた。
いろいろ歩いているとふと立ち止まり、すぐ横に少し薄暗い路地裏があるのを見つけた。
リル「 ここは… 」
( なんだか嫌な雰囲気がめっちゃでてるアルね… )
そんな事を考えると何かを決心した顔をし、路地裏に入っていった。
リル ( 思ったよりも光が入り込んでて視界はいいアルね )
そう思っていると何かの気配を感じ、足を止める。
リル「 …..誰ね? 」
後ろの方を少しだけ振り向きながら問う。
??? 「 ん〜、思ってたよりも鋭いね..♠︎ 」
背後には見知らぬ男が立っていた。
姿を確認しようともう少し後ろの方を向く。
男は 赤髪でオールバックの髪型、頬には星と雫のようなメイクがされていて、
服にはトランプのマークのような模様が描かれてあった。
リル ( こいつ…相当強いネ… )
「 …あんた誰アル?相当やるみたいだけど 」
少し警戒しながら男にまた質問をする。
???「 挨拶がまだだったね♦ 」
「 僕の名前は ヒソカ 。君の名前はなにかな?♣︎ 」
リル「 …リル 」
ヒソカと名乗る男が質問に答えた後、逆にこちらに質問をし、それに答える。
ヒソカ「 リルか…♥︎ いい名前だね。♦ 」
リル「 そりゃどーも。」
「 それで、我に何か用アル?」
ヒソカは少しニヤリと笑い口を開ける。
ヒソカ「 君、もしかしてハンター試験の受験者かな?♣︎ 」
リル「 …! まぁ、そうネ。」
少し驚きながらもまた冷静さを取り戻す。
リル「 あんたこそ受験者でしょ?そこら辺の人達よりも全然強そうアル。 」
「 雰囲気が全然ちがうネ。」
ヒソカ「 うん、そうだね♠ 君と同じ、僕も受験者だよ。♦ 」
やっぱりか、などと思い再度質問をする。
リル「 それで、要件はそれだけね? 」
ヒソカ「 あぁ、ただ顔を見に来ただけさ。♦ 」
「 でも、まだ小さいのに強者の雰囲気が盛れてるね♠ 」
「 ___僕が壊して見たいくらいだよ…♥︎ 」
リル (ゾワッ)
ヒソカが不気味な笑みを浮かべ、それに鳥肌が立つ。
ヒソカ「 それじゃあここで。♦ 」
「 お互い試験頑張ろうね♠ 」
リル「 … 」
リルが警戒している中、ヒソカは少し笑みを浮かべて喋ったあと暗闇の中へ消えていった。
リル「 …っは、 」
( 怖かった…あのまま戦闘になってたら間違いなく殺られてた… )
息を切らしながら最悪なパターンを想像する。
リル ( 試験中でもあいつにはあまり関わらないようにしよう… )
少ししてから顔を上げ、路地裏をあとにする。
ヒソカ:side
ヒソカ「 くくくッ… 」(笑)
不気味な笑みを浮かべる。
ヒソカ ( リル…リルか…♦ )
( 凄くイイ…♥︎ )
( 僕の新しい 玩具 …♥︎ )
( あの子はもっと成長する…♠ )
( それまでの辛抱だね..♣︎ )
スペードの1のトランプを見ながら笑みを浮かべる。
リル:side
路地裏を出るとまた活気溢れる市場に戻った。
リル ( さてと、どうやって会場まで行くかな )
会場への手がかりを探そうと頭を抱えながら街を散策する。
リル「 ん? 」
向こうから人々のざわめきと喧嘩っぽい口調の声が聞こえ、リルはそれに反応する。
リル「 どうしたんだろ 」
早めに歩きながら声がする方へ向かう。
モブ1「 おいおい兄ちゃん。こりゃあ謝って済むもんじゃあねぇぞ? 」
男「 ひぃぃ… 」(怯)
大男「 痛ってェなァ?これ折れたかもな〜w 」
モブ2「 おうおうこの方を誰だと思ってるんだ?ああん?? 」
声がする方に行くとイカつい男達と少し細身の男性がいた。
様子から見ると、細身の男性の方は冤罪だろう。
モブ1「 おーおーなんとか言ったらどうだァ? 」
モブが細身の男性の胸ぐらを掴む。
リル「 おっ…? 」
細身の男性が胸ぐらを掴まれたとき、一瞬だけ刺青が入っていたのをリルは見逃さなかった。
それから少しして大男とその周りにいた人たちは引き上げていった。
男性「 っは〜… 」
細身の男性はほっとしたのか、ため息を着く。
リル「 あんた大丈夫だったネ? 」
細身の男性の方に駆け寄り、声をかける。
