第三話 占いを信じるかは、貴方次第です!
天の助、テリ、ファイヤーの三人が旅を続けていると、
道の真ん中に怪しげなテントが設置されていた。
天の助「なんだあれ? たこ焼き屋か?」
テリ「占い師のテントでしょ!! タコ焼きの要素ゼロ!!」
すると、テントの奥から黒いマントの男が静かに現れた。
男「占いを……信じるかどうかは……あなた次第です」
天の助「わぁっ、出た! 怪しいポーズの人!!」
テリ「自分で言うな!!」
その男はクールに名乗る。
男「俺は……占い師・新宿」
ファイヤー「地名じゃねえか!!」
新宿の表情は一切動かない。
まるで修行僧のように無表情だ。
新宿「占ってやろう。無料だ」
天の助は急にテンションが上がった。
天の助「うぉぉ! 占って占って!!」
テリ「そんな勢いで頼まないで!!」
新宿は机に置かれた謎の水晶玉を撫でる。
すると玉の中に天の助の姿が映り――
新宿「……ふむ。今日のお前の運勢は……」
天の助「ゴクリ……」
新宿「……大ピンチだ」
天の助「即答!?」
テリ「そんな的中率100%みたいな言い方やめて!!」
ファイヤー「まぁ天の助だしな……」
天の助「慰め方が雑!!」
◆ ◆ ◆
その後、三人+新宿が歩いていると――
ふいに地面が揺れ、あたりに甘い匂いが広がった。
テリ「え……なんか、お餅の匂い……?」
次の瞬間、
巨大なきなこ爆発が巻き起こった!!
天の助「うわああああ!! べたべたするぅぅ!!」
甘い粉の煙の中から、女がふわりと降り立った。
女「……これ以上、毛狩り隊に逆らう気? ところ天の助」
天の助「誰だお前!? 甘い匂いしかしないぞ!」
女は堂々と胸を張る。
「私は新毛狩り隊Zブロック隊員――
きなこ餅真拳のきなろ」
ファイヤー「なんか美味しそうな名前!!」
テリ「食べ物扱いするな!!」
きなろは腕を振ると、周囲にきなこ嵐が巻き起こる。
きなろ「きなこ餅真拳奥義――
もっちり爆散(ブレイク)!!」
ドカァァァァン!!!
甘くて粘度の高い衝撃が天の助を直撃する。
天の助「ぐえええええ!! 粘る! ものすごく粘る!!」
テリ「そんな食レポみたいな悲鳴やめて!!」
天の助は完全に動きを封じられ、ファイヤーもベタベタで動けない。
ファイヤー「俺……燃えてるのに……きなこ強すぎる……!」
きなろは冷たく微笑む。
「どう? あなたの運勢、最悪でしょ?」
テリ「占い当たってる!!」
天の助「当たらないでいいのに!!」
どんどん追い詰められる一行。
その時――
ひゅっ……と風が吹き、きなろの後方に黒い影が現れた。
新宿「……占いの結果、ここで俺が助けると出た」
天の助「言い方かっこいい!!」
新宿はクールに手をかざす。
「――『敵の足元の運勢:滑りやすい』」
テリ「そんな占いある!? ねぇあるの!?」
するときなろの足元が急にツルッとなり――
きなろ「えっ!? ちょっ……」
ドッシャーン!!
完全に転がったところへ、
天の助とファイヤーが同時に技を放つ!!
天の助「プルプル真拳奥義!!」
ファイヤー「ファイヤー!!」
二人「焼きたてきなこところ天!!」
テリ「いや混ざりすぎて何味か分かんない!!」
爆発的なコンボが炸裂し、きなろは空の彼方へ吹っ飛んだ。
きなろ「覚えてなさぁぁぁぁあい!!」(退場)
◆ ◆ ◆
戦いが終わり、天の助は新宿を見つめた。
天の助「なぁ、新宿……さっきの、すげぇ助かったぜ」
新宿はわずかに視線を落とした。
「……俺は生まれつき、占いの才能があった。
でも……誰も信じてくれなかった」
テリの胸がキュッとなる。
ファイヤー「そりゃ災難だったな……」
しかし天の助は、満面の笑みで言った。
「俺は好きだぜ! お前の占い!!」
新宿の目が、ほんの少しだけ柔らかくなった。
「……そう言われたのは、初めてだ。
なら……俺も旅に同行させてもらおう」
テリ「仲間増えた!! しかもクール担当!!」
ファイヤー「暑苦しさが中和された!」
天の助「じゃあ行くか! 次の占い、頼んだぞ!」
新宿は水晶玉を静かに撫でる。
「次の運勢は……“波乱の予感”だ」
テリ「絶対ろくなこと起きないやつ!!」
こうして四人となった一行は、また先へ進むのだった。







