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みら

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#BL
kaede🍁
14,585
次の日の夕方。
目黒と阿部の家には、仕事を終えたメンバーが少しずつ集まり始めていた。
キッチンでは宮舘と岩本が夕飯の準備中。
目黒は康二とラウールと一緒で、あともう少しで帰ってくるらしい。
そしてリビング。
ソファには。
深澤。
阿部。
渡辺。
その向かいに、佐久間。
昨日それぞれの家で何があったのか。
なんとなく。
座っているだけで分かるような光景になっていた。
深澤はソファの背もたれに沈み込み、完全にぐったりしている。
身体が怠いというより。
どちらかといえば、気疲れの方が大きそうだった。
阿部もその隣でクッションを抱え、少し遠い目をしている。
そして渡辺だけが。
比較的。
普通だった。
佐久間が四人を見回す。
「……で?」
阿部と渡辺が同時に口を開いた。
「スウェット関係なかった」
「全然関係なかった」
佐久間が目を見開く。
「ええ!?」
阿部はクッションへ顎を乗せた。
「めめ、普通に百だった」
渡辺も頷く。
「涼太も」
「何で!?」
「俺が聞きたいよ」
阿部が即答する。
「服でどうにかなる問題じゃなかった」
渡辺も深く頷いた。
「むしろ涼太、スウェット嫌いって言ってた」
「案が失敗したってこと?」
佐久間は本気でショックを受けている。
阿部が小さく息を吐いた。
「俺なんてゼロのつもりだったのに、結局普通に怠いし」
「また?」
「また」
佐久間は心配そうに阿部を見る。
そのあと。
渡辺へ視線を移した。
「でも翔太は割と元気そうじゃん」
「うん」
「何で?」
渡辺は少しだけ得意そうな顔をした。
「最終手段があるから」
阿部がすぐに身体を起こす。
「何それ」
「教えない」
「何で?」
「めめに使うんでしょ?」
「参考にするだけ」
「それ絶対使うやつじゃん」
阿部が渡辺の腕を掴む。
「翔太、お願い」
「やだ」
何度頼まれても渡辺は首を横に振っていたけれど。
阿部があまりにも真剣なので。
とうとう折れた。
「絶対言わないで」
「分かった」
渡辺は阿部の耳元へ手を添える。
そして。
佐久間にも深澤にも聞こえない声で、何かをひそひそと伝えた。
阿部は真剣に聞いていたけれど。
途中から。
微妙な顔になっていく。
渡辺が離れる。
「どう?」
阿部は少し考えた。
そして。
ぽつり。
「……それ、めめには逆効果かも」
「でしょ?」
佐久間が二人を見る。
「何?」
「秘密」
「俺にも教えてよ!」
「佐久間は知らなくていい」
「なんで!」
そんなやり取りをしている横で。
深澤はずっと。
ソファに沈んでいた。
渡辺がようやくそちらを見る。
「それより」
深澤が嫌そうな顔をする。
まだ何も聞いていないのに。
もう分かっているらしい。
「ふっかはどうなったの?」
「……また今度にして」
即答だった。
佐久間が首を傾げる。
「何で?」
「今日は話したくない」
「作戦成功した?」
「……」
深澤が黙る。
阿部が時計を見る。
「でも、もうすぐ康二とラウ帰ってくるよ」
「だから何」
「二人がいるところでこの話すると、絶対引いちゃう」
深澤がぴたりと止まった。
「……」
阿部は続ける。
「今話した方がいいよ」
「何で俺、報告義務あるの?」
渡辺が当然のように言う。
「みんなで作戦考えたから」
「ちゃんと照本人に相談すればよかった……」
「それは今言っても遅い」
深澤は深く息を吐いた。
それから。
キッチンを見る。
宮舘と岩本は並んで料理をしている。
こちらの会話までは聞こえていなさそうだ。
