只、何も考えずに歩いていた。
それが悪かったのだろうか、不意に足が練れ人にぶつかった。
何も故意に起こした事では無く只の偶然だった。
でもそれが私の今後の運命を、
否人生を左右したのは確かだ。
当時の私は両親に迷惑ばかりを掛け続けて遂に家を追い出された。
14歳という年齢の中、行く当ても無くヨコハマをただ歩いていた。
今後どうやって生きていくかが重要な筈なのにそんな事を考える思考力すら失っていた。
無理もない話だろう。
弱冠14歳の只の少女が見限られ両親に捨てられたんだ。
そこで正しい判断力の残っている人は常人では無い。
そんな状態だった私は自殺を図ろうとしていた。
私に生きている価値はないんだ、
そう思いながら。
不意に人にぶつかった。
男性だが細身で傍目で見ても不健康そうな人だった。
私は咄嗟に口を着く。
「すみません、」
取り敢えずぶつかってしまった事に対して謝罪した。
彼は私の謝罪に対し答えず立ち去ろうとしていた。
視線を上げた私は目を疑った。
勿論無言で立ち去ろうとした事にも驚いたが
それ以上に彼の綺麗さに。
彼の骨格や肉の付き方、目の形、造形等全てが理想だった。
思わず見つめていたのだろうか、彼は
『何だ、何か用か。』
と冷酷に言い放った。
「あ、いえ、特に用は…ただ凄く綺麗だなと思い、、」
『そうか、用が無いなら退いてくれないか。急いでいるんだ。』
そう言って立ち去る彼に完全に私は一目惚れをした。
ある程度進んだ頃彼は振り返って言った。
『おい御前。いつ迄ついてくる気だ』
気付いてくれていたんだ、ただそれだけの事が嬉しくて堪らなかった。
『黙りか。することは無いのか?暇人だな』
私に声を掛けてくれる人がいるのか、と場違いな感傷に浸る私。
『いつも付いてくるのなら僕と同じ組織に入れ。そして役立て』
彼は私にそう言った。
断る理由等持ち合わせていなかったし彼を知るには丁度良い提案だった。
そうして私はポートマフィアに入ったのだ。
真逆この決断が今後の人生を大きく左右するとも知らず…
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え な な ん ? ! め っ ち ゃ お 久 や ん ! ! 通 知 来 た 瞬 間 速 攻 来 た わ 、((