Yoongiside
的外れなことを言いながらも、俺のことを心配してくれたヒョンと中央階段で別れる。
そろそろ鳴ってもいいはずなのに、黙ったままのリマインダーを確認する。おい、今日の1時限目は何か教えろ。
あーあ…やってしまった。そうだ、昨日1時限目休むことにしたんだ。こんなに意味もなく早起きして…
2時限目まではだいぶ時間が余る。
さて、このロスタイムをどうしてくれるか。
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余った時間を潰そうと思った俺の足は、何故か迷うことなく、使われていない第一音楽室へ向かっていた。
なんとなくここに来たくなったのだ。
この辺の教室を使っていた部は皆、最近できた棟の真新しい教室へ移ってしまった。
閑散とした廊下を進む。薄暗いけれど、掃除が行き届いていてまだ綺麗だ。
4階の東階段から続く廊下を歩く。突き当たりを曲がり、右手の2つ目の部屋が第一音楽室だ。
懐かしい景色。誰も使っていなかったのだろう、何も変わっていない。
1年の時は、サークルに所属していなかったから、よくここに遊びに来たものだ。
つかつかと静か教室内を歩き、入口から見て左側に置いてある立派なグランドピアノに近づく。
少しホコリを被っているが、艶やかで威厳を感じる。しばらくピアノを見つめていると、無性に弾きたくなってきて、用意を始めた。
ホコリを拭いて、真の姿を改めて見る。
美しい。俺と多くの時間を過ごしたこのピアノに、学校の物なのに勝手に愛着が湧く。弦を見て、音が鳴るか確認してから、椅子に座った。
ゾクゾクと鳥肌がたち、音を奏でることの感動を思い出した。
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ふーっと息を吐き、鍵盤から手を離した。
気持ちが良かった。自分の気持ちを全て音にぶつけて表すのが。作曲は続けていたが、楽器に触れるのは久しぶりだった。
少し荒々しがったが、まぁいい演奏だっただろう、と満足気に立ち上がる。
ふと、窓から向かいの棟の教室で講義が行われているのが見えた。
…あれ、ヒョンじゃないか…?
視力には自信がある。もう一度目を凝らしてよーく見てみる。黒板を見つめ、顔を下ろしてなにか書く。忙しなくそれを続ける美しい横顔は、やはりヒョンだった。
何故か朝のあの考えが思い起こされた。この人に言ったら…ってやつ。今の俺が女になったらどんな感じなのだろうか。
あ、
久々に女になってみるか。
コメント
4件
トラウマを抱えながらもジンの前では女になろうとするユンギがたまらなく愛しくて…♡ふたりが結ばれることを望む(*´Д`*)
最高過ぎるー!続き気になる💭👀✨