※実氵兄者さんのkyさんとfjさんの2次創作です。
※BLです。苦手な方は回れ右。
※fj未婚設定。
※本人たちに迷惑のかかることはやらないでください。
ky「 」
fj『』
rt[]
us〔 〕
---------------------
_キヨside
今日もまた、動画を撮ろうとしたら頭がズキッと痛んだ。
原因は分かってる。多分”寝不足“だ。
最近、寝ようと思っても中々寝付けない事が多かった。
「俺ももうそんな歳かぁ〜 」、何て気楽な事考えられる状況じゃない。
体の疲労感も日に日に増すし、目の下に隈も出来てしまった。
隈は前までそこまで目立たず、「黒ずみじゃね?」なんて冗談言ってたけど、
今では相当酷くなっていて、黒ずみじゃ済まされない程になっていた。
体の疲労感に関しては結構辛い。
歳もあるし、それに加えて寝不足。更にはゲーム実況者という超不健康な生活。
動いてもないのに疲れるし、かと言って動こうとすると目眩がしてフラついてしまう。
前まではそこまでじゃなかったけど、今はそれが日常茶飯事になってる。
職業柄、昔も同じような事があったので然程心配してなかったのだが、
今日一緒に飲んでいたフジに、
「なんか最近中々寝つけなくてさぁ、もう3週間くらい寝れてねぇんだよな〜」なんて事をポロッと言ったら…
『嘘!?3週間!?それ大丈夫なの、?』
案の定、仲間思いのフジは物凄く心配してきた。
「あー、まあ。前にもこんなようなことあったし。」
『でも3週間は流石に…。 』
『それにキヨ、普段はそんなこと言わないでしょ…?俺に言うなんてよっぽどなんじゃ…。』
「大丈夫だって!言ってみようかなって言ってみただけだし…。」
それでもフジは、『でも…』とか『だって…』とかずーっとあたふたしながら言ってる。
俺も寝不足のせいか頭が回らず、ヘッタクソな返答しか出せない。
そんな感じでしばらく話してると、
『キヨさ、明日か明後日空いてない?夜。』
「何だよ。俺に男の趣味はねぇぞ。」
『違ぇよバカ!俺も昔一時期寝れないときあって、そんとき使ってたのが役に立たないかなって。』
と、提案された。
フジの優しさに、「母ちゃんかよお前は」と鬱陶しさと笑いが同時にきた。
ちょうど明後日は特に用事がないので、明後日お邪魔する事にした。
その次の日、俺はくったくただった。
もうすぐイベントがある事もあって、マネージャーさん達と会議。
会議の次はイベントの宣伝や会場の下見、リハーサルなど。
これでもかって程こなしたあとはグッズの宣伝とCMの声優出演…
もうここまですれば気絶するんじゃねぇかと思いながらも、 やっぱりその日も寝る事は出来なかった。
眠い。なのに眠れないのもストレスで、こんな事思うのも不服だけど、早くフジの家に行きたかった。
翌日の夜、俺は早歩きで!と思ったが、早歩きすると目眩が凄いのでやめた。
覚束ない足取りでフジの家に着くと、早速インターホンを押した。
家の中からドタドタと音がすると、勢いよく扉が開き、フジの顔が見えた。
『お疲れ様〜…って!!隈!!隈ひっど!?!?しかもフラフラじゃん!』
「あの、中…入れてもらっていいすか…。」
『あ、ごめ(笑)入って入って!』
と、騒がしい歓迎が終わり、家の中に入る。
すると、いつもはそこまで強くないフジの家の、というかフジの匂いがふわっと香った。
「ん、なんか…お前の匂いする。」
『え、臭い?』
「いや、別に…てか好きな匂いだし…。」
と言ったあと、すぐにハっとした。
俺、今めっっっっちゃ恥ずい事言ったな??
