TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

(あ、ヤバいっ、俺、死ぬ_? )

凄いな。こーゆー時ってほんまにスローモーションになんねんな。 治が手、伸ばしてくれとる。けど、、この手をとってもうたら、治まで道連れにしてまう可能性がある。やから拒否った。 俺の意思で。手を出さんかった。落ちることを望んだ。

つぎ 、目が覚めたら、俺は________









『はっっっ!!、、、』

白い天井。見慣れない部屋。

ん? 俺多分やけど死んだよな??

階段から落ちたんやし…

痛さは感じひんかったけど……

ここ何処や?天国か??

誰もおらんの(??

何故か知っている匂いのベットから出て、声が聞こえる下の方に降りて行った。

ちらっと覗いてみる。 、

店だろうか。 時刻は朝の8時30分。 だけど人が多く、夜の居酒屋のように見える。お客はほぼ、というか全員高齢者だ。

んん…????、 このカレンダーおかしない?

『なんで2018年なんや………』

俺は間違いなく2012年におったはず。

*しかも学校の階段に*。

そぉや、走馬灯っちゅうやつか?ほら、死ぬ前に見えるっていう………いや、走馬灯って過去が見えるやつやっけ??

しばらくは陰に隠れて状況を見ていた。

『兄ちゃん!おかか追加で!!』

『こっちも!梅干しもらってええ?』

『はいよーっ』

帽子を深く被っているので顔は見えないが、この店主らしき人。 何処か知っている。何でやろ。

けど、手際よくおにぎりを握って、お客さんに笑顔で接して、片付けや準備まで全部1人でやる。

『…かっこええなぁ』思わずそんな声が出る。

そんな光景を見ていると、治もこんな感じになるんだろうか、と想像してしまう。それが目の前の男とピッタリ重なるのだ。 ___


そしてイヤイヤと首を横に振る。


カッコイイと思ってしまった。ということは、俺は治の進んだ道を認めたということになってしまう。やから、さっきの取り消しな!! なんも聞かんかったことにしてくれ。そう、自分に言い聞かせていた。_________



多分、あの店主が俺をベッドまで運んでくれた人なのだろう。

とりあえずお客さんが居なくなるまでここで待とう。それから何か知っているかもしれないあの店主と話そう。 そう思い、階段の下段に座る。そして睡魔に襲われ、抵抗することなく、目を瞑った。

-——-キリトリ線——–



『おーーい、起きてー、こんな寝にくいとこでなにしとん』

『ん、?、』

結構寝ていたのだろう。店主の人が店を閉めて、手を拭きこちらにやってくる。 現在9時50分。変な体勢で寝ていた為、首と背中が痛い。と、まぁそんな事はどうでもいい。

俺に話しかけてきた人を見上げる。

『お、さむ??』

そう。間違いなく治なのだ。双子の片割れを見間違えるはずがない。

俺と同じ目、鼻、口、眉毛、

俺よりもひと回り大きい体、

*落ち着いた大人っぽい、けど治だとわかる声*、

銀髪だった高校生治とは違って、

黒に戻した大人治。

なんて言うか、一言で言うとエロい。

大人の色気っちゅうやつか。?

大人治を見つめる。

『侑?、侑やんな??何で??どういうことなん?容姿からして高校ぐらいか、?どっからきたん。』

しゃがんで俺の顔を覗き込んでくる。

え、待ってめっちゃ質問してくるやん!?

『いや、それは俺が聞きたいわっ!!』

そうツッコんだ後に後悔する。治、ということは確実だが大人にとる態度ではなかったと。

少し しょげている俺を愛おしそうに見つめ、治が話し出す。治のこんな顔、初めて見た。、彼女には見せとったんかな……?

『その感じ、侑で間違いなさそうやな笑

何で此処に居んのか侑も分からん感じなんやな?

さっき店開けよ思たら、店の前で倒れとってさ。 眠っとるだけやったから、俺のベットで寝かせとってんけど、どこも怪我とかしとらん?大丈夫か?』

あー、やからか。

あのベットが知っとる匂いやったのは。

ってちゃうちゃう。何で俺はこんな冷静やねん!

『おん。怪我してない。……

なぁ、今って、何年や??』

そう。今1番気になるのはそれや。

『ん?今か?、2018年やけど。』

『……』やっぱそぉやん!!なんなん!??

6年後に来てもたんやけど!??

いや、まぁ、夢なんだろうよ?

