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「ドイツさん!」

そう呼ぶ声が、表情が、目線が、

全て俺の物だったら良いのに。


最近は仕事中にまでそう考えるようになってきて。

これが恋なのだろうか。

それとも…

「ドイツさん?」

突然話しかけられ、肩が跳ねる。

この声は…


…日本だ。

「あ、す、すいません。驚かすつもりは無かったんです。」

『いや、大丈夫だ。何か様か?』

「大したことではないんですが、手が止まっていたので…何かあったのかな、と。」


…俺の為に心配してくれる所も、好きなんだなぁ。


『すまん、少し考え事をな。』

「そうでしたか…しっかり休憩してくださいね。」

『…あぁ、ありがとう。日本もな。』

「は、はい!」


手が止まっていたようだ。…仕事に集中しないとな。


カタカタとキーボードを叩く音がふたつ。

俺と日本だ。

現在時刻は20時ぴったり。


俺の仕事が終わった所で、日本もきりがついたそうで、飲みに誘われた。

久々に飲むのと、日本と2人きりなため即OKをだした。


楽しみな反面、この気持ちを吐露しないよう気をつけなければ。


そう思いながら会社を出た。

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