深澤は少しだけ身体を起こすと。
三人を手招きした。
「……絶対、照に聞こえないようにして」
阿部。
渡辺。
佐久間。
三人が一斉に近づく。
「で?」
「どうだった?」
「成功?」
「声でかい!」
深澤は三人を睨んだあと。
さらに声を落とした。
「……『全部ちょうだい』って言った」
佐久間の目が輝く。
「言えたんだ!」
「だから声」
「ごめん」
深澤はもう一度キッチンを確認する。
岩本は宮舘と何か話していて、こちらを見ていない。
深澤は小声で続けた。
「そしたら照が『百あげるね』って」
阿部と渡辺が同時に。
「ああ……」
と声を漏らす。
深澤が睨む。
「何、その納得した感じ」
「照っぽい」
「すごく照っぽい」
「問題はそのあとだよ」
佐久間が首を傾げる。
「何かあったの?」
深澤は一瞬。
言うか迷った。
でも。
ここまで話してしまった。
「……俺の百が何か、全部教えてって言われた」
三人が固まる。
「全部?」
阿部が聞く。
深澤は頷いた。
「数字で百って言われても分かんないって」
渡辺が口元を押さえる。
笑いそうになっている。
「笑うなよ」
「ごめん。でも……照、らしい」
「そうなの!」
深澤は小声のまま力説する。
「真面目すぎるんだよ!」
佐久間もようやく理解したらしい。
「あー……」
「分かった?」
「つまり、ふっかがしてほしいこと全部自分で言うことになった?」
深澤が。
力なく頷く。
阿部が深澤の肩へそっと手を置いた。
「……大変だったね」
「他人事みたいに言うなよ。元は佐久間の作戦だからな」
「俺!?」
「『全部ちょうだい』って言えって言ったのお前じゃん!」
佐久間が慌てる。
「でも照ならちょうどいいと思ったんだもん!」
「百自体はちょうどよかったよ!」
「じゃあ成功じゃん!」
「羞恥心が百超えたんだよ!」
渡辺がとうとう吹き出した。
「それは知らないよ」
「翔太!」
阿部も笑いながら。
ふと三人を見回した。
自分。
渡辺。
深澤。
同じ“百”なのに。
誰一人。
同じことで困っていない。
阿部はしみじみ呟いた。
「……百でも、全員違う大変さがあるんだね」
渡辺が頷く。
「めめは百から下がらない」
「涼太は見えないところに百」
「照は百の内容を全部本人に聞いてくる」
四人が黙る。
佐久間はしばらく三人を見ていた。
それから。
大きく息を吐いた。
「もうさ」
「何?」
「あべちゃんも翔太もふっかも」
三人が佐久間を見る。
「全部裏目に出てるから」
「……」
「しばらく分析とか作戦会議とかしないで、大人しくしなよ」
ものすごく正しい。
誰も。
すぐには反論できなかった。
阿部が小さく言う。
「でも五十は見つけたい」
「ダメ」
渡辺も。
「ゼロの方法も」
「ダメ!」
深澤まで。
「かわいい部屋着は普通に気に入ったから――」
「それは着ていい!」
三人が笑う。
その時。
玄関から音がした。
続いて。
「ただいまー!」
康二の声。
「帰ってきたよー」
ラウールの声も重なる。
そして最後に。
「あべちゃん、ただいま」
目黒。
阿部が反射的に口を閉じる。
渡辺も姿勢を戻す。
深澤は再びソファへ沈んだ。
佐久間だけが。
三人を見ながら小さく呟いた。
「……本当に大人しくしててよ」
三人は。
返事をしなかった。
コメント
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今朝も爆笑させて頂きました、確かに💚💙💜も大変だけど一番大変なのは彼氏彼女でも無い🩷が巻き込まれて大変で3組を心配してあげて優しすぎるヽ(^。^)ノ

おはようございます☔️ 一気に読みました。 3組みんな違う価値観 100も0も 見つからない様な 自然に任せた方が良いのでは… 🩷の大人しくがどこまで効くのやら…