うわどうしよ、最悪。もうヤダ。
そうだ。全て寝不足のせいにしよう。今のは俺の意思じゃない。そうだ。寝不足のせいで変な事言っただけだ。
そう自己解釈してフジの方を向くと、後ろ姿だったけど微かに耳が赤くなってた。
なんで照れてんだよ。余計恥ずいだろがクソ。
ヤケクソになってフジを追い越し、ソファーに腰を下ろした。
『あはは(笑)随分疲れてんだなぁ?お前も。』
なんて言いながらフジが台所でカチャカチャと音を立てながら洗い物を始めた。
「んー…。」
しばらくすると、食器がぶつかり合う音と水温が消え、目の前にコトッとカップが置かれた。
「ん、なにこれ。」
『ホットミルク。美味しいよ。蜂蜜入り。』
こっちに目だけを向け、頬杖をつきながら隣にいるフジが言った。
「ありがと…。 」
一口コクッと飲むと、ほんのり甘くて暖かかった。
蜂蜜が入っているお陰か飲みやすい。
「甘…(笑)」
『あら、甘すぎた?』
「んーん、美味い。」
『ならよかった。』
フジはどこかへ行ってしまって、1人でテレビを見ていると、
『キヨ、どう?眠くなってきた?』
「ん、あー…。」
そういえば眠くなって来たかも…。
『立てる?今寝室準備したからおいで。』
そう言ってフジが屈みながら手を差し伸べてくれた。
「立てる。」
とだけ言って手を取り立ち上がった。
すると、立ち眩みのような感覚になり、フジに倒れ込んでしまった。
『わっ!ぅ、だ、大丈夫!?』
「あ、ごめ…退く…。」
『無理しなくていいから!俺に掴まって?』
「ありがと…フジ…。」
『いーえ。』
案内された寝室に入ると、綺麗に整頓されていた。
用意されていたホットアイマスクをつ付けて ベットに体を投げ込むと、布団に染み込んだフジの強い匂いが鼻を通った。
その瞬間、一気に眠気に襲われた。
「ぁ…ぅ…。」
と、弱々しく声を漏らし、そのまま眠りについた。
何時間経ったのだろうか。目が覚めて部屋を出ると、フジが泣きそうな顔をして抱きついて来た。
訳を聞くと、俺は何と二日間も眠り続けていたそうだ。
最初は「随分寝れてなかったっぽいな」で済んでいたらしいが、今くらいになると流石に心配になったらしい。
『死んじゃったかと思った…ぅ…。』
「な、泣くなよ…。」
泣きじゃくって抱きついてくるフジを抱き返し、撫でながら何とか宥めてその日はフジにお礼を言って帰った。
翌日の夜、フジから貰ったアイマスクやホットミルクなどを試した…のだが…
一向に眠れる気配がしない。まあそりゃそうだ。二日間ぶっ通しで寝ていれば、そんなすぐ寝れる訳がない。
そこからも寝てみる努力をしてみたが、
全然眠れない。
全ッ然眠れない。何でだ??フジの家ではすぐ寝れたのに…。
そこから俺は考えた。このままじゃ寝れなくて体を壊す。かと言って寝れもしない。ならば…
気絶するくらい疲れればいい!
我ながらアホみたいな考えだけど、予定を詰め込んで遊び尽くせば、疲れ果てて気絶するんじゃないかと、寝不足の果てに生み出した考えだった。
俺は予定を詰めまくった。うっしーとかレトさんとかガッチさんとかと飲みに行ったり、最俺で動画撮ったり、一切休憩も入れずにゲーム実況したり…。
それでも“家では”寝れなかった。
そう、家では…。
けれど、何故か最俺ハウスでは寝れるのだ。必ず。
撮影中も眠くて眠くて…撮影どころではない。
フジと撮影だったり、必ずフジがいると寝れるのだ。
意味不明すぎる。
まあ、今日も変わらずレトさんとうっしーと飲んでいるんだけど。
〔てかさ笑お前俺らの事好きすぎじゃね?笑〕
「は?」
[それな!俺も思った。]
「は、え、どこが?」
〔最近俺らとめっちゃ飲み行ったり遊んだりすんじゃん?前までそんな事無かったのに。〕
[そうそう。急にね。明日遊ぼとか、来週空いてる?とか。]
「いや、それ勘違いだって。」
そして俺はさっきのアホな考えと一緒に、何故かフジが居ると寝れる事を話した。
[へぇー、お前も意外と大変ね。]
「意外とか言うなし。」
〔いや、俺思ったけど、お前俺らが好きなんじゃなくてただ単にフジが好きなんじゃね?〕
「は???」
[確かに。]
「なんで納得してんの。」
〔だって俺らじゃ寝れなくてもフジなら寝れんだろ?〕
「それは違うじゃん。別にフジじゃなくても…。」
[そういえばキヨくんさ、フジくんが居ると寝れるって言うけど、それ匂いなんじゃない?]
