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善弥
「捕まえたって…人形を?!!」
美鶴
「ははは!人形の正体はこれだよ」
べシャッ
浜辺に投げ捨てられたそれは
まるで、動物の様な…しかし、今まで見たことの無い。
不思議な生き物だった。
善弥
「…うさぎ?」
??
「チッ…我はうさぎではないわぁ!!」
善弥
「うさぎが喋ったぁ!!??!」
ブチッ…
???
「おっど りゃー!!」
うさぎの様なその生き物に
蹴られそうになった時だった。
善弥
「わっ…」
ガシィッ
美鶴
「残念でしたー。
私の方が速いよ笑」
???
「ムキーッ!! 離せ!人間め!!
我の存在が汚れるであろう!!」
美鶴
「ははは、君は騒がしい妖だね。
ところで話があるんだけど」
???
「ん?なんだ?大事な話か?」
善弥
(あの体制のまま話すのか。)
美鶴
「うん、大事な話…その前に自己紹介。
私の名前は美鶴」
???
「…スイマだ。」
美鶴
「スイマ…落ち着いて聞いて欲しいんだけど、
今日からこの活動をやめて欲しい。」
スイマ
「…え、どうして??」
美鶴
「あのね、人間を困らすの楽しいよね
よく分かるよ。私もそう。
でもね、私たち人間には感情という物があって、
それは、妖には理解できない物なんだ。」
スイマ
「…」
美鶴は
小さい子供に お母さんが優しく注意するように
スイマに注意していた。
美鶴
「感情ってのは厄介でね。
身体とは違って、傷付くと治らないこともあるんだ。
恐怖というやつだよ。
君がこの海でやっていることは
1人の人間の感情を傷つけてしまった。
もう治らないかもしれたい。」
スイマ
「そ、そんな。 それは困るぞ!!
我は人間の作ったメシが好きだ!
1人減ったら1つ品が無くなるかもしれぬ!」
美鶴
「そうなんだよ…その人に特別な自己流の
料理があったとしたら
その人の料理は一生食べられなくなってしまうかもしれないね。」
スイマ
「それはダメだ!
我の願いは全ての料理を食べることだ!! 」
美鶴
「そっか…それじゃあ、
この紙にサインしてくれる?」
ペラ
どこから出したのかも分からない
その紙とペンを渡し、名前を書かせた。
かきかき…
スイマ
「できたぞ!!」
美鶴
「ありがとう…これは約束を破ったら
どうなるか分からない契約の紙だ。
次同じようなことを人間にしたら
お前はもしかしたら死ぬかもしれない。」
スイマ
「大丈夫だ!安心しろ!
我は人間を殺す気も傷付ける気も無い!!
ただ飯が食えればそれでいいんだ!」
美鶴
「ありがとう!
お礼に今日の夕飯には君も来るといい。」
スイマ
「ほんとか!!やったぁ! 」
善弥
「……」
そのうさぎの様な生き物は
まるで小さい人間の子供の様に飛び跳ねていた。