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コメント
2件
続き待ってます💫💖
続きまってますᕕ( ᴖ ̫ᴖ )ᕗ
甘い事件はお好みですか?
それなら泡立て器がドアの取っ手のケーキ屋さんに訪れてはいかがでしょう。
今日のオススメはウィークエンドシトロン、パウンドケーキ型のレモンケーキです。フランスの伝統菓子なんですよ、本日はとても良い香りの檸檬が手に入ったので是非どうぞ。
いつものパウンドケーキもいいしレモンケーキも良いけれど、一味違うケーキも良いですね。今日もおまけに面白いお話を飾りましょう、どちらも選び切れない貴方にちょうどいいお話です。
俺は優柔不断だ、いつも選ぶことを人に委ねて過ごして来た。そんな時まさかの春が来た、相手は二人。親友同士で同じ好きな人ができどちらが選ばれても恨みっこ無し、と二人で告白してくれたらしい。正直嬉しさが勝つ、だが案の定優柔不断な俺は答えが出せないままでいた。周りの友達に相談を持ち掛けたが「羨ましいな」
と冗談交じりに返されるか「美人な方を選べば?」
と他人事で終わる。告白から3日経ち二人から答えの催促がくる、どうしようもなく二人になぜ俺なのかを尋ねた。(以下AとBとする)Aは入学式の日自己紹介で緊張していた私を気遣ってくれたから…らしい。Bはプリントを床に盛大に落とした時、颯爽と現れ一緒に拾ってくれたから。どちらも身に覚えが無い事だった、しかし前に相談を持ち掛けた友人に言われた「美人な方を選べば」
…の言葉。俺にはそれしか選ぶきっかけがなかった、Aはぱっちりとした二重でかわいい顔立ちをしている。Bはどちらかというと美人ともかわいいとも言えない素朴な顔立ちだ、百人に聞けば全員Aを選ぶはずだ。もちろん俺もAを選んだ、Bは一瞬悲しげな顔をしたが直ぐに笑顔を作り俺とAを祝福してくれた。二人は本当に仲がいいのが伝わった、同時に罪悪感も感じたのを胸の内に留めた。Aとの日々は楽しかった、Bにも恋人が出来たことが風の噂で耳に入った。それと同時期にAがだんだんと機嫌が悪くなり、俺への風当たりも強くなった。帰り際、Aの機嫌を伺いながら話していると最近話題に上がらなかったBが笑顔で好青年と共に笑顔で歩いていた。友達ではない距離感に内心複雑だった、ふと隣で手を繋いでいたAの握る力が強くなり目を向けると黙って俯いていた。俺には理由がわからない、戸惑いを隠せないでいるとAが声を荒げた。「なんであんたが私より幸せそうなのよ」
そう言ってBに掴みかかる、Bの彼氏がAを引き剥がした。俺はただ呆然と見つめるだけだった、Aは続けて「あんたより、可愛くて、勉強できていつも誉められたのは私の方なのに、あんたが好きって言ったからこの冴えない男と付き合ったのになんでいつも私より幸せそうなのよ……なんで…」
その言葉に怒りより絶望を感じた。
その後Aは不登校になり、俺は冴えない学生生活をおくることになった。
さてこのトッピングはいかがでしょうか?どちらも選び切れない貴方にぴったりでしょう。あらお気に召さない?では別の物を…すみません、閉店時間でした。次はもっと面白いお話を飾りましょう。ありがとうございました