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辛い

日が昇ったあとでも、私は堤防の上に座っていた。

何も考えずぼーっとしながら、

でも、その時間が私には大切だったのかもしれない。

もうすぐ朝の8時頃かなと思う頃、後ろから声がした。

「あー!青島 海じゃん!」

あの女の声。

振り向いちゃ駄目、振り向いちゃ駄目…。

「ねぇ聞こえてんだろ?ゴミ」

「っ…!あはは、ごめん、考え事してたんだ」

「は?あんたが考え事?笑えるわ。どうせ大好きな海のことなんでしょ。

自分と同じ名前で良かったですねー」

嫌味のように言ってきた。

まぁ実際、彼女からしたら嫌味なのだろう。

それでも、私にとっては嬉しい事実だ。

「ていうか、堤防に登って怒られるけど大丈夫?」

笑いながら言われた。

怒られるとか、そんなの気にしてない。

大好きな海を近くで見れたのは嬉しいからだ。

「あっうん、大丈夫」

「ふーん、なら、私が先生に言っとくね♪」

あの女は嬉しそうに言って、学校へ向かった。

きっと私の悪いところを先生に言って、私が怒られるのがたのしいのだろう。

でも、先生は私に呆れてる。

だから、私のことを放おっておく。

たまに怒ってくる先生もいるけど、そんなの気にしない。

あいつらは金しか見てない。

教育という言葉を知らない。

親や教頭とかには媚って、生徒には理不尽をぶつけてくる。

もちろん、優等生や金持ちの家の生徒には優しくするし、

普通の生徒には時々、理不尽をぶつけてくるけど普通の接し方。

でも、出来損ないにはいつも理不尽をぶつけてくる。

私は出来損ないの中でも出来損ないだ。

私の親は…

別に今、考えることではないだろう。

あー今日は学校サボろうかなー。

「大丈夫?」

と、言いながら私の顔の前に綺麗な青色の瞳の顔が映った。

あれ、これ前も見たことがある。

「海ー学校は?」

「あぁ海里。学校サボろうかなって思ってんの」

そういえば海里はどこの学校なんだろう。

見た目的に多分、高校生だけど、ここら辺は海彩高ぐらいしか

近い高校はないし、あるとしたら、ここからバスで二時間の

高校ぐらいしかない…。

「へー学校ってサボっていいもんなんだ!」

えっと…これは嫌味?

それともボケ?

それともそれとも、学校…行ったことないの?

「海里って学校行っ…」

「海はさー学校、楽しい?」

遮られてしまった…。

でも、学校は…辛い…。

それしか言えない。

「私は…すっごく楽しい!」

嘘をついた。

自分にも、海里にも。

「へー!どんなところが?」

海里が目を輝かせながら言ってくる。

この綺麗な青い瞳を見ると、なぜだか心が自分のものでは

なくなる気がする。

まさに操られてるような…。

そして、私のすべてを見透かされている気がする。

「んー先生は優しいし、友達はたくさんいて、毎日が楽しい!」

「じゃあ、なんで学校行きたくないの?」

さっきまでの小さい男の子のようなきらきらした目とは違い、

少しだけ、少しだけだけど暗い目をした。

その瞬間、風が吹いた。

海がざわめきだすように波を立てる。

「 えっと…勉強が辛くなったから…かな」

「海…嘘、つくなよ」

さっきの彼の声とは思えない低い声がした。

そして波の声がおおきくなった。


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