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文豪ストレイドッグス 🤕 様の夢小説



⚠自己満

⚠性行為、体の関係匂わせ

⚠終始夢主side

⚠夢主の名前→〇〇


それでも良い方だけお進み下さい𓂃🕌🧞‍♂️











ジーニー、私の願いを叶えて───






目が覚めると遮光布カーテンの隙間から優しい朝日が射していた。隣には此方に背を向けて寝息を立てる貴方。

素肌同士が触れ合って体温を分け合う。


「お早う」

「お早う、ごめん起こしちゃった?」


そう貴方はごろんと体ごと私の方へ向いて目を擦る。寝起き特有の掠れた声。普段から空に浮く風船のようにふわふわした声色は更に浮遊感を持っていて、私は其の声が好きだった。然して、此の朝の時間も。

寝具ベッドから落ちて床に散らばる衣服を洗濯機に放り込んで、適当に用意した朝ご飯を食べる。食べ終わった頃には洗濯機が回り終わって、湿った其れらを自分の分だけ持って私は部屋を出た。


「じゃあ、また」

「あぁ、また後でね」


そう云い残して誰も居ないのを見計らって部屋を出る。そそくさと階段を降りて社員寮(ボロアパート)を出ると、程近い自分が住むマンションまで早足で向かった。





「お早うございます」

「あぁ、お早う」


九時過ぎ頃、とっくに出勤していた私に 、貴方は形だけの挨拶を返す。今朝の事が夢だったのではないかと思ってしまう程に冷たい態度。

別に付き合っている事を隠しているとか、そういうのではない。私達は”恋人”ではないのだから。

仕事が終わって帰って、今朝の洗濯物を取り込んで、今日の衣服を洗濯機にかけて、軽い夕飯を食べて。

然して数日経つとまた彼の家に行く。


『今日の夜来れる?』

『行けるよ』


たったそれだけの会話は此の後のやり取りからは想像もできないほど事務的だった。





此の曖昧な関係の始まりは、私の失恋だった。

三年付き合ってきた彼氏に別れを告げられ、まるで回収時の古紙のように家から追い出された。

其の元彼は浮気をしていて、其れを問い詰めたら此のザマだ。それでも好きだった気持ちは簡単には消えず、仕事を詰め込んだ私は会社で一人夜中まで事務仕事をする日々を送っていた。


そんなある日、時計の針が十一時を回った薄暗い事務所でパソコンに向かっていると、色々と感情が溢れて涙がこぼれてしまった。暫く一人で泣いていると、何故か太宰さんが現れたのだ。


「なら私の家に来る?」


そんな男のこと忘れさせてあげる、と私の目を彼の手が覆った。其れも良いかと思った私は、まともな思考が出来ない頭で決断し、彼の後を着いて歩いた。





彼が私を好きになることも、私が彼を好きになることもない。所詮私と彼はジャスミンとジーニー。


ジーニー太宰さん、私の願いを叶えて」


人肌恋しい時は傍に居て。一定の距離を保って、でも其の時間だけは恋人のように優しく接して。


「あぁ、いいよ」


貴方の表情は、優しくて、でも決して”天使”ではない。砂糖を煮詰めて溶かしてまた固めたような瞳。


戻れなくなると判っていても、飛び込まずにはいられなかった───









私達は決して、ジャスミンとアラジンには成れない。

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