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私は、1人で森の中を歩いた。
すると、後ろからガサガサと音がした。
そして人が出てきて、ナイフを私に刺そうとした。
ガシャン
私は、刺そうとしたナイフを刀で防御した。
その為、大きな音が森の中に響いた。
ギギギ…と、ナイフと刀が擦りあっているせいで、鈍く鳴っている。
「…同じ人?」
「………………………」
相手は黒いフード付きの上着を着ていて、フードを深く被っていた。服も全体的に黒く、普通の人だったら、夜の森では気づかないだろう。
「実はね、師匠の所に駆けつけた時一瞬だけ見えたんだよ。貴方の事」
「っ…!」
その瞬間、相手は後ろの方向に飛んで距離を置いた。
「(動きが速いな…まぁ、こいつ1人なら気絶させれば___)」
そして、相手が合図をするように、指をパッチンと鳴らした。
「!!」
その瞬間、後ろからもう1人出てきた。
私は間一髪で避けた。
「(2人…?もしかして、師匠もこんな感じで___)」
考えてる暇は無かった。すぐにフードを被った2人が飛びかかってきた。
私は後ろの方向に飛びながら避けて、2人の隙を見つけようとした。
「(こいつら、無駄な動きが無い…手慣れているな…)」
私も、何か攻撃をしようと思い、刀を振りかざした。
だが、2人には避けられてしまった。
「っ………クソっ…」
私には、2人をどう倒せばいいのか…全く分からなかった。
「(一体どうすれば___)」
その瞬間、1人の敵がこっちに向かって飛びかかってきた。
私はそれに気づき、後ろの方向に飛んで距離を置こうとした。
だが、ある事に気づいた。
「っ!?(もう1人が居ない!?)」
敵は2人、その内1人がこっちに飛びかかり、もう1人の姿が見えない。
「(もう1人はどこに…っ!!)」
気づいた頃には遅かった。もう1人は私が飛んだ方向の真後ろに居た。
「あ…………」
死を覚悟した。もう私は死ぬ。そう思った。
だけど____
ガシャン
「…!?」
刺されなかった。それどころか、もう1人誰かが居るような気がした。
「…大丈夫?千夜さん」
「麗華…っ!?」
敵のナイフを麗華が持っていたナイフで防御していた。
「なんでここに…」
「説明は後。今は、こいつらをなんとかしないと」
「…!そうだね」
私は刀を構え、麗華はナイフを構えた。
敵2人も、それぞれが持っていたナイフを構え、戦闘体制になった。
風が舞った。それを合図の様に、私達は一気に飛びかかった。
私が1人の相手をし、麗華がもう1人の相手をした。
私は刀を相手に振りかざし、攻撃をしようとした。が、相手はナイフで防御した。
「(こいつ、やっぱり隙が無いな…一体どうすれば……)」
その時、声がした。
「がはっ!」
「えっ?」
麗華の声……では無く、もう1人の敵の声…?
「っ………」
「千夜さん!」
麗華がこっちに向かって走ってくる。
「麗華!ど、どうやって…!?」
「私は、前まで殺人鬼だったんだよ?相手の動きを見極めて、相手より遥かに速い動きをしたんだ」
麗華が説明してる途中、目の前に居る敵が逃げようとした。
「逃がすか…」
麗華がそう言い、瞬間移動のように速く走った。
「……これは、凄いわ。」
私は1人呟いて、麗華の後を追った。
私が麗華の後を追うと、麗華は敵を羽交い締めにしていた。
「千夜さん!早く!」
「えっ、あ、うん!」
「離せ!!」
敵が暴れていたが、それでも麗華は離さなかった。私は、刀の持ち手を相手の背中に思いっきりぶつけて、気絶させた。
「がっ……」
敵はバタンと倒れて、白目を向いて気絶していた。
「ふぅ…」
私は刀をさやに直して、小さく息を吐いた。
「とりあえず、こいつらを警察に届けよう」
麗華はさっき気絶させた敵をおぶって、歩いた。
「えっと、どの辺だっけ」
「あ、あそこ」
「…本当だ…」
麗華が指を指している所を見ると、もう1人の敵が気絶していた。私はそいつをおぶって、麗華と一緒に下山した。
「そういえば、なんで麗華はここに来たの?」
「…命に替えても…」
「?」
「命に替えても、守りたかったから」
「!!」
「これを、愛っていうんでしょ?」
「……うん。そうだよ」
一瞬、麗華と師匠の姿が重なった気がした。
「…ありがとう……」
私はボソッと呟いた。