男性「 えっ?あぁ、うん大丈夫だよ 」
リル「 怪我とかは? 」
男性「 幸いなことにないよ 」
「 あの人たち、ここで結構有名な人なんだけどさ、ちょっと捕まっちゃって… 」
細身の男性は少し苦笑いをして立ち上がる。
リル「 へ〜。ま、怪我がなくてよかったアル。 」
「 今からどこに行くネ? 」
男性「 ん?あぁ、家に帰るよ。心配かけてすまないね 」
リル「 家まで送るヨ 」
男性「 ええっ?!いいよいいよ。子供に世話を焼かれるほど弱くは無いよ! 」
リル「 いいから! 」
男性「 ええ〜っ 」
男性「 あ、ここまでで大丈夫だよ! 」
「 わざわざありがとう 」( 半ば強引だったけど )
リル「 分かったアル 」
「 あ、その前にひとつ聞いても良い? 」
男性「 ん?なんだい? 」
リル「 あんた何者?一般人じゃないよね? 」
男性「 !? 」
リル「 さっきチラッと見えたんだけど、お兄さんって刺青入れてるよネ? 」
男性「 う、うん 」
男性は戸惑いながら返事をする。
リル「 その刺青の模様さ、確か自然の中にしか住まない民族の刺青に似てるんだけど 」
「 なんで?一般人には絶対に入れられないはずなんだけど 」
男性「 …ふふふっ 」(笑)
「 あははっ! 」(笑)
「 うん。よく気がついたね 」
「 合格だ。 」
リル「 えっ?? 」
予想外の返事に困惑する。
男性「 私はハンター試験会場へのナビゲーターだ。 」
リル「 えっ?!うっそ!? 」
ナビゲーター「 その反応も無理は無い 」
「 私たちナビゲーターは有能なハンター志望者を見つけ、試験会場まで案内するのが仕事なんだ。 」
リル「 そうだったんアルね… 」
ナビゲーター「 君のその一瞬の瞬間を見逃さない動体視力。 」
「 そしてそれが何なのかを瞬時に考える考察力。 」
「 それに、困っている人を助けるという行動力。 」
「 これは文句のない!合格だよ 」
リル「 は〜、よかった..! 」
「 この前本でちょっと見たからその知識が活かされたんだ 」
「 なんか、嬉しいアルね! 」(笑)
合格と言われ、安心する。
ナビゲーター「 今から君を会場まで案内する。着いてきてくれ 」
リル「 は〜い! 」
リルはまだ知らなかった。
まだ自分がスタート位置にすら着いていないということを_____。
ナビゲーター「 着いた。ここだよ 」
リル「 え? 」
ナビゲーターに着いて行った先には定食屋があった。
本当に?とリルは驚く。
ナビゲーター「 ふふっ。着いておいで 」(笑)
ナビゲーターが少し微笑んで定食屋の中に入っていった。
それに続いてリルも中に入る。
店主「 らっしゃ〜い! 」
ナビゲーター「 奥の部屋空いてますか? 」
店主「 ..ご注文は? 」
店主が反応する。
ナビゲーター「 目からウロコが落ちるようなステーキ定食。 」
「 1人前。 」
リル「 ? 」
店主「 1人前ね… 」
「 焼き方は? 」
ナビゲーター「 弱火でじっくりコトコト飽きるまで。 」
店主「 あいよ!奥の部屋、どうぞ。 」
ナビゲーターと一緒に奥の部屋へ行く。
ナビゲーター「 ここで待ってて 」
リル「 えっ? 」
( あっ、さっきのは合言葉みたいなものか )
ナビゲーターが言っていたことに納得する。
ナビゲーター「 受験応募者がここにたどり着くまでの確率、1万人に1人。 」
「 君は新人にしては上出来な方だよ! 」
リル「 ! 」
ナビゲーター「 じゃあ頑張ってね! 」
リル「 うん!ありがとうっ! 」
リルが手を差し出し、ナビゲーターと握手をする。
ナビゲーター「 無理はしないでね。君ならまた来年も喜んで案内するさ 」
リル「 ?大丈夫だよ今回で合格するつもりだからネ! 」
ナビゲーター「 !ふふっ 」(笑)
ナビゲーターが部屋を出ると部屋がガタンと動き出した。
どうやら、エレベーターになっているらしい。
リル「 …よっし。頑張るか! 」
𝐍𝐞𝐱𝐭 ▷▶ ❤︎500 💬2
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