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2 - 『双子』

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2024年08月09日

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『双子』
















……✿……✿……✿……✿……✿……✿……✿……✿……




私たちは双子。



顔も声も瓜二つ。



ママやパパですら見分けがつかない。



お互いしか分からない。



同じ服を着て、同じものを食べて、同じ寝相で寝る。



怒り方も、泣き方も、笑い方も、全部全部一緒!



私たちはずっと一緒!








でも、中学に入ってから変わっちゃった。



お姉ちゃんは私よりもおっぱいが大きくなったし、私は足が大きくなった。



部活も、お姉ちゃんはバスケ部で、私は吹奏楽部と分かれた。



そのせいで、お姉ちゃんの背はどんどん伸びていって、私はちょっとだけ。



前は仲良しだったのに、喧嘩もすることも増えて、そして前みたいに話さなくなった。



本当はもっとたくさん話したかったけど、何故か恥ずかしかった。








私たちは3年生になった。



そして、お姉ちゃんが死んだ。



大学生の彼氏さんとドライブに行って、相当派手な事故を起こしたらしい。



幸い遺体はグシャグシャになったりせず、綺麗にお化粧をされて白い布をかけたお姉ちゃんを見た。



でも、生きていたときの日焼けした肌のほうがよっぽど綺麗だと、私は思った。



火葬が済み、遺骨を拾おうとなったけど、私は箸をもった手が震えて出来なかった。



お母さんとお父さんの目はクシャッとなっていて、トイレからは親戚のおばさんたちが「可哀想にねぇ……」と同情する声が聞こえた。









そうして全てが終わった。



家に帰って、ほんの少しだけ広くなったなと思いながら黒いスカートのホックを外す。



するっと素早く脱ぐと、カミソリ負けした脛がウザったく感じた。



ふと本棚に目をやると、音楽関係の本や英和辞典に紛れて、小さい頃お姉ちゃんに借りて返すのを忘れていた漫画が置いてあった。



何故か今更返さなきゃ、と思った私はお姉ちゃんの部屋に入った。



いつもは鍵がかかっているけど、今日は開いていた。



ベッドに散らかったオシャレな服。ひとつひとつキラキラ輝いているアクセサリー。



きっと彼氏さんのために色々準備していたんだろう。



本棚には医療系の分厚い本や、参考書、英検や漢検のドリル、お姉ちゃんがよく読んでいた青春系漫画もあった。



変な隙間を見つけて、本をかき分けると、小さなメモ帳が出てきた。



なんとなく開いてみると。



もうすぐ来るはずの私の誕生日と、私の好きなブランドのサンダルがメモされていた。



その瞬間、急に寂しさに襲われた。




「おばあちゃん!」

「どっちが、私で、どっちがお姉ちゃんでしょう!」

「え〜、分からないねぇ」

「正解は〜!」






私、一人っ子になったんだ。




この漫画の青春も、お姉ちゃんはもう味わえない。



もし生まれ変わりというものが本当にあって、お姉ちゃんが別の人生を満喫していたとしても。



“私のお姉ちゃん”は死んだ。



おでこもほっぺたも熱い。息が上がって目から溢れ出す。



きっと今日のご飯は美味しく感じない。




……✿……✿……✿……✿……✿……✿……✿……✿……















……✿……✿……✿……✿……✿……✿……✿……✿……



いやぁ……姉のことが大好きな妹ちゃん好き。

「姉妹」「姉弟」「兄妹」「兄弟」もう全部好き。

双子ってとこもね、またいいんだよね。

片方がいなくなって残されるもう片方……辛い……!好き……!

では!




そういえば、中3が大学生とって……やばくね?!?!





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