そう思うようにしよう。おん。

しばらく沈黙が続いた。

大人治と見つめ合いながら。


『侑は、何しとってこっちに来てもうたんや?』

治の率直な疑問だろう。俺は素直に答えた。

一部を除いて。

『あんま覚えとらんねんけど、気づいたら階段から落ちてて、死ぬかと思ったらこっちに来とってん!!!やから、走馬灯か何かかなって思っとるんやけど……』


この言葉を発したあと、治の顔が少し曇った気がした。

けど、見てないふりをした。 多分気のせいだから。____

すると急に大人治が抱きついてきた。

『ふっふ、 侑可愛ええなぁ 。抱き心地えぇ。』

そうすると同時に 俺の首らへんの匂いを嗅ぐ。

たまにかかる息が少しくすぐったい。

『んえ!?え、?、// 』

驚きがとまらない。

だって、 こんな治を見た事がないから。

高校生治は、俺に甘えることは勿論、こんな愛おしそうな顔で俺を見ることは無かったから。

ちょっと嬉しい。

俺を必要としてくれとるみたいで。

俺だけの治見たいで。

俺の心は満たされた。

『ツム、こっち向いてや』

(ピクッ)

久しぶりに聞いた気がする。

治しか呼ばない愛称。

目を合わせる。

俺と全く同じように作られた顔なのに、

なんでこんなにカッコよく見えるのだろうか。

治の左手が、俺の右頬を撫でた。子供が大好きなおもちゃを貰った時のように嬉しそうに見つめてくる。

心臓がドクドクいっている。

俺の顔は少し熱を帯びた。

『あんま見んとって///恥ずい……///』

そういう俺にはお構いなしに゙可愛ええ゙゙照れとる゙と、何回も述べ、俺を抱きしめた。

いやな気はしない。

気づけば、その状況が20分続いていた。 そんな時に俺のお腹がなった。 『あっ……///』なんか知らんけどむっちゃ恥ずい。 やめろや、俺のお腹!!!

治は腹を抱えて笑っていた。そんで二言。

『ちょー待っとってや。 ツムの好きなん作ってくるからっ。』

そう言い、俺の頭をワシャワシャと乱暴に撫で、キッチンへと向かって行った。

おれもそのあとを追いかけ、カウンター席に座っる。

手際よく握られるおにぎりを見て、思ってることを述べた。

『おにぎり握っとる姿、むっちゃカッコええ』

普通に言ったつもりだった。 けど治はおにぎりを握る手を止め、いつもの眠そうな目を大きく開きこちらを見ていた。

そして恥ずかしそうに帽子を深く被る。

『初めて言われた。そんなん。』

*多分これは、*俺に ということだろう。

きっと常連客のおばちゃんとかにはよォ言われとる気がする。 別にその光景を見たわけやないけど、なんか想像出来るんや。

『そぉなん?? こっちの俺、治の事全然見てないんやな』自分でも思う。未来の自分の事なのに、他人事みたいやなって。

『…まぁ、、侑忙しいし、 こっちの侑彼氏おるからなぁ。』

あー、サムもやん。他人の事話しとるみたい。一瞬目にハイライトが無くなった。そんな気がした。笑顔つくっとんの、バレバレやで。

こっちの俺らは、そんなに会ってないんやろか…

って、

『え、?、、』

俺が忙しいという事は、何となく分かっていた。

治はバレーをやっていない。 なのに、この13番のユニフォームには宮と書いている。 きっと俺の事なのだろう。 俺はプロになっていて、忙しいのだろう。 それは分かるのだ、

