ああ、鳥の音がやけに鬱陶しい。刃物を持ってペランダに出て、グサリと……。
「出来たらなんて清々しい 」
そう呟きながら苦笑いする。時計を見ると、あっという間に正午を過ぎていた。彼は硬いベッドから起き上がり、カーテンを閉めたまま冷蔵庫の方へと向かった。
「何も無い」
しょうがないテレビでもつけようかな。彼はリモコンに手を伸ばし、電源をつけると、また硬いベッドの上に座った。あのお笑い芸人の浮気問題、あのアイドルの性暴力事件、あのスポーツマンが詐欺にあったって、嘘かホントか皆それに踊らされている。薄暗い部屋の中でただ一人、テレビのあかりが鬱陶しくて電源を消した。
「本当にみんなどうしょうもない」
喋っていると息が吸えない。それが心地よくて仕方がない。
「みんな、俺が救ってやるから」
まってて