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風呂上がりにアモンに髪を乾かして貰い、ウトウトしているとアモンがポツリと言葉を零した。
「…もし天使を倒したら…何だか、寂しくなるっすね…。
いや、もちろん…。天使を倒したくないわけではないんすよ?」
「そうだな。」
「…ただほら、天使を倒したら…。
きっとみんな、どこか別の場所に行っちゃうじゃないっすか。」
「まぁそうだろうな」
「それぞれの故郷に帰ったり…。長い旅に出かけたり…。ボスキさんは故郷のある西の大地に行くんすよね?」
「あぁ。」
「そうしたら…。賑やかな屋敷が、少し寂しくなるなぁって思って。」
アモンが口を閉ざし、少しの沈黙が訪れた。
「…みんないなくなる、か…。」
「俺みたいにどこかに行くやつもいれば屋敷に残るやつもいるだろ。」
「…な〜んて。辛気臭いのはオレっぽくないっすね。」
「確かにアモンらしくねぇな。」
「やっぱりそうっすよね…。」
「俺は屋敷を出るつもりだが、お前は残るのか?」
「この屋敷の庭はオレの自慢の庭っすから…。屋敷に残るつもりっす。」
この屋敷に来た時からずっと庭の設備は自分がしてきた。だからこそ簡単に手放せるものでは無い。
「屋敷出て花屋をやるってのも考えたりはしてみたんすけどね…。」
「お前が育てる花はどれも綺麗だからな。」
「へへっ。元々、花屋だったすからね〜。」
「いつまで髪触ってんだ。もう髪乾いただろ」
「あ、ほんとだ。」
「この話はもう終わりだ。
未来のことなんてまだ分からねぇだろ」
「そうっすね。」
「もう遅いし寝るぞ」
「おやすみなさいっす」
「あぁ、おやすみ。」
それぞれのベッドに入りやがて眠りについた。