『今彼氏っていうた??』

治が頷く。

彼氏か、、そぉか。

まぁ女と付き合う気は無いのでその可能性は十分にあるのだろうけども。

相手は誰や……… サム、じゃないんよな。。

俺は男と付き合うのだ。治を置いて。 いや、でも2012年の治は俺を置いていった。 それの反対ではないか。何も悪いことやない。少なくとも未来の俺は無罪やん。

『……誰とか、気になるん?笑』

おにぎりが作り終わった治は、俺にそう告げながら、『これ、ツムの1番好きなやつやねん!』って明るく言う。 俺の前では無理せんでええのに。

その言葉が1番言ってあげた方がいい言葉だと思った。 けど、何も言えなかった。 …

『まぁ、気になるか、ならんかで言ったら気になるけど……』そう言いながら、おにぎりをひとつとる。


『 ほぉん 、 なら言ったるわ 』

ゴクッと唾を飲んだ。 誰や、 今の俺に言って分かるやつなんか?、 アラン君とか、 なわけないかっ… ぐるぐると思考がまわる。

そして治の言葉を待った。


『 ツムが階段から落ちそうになった時に、助けたやつ。』

そう述べれば、はよ食べてーや。 と、この話は終わりだと言うように俺をせかす。

『お、おん、』と動揺しながらおにぎりに目を向けた。

そんで1口食べてみる。


『美味い……!! 、 』



1口でわかる。 きっと今まで食べてきたおにぎりの中で1番美味い。 米の一粒一粒がモチモチで、

ふっくらしてて、握り方が上手い。いい塩加減や。 あれ、 昔ばぁちゃんが作ってくれたおにぎりに似とる味。 懐かしい味に、治独特のこだわりもプラスされてるのが俺には分かった。

具材は俺の好きなネギトロだ。

『せやろ??(笑) なんてったってウチの米は

北さんとこの米やしな。』

『えっ、そぉなん!?』

『そぉそ (笑) 』

聞きなれた名前を聞いて驚いた。 というよりも、

大人のサムと大人の北さんが今でも繋がってるという事に驚いた。

さっき俺とはあんま会ってないと予想したのに、

俺よりも北さんと会ってるって思ったら ちょっと嫉妬する気持ちが、少なくとも高校生の自分にはあった。

自分でも分からないぐらいに少し不機嫌になっていたみたいで、 『どぉしたん? 』と顔を覗き込んでくる。

パッと顔を上げると、唇が触れそうで触れない距離まで近づいていた。

『お、おさ…』

チュッ

そのまま流れるように優しくキスをした_

それと同時におにぎりを落としてしまった。お皿の上でほんとに良かったと思う、まだ食べれる。

『んえっ、え……///』

まだいまいち状況が掴めていない俺は、混乱するしかなく、そんな俺を見て大人治は、

『あぁぁ、可愛ええなぁ、俺のもんになってや、侑。』

と、優しく俺の頬を撫で、愛おしそうに俺を見つめた。

『え、…ええよ』

と、俺も笑顔で、少し照れたような様子で微笑み返し、治の服を掴む。

どうせ向こうの治は、俺を愛してくれない。

こっちの俺は治を愛していない。

それなら愛してる同士でくっついてしまえばいいのだ。 だから俺はここに来れたのかもしれない。

『ほんま? 俺のもんになってくれんの?(笑)』

なんて疑ってきたから言ってやった。

『治のもんになったるっ! 何なら今から証明してもええよ〜? (笑)』と。

すると治の中の何かが切れた音が聞こえた気がした。

そして気づいた頃にはヒョイッと持ち上げられ、

さっきまで居たベッドにおろされた。

『こーゆーことやで?、ホンマにええねんな?』

と何度も念を押してくる大人治。

『サムがええの!!

あ、でも…初めてやから、優しくは…して欲しい…』

と言うと完全に吹っ切れたようで『んー、約束はできんな、』とペロッと舌を出し、 獲物を捉えた時の獣のような目をし、俺の首筋に噛み付いた。

まだあのおにぎりは食べれるであろう。

『イッッ 、』

今まで味わったことの無いような快感に、”痛いけれどもっとやって欲しい”などと思ってしまった俺はドMなのだろうか。それとも相手が治だからだろうか。

それを声には出さず治の背中に腕を回し物欲しそうな顔で見つめればまた治が喰らいつく。少し汗ばんだ匂いにふらっとする。


ベッドからギシッと言う音がして、気づけば俺は

深い夢の中へと落ちていた。


治と触れ合っているところが熱い。けど、それで温もりを感じれて、愛を感じれる。

この治は、俺が付き合った時どう思ったのだろうか、 治が女と付き合った時の、俺のように悲しんだのだろうか。?


高校生治からは信じれなかった、夢かと思うぐらいに幸せで、何も考えられなくなる。

現代に戻れたら、治に告白しよう。そう思った、この先、俺が治以上に好きになる人は居ないと思ったから。 そしてこの大人治を、 1人にさせない、させたくないから。__

もうきっと、あのおにぎりは食べられないだろう__

そこから意識がプツン と途切れ、

目を覚ますと



またまた知らない 白い天井だった。





𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭.

この作品はいかがでしたか?

804

コメント

4

ユーザー

やばい読み入りすぎて時間忘れてた!!本当この話好き!続きまってます!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