テラーノベル
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ハル

999
ほいっぷ🍰☕️
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このシリーズは反転AUです
反転するのは🤖と📡です
(人の🤖とロボの📡)
気が向いた時に続きが出ます
今回はサンプル的な感じなので細かいところはあまり掘り下げていません。本音を言えばわりとガッツリ設定があります
本編をなぞりつつ、捏造を加えて…みたいな感じになるかと思います
以上が良ければ、どうぞ
「さあ、起きて。あなたの名前は?」
暗い、洞窟の奥。怪しげな集団が横たわる男に声をかけた。
男は目を開け、少し思考してから名乗る。
「……俺の名前はドッグ・ヨージロー。8時間ホットドッグを焼き4時間リサセンに籠る。」
「せ、成功だ!!」
「ほんとに成功かこれ!?」
「だいぶ思想偏ってない?」
一人の意向が全面に押し出されたその発言に、それぞれ好きなように騒ぐ中。立ち上がった男は乱れた制服を正す。CPUにインプットされた知らない生き方。半ば無理やりエラーを押さえ込み、その胸元のバッジ(正義)を引きちぎった。
ーーーーー
「レダーさん、私のボスバッグ知りません…?」
「……そこのスタッシュにある。」
「あ、ありがとうございます。」
「ケインはよく忘れるんだね。」
「人間らしい、とか言わないでくださいよ?ヒトハラですから。」
ケインオー。868のボスの一人。御歳にじゅう…何歳だったか。元上司である成瀬夕コを追いかけてロスサントスに降り立ち、その彼女の突飛な提案により複数ボスの一人となった。
そこまでは、いい。868には、変わったボスが沢山いる。目の前のロボットもその一人。
レダーヨージロー。同じく868のボスの一人。パッと見てやけに姿勢のいい中年男性にしか見えない彼は、その薄皮を剥げば機械丸出しの人工物である。
ケインオー主導の成瀬一派によって改造され、彼は黒に落ちた。その前は奇異なことに、彼らと同じく警察官として働いていた。ホットドッグ屋として働くケインオーに度々出くわして、交流を深める内に目をつけられたというわけだ。
「リサセン行ってくる。」
「行ってらっしゃい。9時から客船行きますから、それまでには戻ってきてくださいね。」
「分かった。」
レダー改造の首謀者であるケインは、今はレダーのマスター権限を有していた。主従ではあるもののそこに上下関係はほとんどなく、868独特の横並びの風潮が色濃く出ている。現にレダーはケインにタメ口で、ケインはレダーに丁寧語を使う。(ケインは他の誰でも基本は丁寧語だ。)
9時まではまだ時間がある。情報収集ついでにホットドッグの屋台でも出そう。そう思ってケインはオレンジ色のバンを出した。
ーーーーー
「ケイン!待て!待って!」
吹き荒ぶ雨風がレダーの頭部を濡らした。
伸ばす手の先には到底届かない距離に飛び立つヘリコプター。
「ケインを返せ!っくそ、絶対、絶対!諦めないからな!!」
ヘリ要員だったケイン。ダウンさせられたその体を回収して、レダーは砂漠の拠点に車を走らせた。それが誤算だった。ケインはその拠点の鍵を所有していなかったのだ。
【レダー!もう無理だ!帰ろう!】
「ッくそ!ケイン!ケイン!!」
室内に入ると護送は解けてしまう。その隙を、優秀な警察に突かれてしまった。
踵を返す間もなく奪われてしまった。
雨音が集音器に刺さる。音鳴の無線すら、レダーの耳には届かなかった。
一心不乱にアクセルを踏んでも、頭上のヘリとは言葉の通り天と地ほどの差があった。
【レダー!!】
ようやく耳に入った無線に、震える手で返事を返す。
「【…ごめん、ケインが…。】」
【しょうがない、今は一旦、お前も逃げろ!】
ぬかるむ地面をタイヤを空回りさせながら走る。跳ねる泥は車体を汚す。黒黒(くろぐろ)と渦巻く後悔のようだった。
場所は移り、警察署。
「はい、じゃあケイン、押収してくからね。」
「はい。」
牢屋の中で大の字になるケインと、淡々と作業を続ける伊藤ぺいん。銃、アーマー、ロックピック、お薬…押収されるごとにケインの手持ちが軽くなっていく。
救急隊による蘇生を受け、罰金計算をするぺいんをジトリと見つめた。
「……気に病んでないといいんですけど。」
小声で呟いたつもりのそれが聞こえていたらしい。タブレットから顔を上げたぺいんが首を傾げる。
「ん?誰が?」
「レダーさんですよ。私を護送していたので…。」
「ああ。いや、でもうーん…。レダーか…。」
気に病む?あのレダーが?
ぺいんの記憶する限り、というかレダーの警察時代に共に仕事をしていて、彼がそのような素振りを見せた事はなかった。ぺいんの知るレダーは仲間を重んじはすれど、その死を悼むほど人情的ではなかった。
「大丈夫じゃない?ロボットだし。」
「……そうですか。」
ロボット。人と違う、感情のない、無機物。果たしてぺいんの一言にそこまでの意が込められているかは定かではないが、妙にケインの気にかかった。
じゃあプリズン送るからね。その一言と共にケインの視界は暗転する。
ぺいんの姿が掻き消える寸前、
「何も分かっていないんですね。」
レダーヨージローのマスターは言い放った。
ーーーーー
「ケイン、ごめん。」
「いえ、あれは仕方ないです、警察が上手かったんですよ。」
「本当に盲点だった…出所したら鍵ツアーしよう。」
「ふふ、はい。」
上下灰色に膝当てのなんとも言えない囚人服のケイン。それをカウンターを挟んで申し訳なさそうに腰を折るのがレダー。刑務作業場である食堂は、ギャングお決まりのフィードバックスペースだった。
「気にしないでくださいね、本当に。」
「…いや、気にするよ。あれは守れた。俺がもっと…。」
あまり瞬きをしないところは、指摘されれば気付ける程の機械らしさなのだろうが、今のレダーはまるきり人間にしか見えなかった。項垂れ、溜息に似た排熱をし、後悔を滲ませた声色でFBを繰り返す。
フライ返しを握ったままケインは思う。やっぱり警察は彼のことを何にも分かっちゃいない。こんなにも仲間思いで、自責することも出来る彼の、どこがロボットなのだろう。彼の自認は機械で、感情はない、ロボットであると繰り返すのが常だが。それでもケインには目の前の男が、仲間を守れなかった事を後悔し続ける、1人の人間にしか見えなかった。
コメント
2件
あれです、この話を反転で読みたい!とかあれば書いてくださいな
ふわっ…読了しました🥀🤍 人×ロボットの反転AU、光り方がすごく好みでした。 「後悔するロボットなんて最新鋭」ってタイトルへの着地が美しい…。 ケインが「何も分かっていないんですね」って言い放つ場面、ゾクっとしました。 ロボットだからって感情を軽く見る社会へのアンチテーゼ、刺さります。 レダーの項垂れる姿、人間でしかなかった…続きすごく気になる。更新待ってますね🥀📡