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(今は……………1時…)
(もうこんな時間か…)
点々とした街灯が、足元を照らす。
フラフラとしながら、俺は帰路についた。
体が重い…家庭を支えるため、がむしゃらに働いてきたツケだろうか。
残業は当たり前。
遅い時間に帰ることが多くなった。
おまけに出勤は早い時間。5時間寝れたならいい方だ。
「ただいま」
…なんて言っても、返してくれる人はいない。
独り身のわけでは無いが、きっと妻は寝ているし、同じく娘も寝ている。
というか、こんな時間まで起きているわけがない。
俺達は共働きだ。妻の方は、給料はそれほど多くないが、一生懸命働いてくれている。
たまには感謝を伝えたいと思っても、そんな暇が無いのが現実だ。
少し暗いリビングに入ると、机の上にはラップがかけられている夕食が置いてある。
ラップを取り、置いてある箸でその夕食を口に入れた。
…………やはり、冷めきっている。
それでも妻が作ってくれたものだ。俺は、冷えてあまり味がしない野菜炒めを、残さず食べた。
2階に上がり寝室に向かうと、娘と妻は二人で布団に入って寝ていた。
寝顔を見て少し安心すると、俺はリビングに戻り、ソファーの上で寝る。
まあ、眠る時間はそんなにないけれど。
しばらくすると、水道から水が流れる音で目が覚めた。
「ん…?」
「あなた、起きたのね。そういえばさっき会社から、仕事は午後になったらしいの。ゆっくり休んでて」
そう言って、妻はニコッと笑う。
ああ、やっと休めるのか。
すると、2階からドタドタと音がした。
「お母さ〜ん!!なんで起こしてくれなかったの!?遅刻する〜!」
「自分で起きるって言ったの、あなたじゃない」
「起きなかったら起こしてよ〜!」
「フフッ」
思わず吹き出してしまった。娘はまだ2年生なのに、性格はとても大人びている。
「お父さん?今日は仕事ないの?」
「仕事は午後になったんだ」
「そうなんだ!無理しないでね」
「…」
無理しないでね……か。
のんびり過ごしていると、あっという間に出勤の時間が来てしまった。
スーツを着て、俺は家から出た。
後ろでは、妻が手を振ってくれている。
それだけでも、心が救われた。
会社に行くまでまだ時間があったので、少し寄り道をすることにし、普段とはちょっと違う道を通る。
すると、少し奥の方に、花屋があるのが見えた。
(こんなところに花屋なんてあったかな…?)
よってみると、妻の好きなピンク色の薔薇が目に入った。
それに見入っていると、「どうかしましたか」という声がして、慌てて後ろを振り返る。
「この花が好きなんですか?」
ここの店員らしき人は言った。
「いえ、私の妻が好きなんです。もうすぐ母の日なので、渡そうかなと思って…」
「そうなんですか。ラッピングします?」
「あ…ありがとうございます」
ぎこちなく会釈をする。
花なんて…どうしようか。仕事が終わるまでにしおれてしまわないだろうか。
すると、俺の顔を見た店員さんは、
「預かっておきましょうか?仕事が終わるまで」
「! 良いんですか?」
「大丈夫ですよ」
店員さんは、ニコッと笑った。その笑顔が、どことなく妻に似ているような気がした。
仕事を早くに終わらせ、急ぎ足で花束を取りに行き、俺は家へ帰った。
「あら、今日は早かったのね」
妻が少し驚き気味に笑う。
俺は、その笑顔が輝く彼女に、ピンク色の薔薇の花束を渡した。
どうだった!?!?
初めてのノベルなんだよ〜!
ちょっと難しかった…w
これからは読切でノベルとか気まぐれに投稿していこうと思うよ〜
じゃ、バイビッ!