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『あいつも実はここの人なんだよ。笑』
そうなんですか…! と思わずびっくりしてしまう。
よく考えたら話し方優しかったし、それなら辻褄が合うななんて思った。
『戻りましたーっ…ってあっ、お客さん来て…お?キャッチされてた子…?』
『キャッチされてたって言うな』
「先程はありがとうございました… 」
いえいえ〜なんて笑いながらいう人。
『僕は森本慎太郎って言います よろしくね^^』
なんか飲みますか?と聞かれたので緑茶で、と答えた。
『そういえば、あの人と別れたって言ってましたよね?』
はいそうですけど…と少し戸惑いながら言う。やはりナンパだったのか..??
『今日はどこに帰るんですか? もう1時ですけど、』
ホテルに行こうかなと考えてました、と言うと
『じゃあー…..俺ん家来ますか?』
なんてもりもとさんが言った。
もちろん、まだ完全に警戒していない訳では無いため男性の家に上がるのなんか絶対に無理。
『おまっ、せっかく落ち着いて話してくれてんのに… すいませんほんと』
「家に上がるなんて申し訳ないです、」
するとじゅりさんが手をあげてきた。
私は叩かれると思い、咄嗟に顔を腕で隠し、後ろに椅子を引いた。
「ごめんなさい、!!! やめてください..!!」
今にも泣き出しそうな声で必死に抵抗した。
『大丈夫だよ、じゅりが叩いたりしないからね。深呼吸してお茶飲もうか。』
と背中をさすりながらもりもとさんは冷静に対処してくれた。
自分の頭よりも上に手があったりすると叩かれると認識しているためこうなってしまう。
じゅりさんやもりもとさんが自分に暴力を振るわないなんて、
誓ってくれたことだとわかっているはずなのに。
『ごめんね…. 頭にゴミ付いてて、』
「私が悪いんです、じゅりさんは何も… 頭ではわかっているんですけど、」
うんうん、と相槌しながら優しく声をかけてくれるおふたり。
その後も沢山話を聞いてくれた。
気がつけば午前3時を回っていた。
「話聞いてくださってありがとうございました、」
『また来ていいからね。』とじゅりさん。
『おれらはいっつも日付変わる時間…12時くらいにいるからまた来てね。』ともりもとさん。
本当にありがとうございました、と言ってその場を出ていった。
…..なんだろう、少し寂しい。
ホテルと言ってもラブホテルしかこの時間は取れなかった。
ネットカフェに行くことにし、早歩きで向かった。
自信満々に進んでったはいいものの、方向音痴が出てしまい道に迷ってしまった。
「キャリーケース持ったまま道迷うのキツいよー….、」
今日は野宿か、と気分が完全に下がってしまった。
こんなことなら相談所の方に泊めてもらえばよかったと今更後悔した。
疲れが出たのか気づけば深い眠りに落ちていた_____。
アラームの音で起きる朝。
もう5時か、早くご飯作らないと、なんて考える。
あぁ、私もう、独りだ。
5時のアラームがOFFに変える。
そしてもう一度目をつぶって眠りについた。
目覚めて携帯の時刻を見てみると午前11時を回っていた。
こんなにも遅く起きたのは学生の時の休日以来だったななんて考えながらベッドから腰をあげる。
ん?ベッド…?昨日結局ホテルに入ったんだっけ…?
『おはよ〜! 昨日疲れてたんだね、ぐっすり寝れた?』
元気よく呑気にあいさつするもりもとさん。
いまいち整理できず、頭が真っ白になっているのが身に染みてわかる。
戸惑っている私を見てもりもとさんは大爆笑していて、
『しんたろーうるさぁい、んぁ、おはよぅ、』と言いながら起きてくるじゅりさん。
「これは….どういう…こと…でしょうか、」
色々お話を聞いて、私がここにいる理由は、
たまたま家に帰る道に私が寝ていたらしく、それでおふたりの家に連れてきたそう。
『俺の家だって』
『いや違うって!! 俺が家賃払ってる!! お前ゲームしてるから電気代しか払ってない』
『電気代払ってるし、俺の家でもあるし』
『うぇっ、ぜんっぜん意味がわかんない』
こんないざこざもあったが、表札は“森本”となっていたので家主はもりもとさんのようで、
じゅりさんは居候させてもらってるらしい。
『どう〜…? 少しゆっくり寝れた〜…?』
「昼近くまで寝てたの2年ぶりくらいです…!!」
『ご飯作ってあるから冷めるうちに食べちゃってね^^』
ご飯まで…!?と驚きながらもありがとうございますと礼をする。
人の作った料理を食べたのは、昼近くまで寝てたのと同じくらい久しぶりで、
なんだか涙が出そうになった。
『えっ、なんか不味いもの入ってた!? 苦手なものとか!?』
『どうした? 大丈夫?』
「いえ、笑 すごく美味しいです…笑」
泣くぐらい美味かったんじゃねぇ?笑良かったなしんたろ笑というじゅりさんに続いて
頭を縦に大きく振った。
安堵の表情を浮かべるもりもとさんを見て私は自然に笑みがこぼれた。
***
『ってことあったよなぁ、』
『それが俺らの出会いかぁ~。』
現在の私たちは、5年前も前の話に没頭していた。
「じゅりくんは、“名前”に“さん”付けで読んでたけど、しんたろは“苗字”で“さん”付けだったよ笑」
『うわそーじゃん!!笑』
『ナンパされたらそりゃ警戒するよ笑』
今や、呼び方も変わって、敬語でもなくなって、友達のような関係に達した。
あの地獄から救い出してくれた2人。
一生大事にするし、これからもずっと一緒です。
end