〔確か、寝れなくなったと同時にフジの匂いめっちゃ強く感じるって言ってたよな?〕
「や、まあそうだけど…。」
認められない。てか、認めたくない。
分かってた。本当は。誤魔化してただけなんだ。
フジの匂いがあると安心して寝れてしまう事。
何なら、フジが近くに居てもそう。
そんなの、恥ずかしすぎるじゃん。
フジが居ないと不安で寝れないなんて。
親友に依存しちゃってるなんて。
コイツらにはバレたくなかったのに。
誰にもバレたくなかったのに。
酔った勢いで話すもんじゃないな。
「な、え、何で携帯取り出してんの?」
うっしーはニマニマしながらこっちを見てきて、それを見たレトさんは何かを分かったように同様にニヤニヤし始めた。
あ、これ。
ダメだ。
〔もしもしぃ〜?フジぃ〜?〕
「あっ!!ちょ、おい!!!」
取り上げようとしたけど軽々と避けられた。俺より小っちゃいから。
『あ!うっしー!どうしたの?』
クッッソ何で出んだよコイツ。空気読め。
〔今大丈夫?キヨがさぁ〜。〕
『あ、キヨ?キヨがどうしたの?』
声色が変わった。何かとコイツが1番俺の不眠を心配してくれてたかんな。
いやぁ〜実はさぁ〜とうっしーが先程の話をフジにすると、
『あ、ぇ、ぅ…えっと…。』
電話越しでも分かる。今コイツ絶対真っ赤だ。
まあ、それは俺もなんだけど。
〔今から迎え来れる?隈酷くてさぁ〜?笑笑〕
笑ってんじゃねぇよクソ。レトさんもくすくす笑ってるし。最悪。来ないで頼む。
〔じゃ、そゆことで〜!!〕
『あっ、え、ちょ((』
〔場所はね〜、〇〇ってとこ!じゃ、よろしく!〕
強引じゃねぇか!!
多分フジ来るし…諦めよ。
30分後、案の定フジは来た。
店員さんに事情を説明して、席を案内してもらうとこっちを向いた。
俺とぱちっと目が合うと顔を赤くさせた。
照れたいのはこっちのほうじゃバカ。
『えっと…あの…。』
〔あはっ笑もうコイツ持って帰っていいよ笑〕
[ほら、キヨも辛そうだし。]
正直のところ、大分辛い。
もう今すぐにでも寝てしまいたい。
けどフジにお持ち帰りされるまで眠れない。
『も、持ち帰りってそんな…!』
普段下ネタバンバン言ってるくせにリアルでは弱いんだ。コイツは。
俺はフジの方に腕を広げた。
まるで抱っこをしてもらう子供のように。
「早く…して…。」
ひゅぅひゅぅー!なんて言いながらレトさんとうっしーは盛り上がっている。
『き、きよ!?え、あ…ん…。』
フジは俺を軽々と持ち上げて、チラチラと後ろを振り返りながら居酒屋を出た。
あぁ、フジが近くに居る。フジの匂いだ。
本当、アホみたいだけど。
_「 。」
ウトウトしながらフジに抱っこされてフジの家に着くとベットに優しく降ろされた。
『今日の事は、キヨが起きてから話そうね。』
フジが隣に寝転ぶ。
お腹を優しくポンポン、と叩かれて、今にも眠ってしまいそうだ。
『おやすみ。キヨ。』
「ん…おやすみ…ふじ…。」
そうポツリと呟いて、俺は眠りについた。
ー後日談ー
前よりも寝てなかった俺は、3日間くらい寝ていたらしい。
フジはまた、『死んじゃったかと思ったぁあぁ…(泣)』と、泣きじゃくりながら抱きついて来た。
もっかい何とか宥めて、フジと例の件を話した。
そして、俺たちは正式に、付き合う事になった。
寝る時は必ず、フジを隣に置いて、フジの匂いを嗅ぎながら寝ている。ぐっすりと。
---------------------
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!