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プロローグ
僕は生まれつき身体が弱い。そのせいで、ろくに学校に通えていない。
小学校も、中学校も これと言った思い出が無い…
学校に行っていないせいか、友達も居ない。
入院が終わって、やっと学校に行っても 話しかけてくれる友達もいない。
でも、唯一話しかけてくれた子がいた。
その子の顔も声も、よく覚えてはいない。
ただ、嬉しくて…それだけだった。
そして高校に上がった時、僕は初めて恋をする。
第1話 出逢い
母『良かったわね、とりあえず元気な身体になって。』
「うん、良かった…」
『高校、入学式には遅れちゃったけど 担任の先生からクラスの顔写真貰ってるわよ。』
「顔写真…?」
『顔と名前ぐらいは覚えて行きなさいよ。』
「うん、確かにそうだね…」
紙を受け取り 1枚1枚、丁寧にめくる。
《 八神 優人 》
やがみ…ゆうと?
かっこいい名前だなぁ…
見た目も…
癖ひとつ無いサラサラの金髪に…
シュッとした優しい顔…
左目の下にホクロがあるのも…綺麗だなぁ…
同じクラスなんだよね…
お友達に、なれるかな…?
翌日の朝。
僕は初めて高校の校門をくぐる。
馴染めるといいな…
僕の席は…?
ここかな…
窓側の前から2番目。
何の変哲もない席だ。
目立たないくらいがちょうどいい。
本当は学校回りたいんだけど…身体に負担かけちゃダメだし…
静かに座って待ってよ…
奏多『なぁ、優人〜』
「なに」
『俺、今日弁当忘れたんだよ〜』
「知らないよ、そんなこと」
『そんな冷たいこと言わないでさぁ、分け与えてくれよぉ〜!』
「俺だってそこまで持ってきてないし、購買で買って来いよ。」
『くそぉ、優人のケチ!』
「ケチも何も無いだろ」
『コノ〜! お…?』
「…?」
『お前、あいつ知ってる?』
「…はぁ…?」
「……」
登校して来たんだ。
もう、体調大丈夫なのかな…
「あの子あれだろ?」
「確か、入院してたって子」
『へ〜』
『席、お前の後ろじゃん』
「…うん。」
「…てか、用事あんだろ?」
「早く済まそうぜ」
『そうだな』
「……」
あの人って…八神くんだよね、?
こっちみてた…?
いやいやいや…それは自意識過剰すぎる…!!
「〜っ…///」
僕、何考えてんだろ…
授業…いつ始まるのかな…
僕の前の席の人って誰なんだろう…
優しい人だといいな。
HRの時間が近づいてくる。
他のクラスに遊びに行っていた人達も自分のクラスに戻ってくる。
寝たフリでもしてようかな…
ガタタタ
前の席の椅子を引く音がした。
誰だろう…?
僕は少し顔を上げた。
……
え…?
あああれって、八神くんだよねっ?!
落ち着け落ち着け…
………
こんなんじゃ授業に集中できないよ…!
ポンポン
?!
『あぁ、ごめん 驚かせちゃった…?』
「い、いえ!だ、ダイジョウブデス…」
『俺は、八神優人 よろしくね。』
「ぁ、あ…星宮歩夢です…お願いします…」
は、話しかけてくれたぁ〜っ!!
優しい〜っ!
『もう体調は大丈夫なの?』
「…へ…?」
『あ、いやその!後ろの席に人がいないからさ、先生に聞いたんだ…!』
「…大丈夫です、もう元気です…。」
『そっか、良かった。』
心配までしてくれるの…?!
優しすぎでしょ…
そんなところも好き…
チャイムが鳴り、授業が始まる。
きっとモテるんだろうなぁ…
彼女とかいるのかな…
八神くんはきっと一途なんだろうな…
……
ノート書かなきゃ…