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ピンポーン、ピンポーン。

「稀咲ぃ、開ーけーて♡」


なぜ半間が稀咲宅に来ているかというと、

先程の集会での出来事からだ。

珍しく集会に出席していなかった

稀咲を心配した 半間がメッセージを送信すると、

「具合悪い」

とだけ送られてきた。

コレは相当重症だな、と思った半間は

すぐさまドラッグストアに駆け込んだ。


「あれ、鍵開いてんな」

「稀咲ぃー?、大丈夫かー?」

「あ、稀咲」

トイレから出てきた稀咲は髪を下ろしていて、

服装もグレーのスウェットという

いつもより柔らかい印象だった。

「うわ、顔色ヤベーじゃん」

「……なんで、来た」

「稀咲が心配だから〜♡」

「帰れ。移るぞ」

「まぁまぁ、ベッド行きましょーな」

「げほっ、けほ」

「なんか食える?作るぜ」

「だから、もう帰れって」

「いいからいいから。」

「お粥とか食えそ?」

小さく頷いた稀咲を見て、台所に向かった 。

「まァ、料理なんてした事ねーんだよなァw」

すごく不安になることを呟いた半間は料理を始めた。


「でーきた♡」

初めてにしては上手いお粥もどきを稀咲の部屋に運ぶ。

「稀咲〜出来たぜ♡」

「、っう」

稀咲は入ってきた半間を涙目で見ながら、

自身の口元を抑えていた。

「どーした…?」

「気持ち…悪ぃ…っ」

「ちょっと待っててな」


「稀咲、ここに吐いていいから」

持ってきたビニール袋を稀咲に手渡す。

「でも……。」

「だいじょーぶ、な? 」

「っうぇ…っ…う」

大丈夫という一言が稀咲を安心させたのか、

稀咲はおもむろにえずきはじめる。

「うっ……お”ぅぇぇっ」

「苦しいよなァ、大丈夫だぞォ」

「げほっ…、お”え”ぇ”ぇ”え”っ…」

「ん”……はぁっはぁ……」

「大丈夫か?稀咲」

「…ごめん」

「これ片付けてくるなー、またなんかあったら言ってな」


「お粥、辞めとく?」

「食べてぇ、」

「じゃあゆっくりな」

「、美味い」

「ばはっ、良かった」


「薬飲んで寝よーな」

「…あれ、薬ねーな」

「やべ、買い忘れたわ」

「ダッシュで買ってくるわ、待ってて」


「たでーまァ」

廊下を歩いている稀咲が見えた。

次の瞬間、ガタンッ!!という鈍音を立て

稀咲が倒れた。

「稀咲…!!」

「…来るな!」

「待っ…駄目、だ…あぁ…!うぁ…っ……止まれ…クソっ…見るな…見るなぁっ…!!」

ぶびゅっ、ぶびゅるるるっ、と下品な音を立て、

稀咲は半泣きで下痢を床に排泄してしまっていた。

「稀咲ぃ…?」

半間は稀咲の元へと駆け寄る。

「ぅぅ…っ、うっぷ…っ」

それと同時に吐き気も催してしまい、

半間の服や体に半分以上も吐いてしまった。

「お”ぅぇ…げ”ぇ”ぇ”っ” 」

排泄と嘔吐が収まる頃には

床は目を覆わんばかりのことになっていた。

「稀咲」

「…はっ、」

「、ごめ、、かひゅ、ごめんなさ、っ、ひゅっ、 」

「稀咲ぃ、」

「はっ、んま、ひゅっ、ごめ、っ」

「なぁ稀咲!落ち着けって。」

「はっ、ひゅぅっ、」

「オレ怒ってねぇから、な?」

「大丈夫か、稀咲」

「…うえっ、うぁっ、うぁぁぁぁぁあっ」

半間の言葉に安心したのか、泣き出してしまった。

「大丈夫、大丈夫だぞォ」

「ごめんなァ、気づかなくて。腹痛かったんだな」

自身の服と稀咲が吐瀉物まみれなことなど

気にせずに稀咲をぎゅっと強く抱きしめる。

「…最低だ、人に迷惑ばっかかけて……っ」

「もっとオレ頼れよ、1番傍に居ンのに」

「…………あぁ」


「片付け終わったぞォ」

「…本当にごめん、」

「ごめんよりありがとうの方が嬉しいんだけど」

「、ありがとう」

「よし、薬飲んでもう寝よーな」

「水取ってくるわ」

稀咲が半間の服の裾をギュッと引っ張る。

「…くな」

「、え?」

「…行くな、」

「…水取りに行くだけ、すぐ戻るからよォ」

「…分かった」

「薬飲もーな」

「ん、…」

「半間」

「ん?ほしーもんある?」

「…ありがとう」

「いーよ、別に」

END.

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