輝茜
⚠口調迷子
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ヂリリリリリリ
目覚ましの音が頭の中に響く。僕はそれを叩いて止め、また寝る。すると、30分後には母親が起こしに来る。
母「茜!いい加減起きなさい、何時だと思ってるの!」
茜「はいはい…」
僕はこう見えて凄く眠りが深い。ねぼすけだ。
母「お母さん仕事行ってくるから。ちゃんと学校行くのよ」
茜「うん」
あおちゃんが毎朝窓からモーニングコールしてくれたらこの寝坊も治ると思うけど、そんなのしてくれる訳もなくて、毎朝母親のお怒りモーニングコールで起こされる。
ガチャ
茜「はあ…」
ビュンッ…
茜「…?」
ため息をしながら玄関の戸を開けると、何かが目の前をすごい速さで遮った。見間違いだろうか。
輝「あれ〜蒼井じゃん」
輝「光止まって止まって、蒼井がいる」
光「そんな時間ねえよ輝兄!」
声が聞こえる方を見ると、会長が弟の光に引っ張られながら走っていた。
茜「…え、何してんの、てか弟にそんな…どっちが上だよ、。」
輝「えーー朝から酷い」
光「先輩も早く行きましょう!まじで時間ないですよ!あと5分で遅刻です!!」
茜「まじかーー…」
仕方なく3人で朝から走って登校した。
光「じゃあ、また放課後!」
輝「うん、授業がんばって」
光「先輩も!」
茜「… ああ、うん」
3人とも学年が違うから、ここからは個人的な時間の問題。間に合うかは本人の気力次第。僕はあんまり走りたくないから、軽く小走りで教室に向かう。
寧々「あ!茜くんおはよう!」
檸檬「おはよー、今日もギリギリだな」
葵「おはよう茜くん」
教室に着くとみんながおはようおはようって次々と言ってくれる。
茜「おはよう」
寧々「汗すごいね、走ってきたの?」
茜「うん、毎朝だよ」
葵「私が家出る時、毎日茜くんの部屋カーテン閉まってるもん」
茜「あはは、起きれないんだよね」
みんなにこう言われるぐらい、僕はよく寝る。そりゃあ忙しい時は夜更かしとか早起きとかするけれど、というかしなければならない。でも暇な時期や何も無い休日はずーーっと寝ている。一日中寝ていいと言われたらご飯も食べずに24時間寝れる自信がある。特に夏と秋はよく眠れる。陽の光が暖かいから。僕が寝たら誰も起こせない。誰に声をかけられても起きれないのだ。
ガララ
先生「おはよう」
先生「いやー寒いな…。この時期は行事もないしみんな暇だろう、宿題出してやろうか?」
「いらなーーい!」「やだーー!!」
今日は金曜日。週末は予定が何も無いし、天気も晴れ予報だから、お昼寝日和だ。帰ったらすぐ寝よう。
放課後…
輝「蒼井ー?いるー??」
茜「…なんですか」
輝「あのね、今日急遽来週ある集会の原稿を作れって言われたんだけど、残れる?」
茜「…..」
輝「なにその顔笑」
輝「 用事があるなら無理しなくていいよ」
茜「…分かりました、残ります」
輝「おー!じゃあ生徒会室行こう」
茜「はい」
せっかくの予定が台無しだ。帰ったらすぐ寝るつもりだったから、今ものすごく眠いのに。
カチカチッ…カチ…
輝「蒼井すごい眠そうだね、夜更かしでもしたの?」
茜「してないです、ただ眠いだけ」
輝「へーー」
コク…コクッ…
輝「…寝ないでよ?」
輝「これ、ひとりで作るとなると相当時間かかる」
茜「…僕今寝かけてました?」
輝「うん、寝かけてたって言うか、寝てたよ。完全に」
茜「うわーー…寝てたら起こしてください」
輝「うん、分かった。頼むよ副会長?」
茜「はいはい」
カチ…カチ…カチ…
「あおい、起きな 」
茜「…ん、」
茜「…え、あれ、僕寝て…」
茜「お母さん…?」
輝「あはは、何寝ぼけてるの?笑」
輝「おはよ、蒼井」
茜「…会長僕のこと起こせたんですか…??」
輝「うん?そうだけど、どうしたの」
輝「もう資料作っちゃったし、19時半だよ」
茜「….うそだ…」
輝「ホントだよ」
母親の声でしか起きれたことないのに、なんで会長の呼びかけで…
輝「蒼井すごい寝てたよ、もう爆睡」
輝「疲れてたの?」
茜「いや、そういう訳じゃ…ないけど」
茜「ていうか、起こしてって言ったじゃないですか」
輝「いやほんとさ、寝顔が可愛くて、光の寝顔見てるみたいで起こせなかったの 」
会長が頬杖をついて、幸せそうな笑顔で話す。外は真っ暗で、部屋は暖房で暖かくしてあった。僕の膝には会長のブレザーがかけられていて、体がすごくぽかぽかした。
茜「僕は…弟じゃない」
輝「わかってるよー」
輝「でもほんとに弟みたいだった」
輝「こんな目立つ寝癖もつけちゃって」
そう言って僕の寝癖を治すように頭を撫でてくれた。
輝「蒼井は眠りが深いんだね、ねぼすけさんだ。いいこと知っちゃったー♪」
茜「…うるさい、早く帰りますよ」
輝「まってよ〜」
会長の「起きて」の一言で目が覚めてしまったことが、なんだか凄く恥ずかしい。だって、母親ですら僕を起こすのに苦戦するのに、会長の一言で僕はすんなり目を覚ましてしまった。つまり僕の寝坊癖は会長しか治せない。毎朝会長のモーニングコールで起きなければ治らないのだ。
茜「最悪だ…」
輝「ん?なんか言った?」
輝「…あれ、なんか機嫌悪くない?どうしたの?」
茜「う、うるさいな…。大体あんたのせいで…」
輝「…あれ、もしかして??いつもお母さんに起こしてもらってたの??」
輝「あんなに眠り深いのに、僕の一言で起きちゃうなんて…蒼井僕のこと大好きじゃん」
茜「うるっせえ!!大好きじゃない!」
輝「嘘つくなってー、大好きなんでしょ?」
輝「毎朝モーニングコールしてあげるよ」
茜「いらない!」
おわり
コメント
6件
自分で自分のこと「ねぼすけ」とか言っちゃうのまじで可愛い……(泣)会話のやり取りがすごく温かくて本当に弟だとか家族みたいで癒されます……💕輝兄もちゃんとお兄ちゃんしてて好き🫶
コメント失礼します!なにかほんあかしたような雰囲気がめちゃくちゃ好きですっ!!会長の一言で起きちゃう茜くんとても可愛らしい、(^^ω)。
初コメ失礼します!🙇♀️ ねこぜさんの作品を沢山みさせて頂いてます!! なんかもう、ほわほわした雰囲気がとても大好きです💕 ちゃんとお兄ちゃんしてる輝兄、弟気質な茜くんがとても尊いです!💕 これからも見させて頂きます! 長文失礼しました!🙇♀️