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brsha
社会人パロ
付き合ってはない
sha side
雪が降り始め、寒さに身を震わせ暖かい物を欲しがる時期になった。
全てが白黒に見える世界に取り残されたように、冬は人肌恋しくて体の芯から冷え孤独を感じる。
今日も今日とて残業をこなし、何とか終電に間に合った。
俺の住んでいる地域は終電で乗ってくる人が少ない。
繁華街も居酒屋もないからだろう。
あ〜寒い寒い。
今日はマフラーをして正解だったが手袋をつけ損ねた。
手先は冷え乾燥していた。
なんとか自分の息で暖かくしていた。
手が少し唇に触れた。
いたっ、、
唇は乾燥していて、手や風に触れられると少し痛みを感じる。
?「あ!いた!シャークん!」
誰だ?
こんな公共の場で俺の名前を呼んでいる人は
後ろから同期のブルークが走って寄ってきた。
br「寒かったでしょ?はい、これ」
sha「ありがと、」
この寒い時期に有難い暖かいコーヒーをくれた。
手に持つと手がじんわりと暖かくなる。
ブルークは寒いね〜なんて俺に言いながらコーヒーを啜っている。
br「シャークんの家ってここら辺なんだ?」
sha「うん、3駅先だけど」
br「えっ!僕2駅だよ〜近いね」
あははと口を大きく開けて笑う彼はとても愛らしかった。
コーヒーを啜ると乾燥している唇に沁みる。
br「シャークん唇乾燥してるね?」
と言いながら俺に近づいてきた。
俺の唇にするりと触った。
sha「っ!?」
br「ごめん!痛かったよね?」
sha「いや、大丈夫」
またコーヒーを啜る。
気持ちを紛らわすためだ。
ブルークはただの同期だ。
おかしい、ドキドキしている。ただ唇に触れられただけなのに。
br「リップ貸してあげる!」
sha「え?あ、ありがと?」
ゴソゴソとカバンを漁り出した。
しばらくすると赤と緑のパッケージのリップを取り出してきた。
br「クリスマスカラーで可愛いでしょ?」
へにゃりと笑う彼を見て俺は確信した。
俺は恋をした。
目の前の大男が愛おしくて、かっこよくて仕方がなかった。
さっきまでのモノクロの世界とはうってかわり、華やかに彩りでなおかつ煌めいていた。
br「こっち向いて!塗ってあげるよ!」
sha「へ?あ、、」
俺の顎をしっかり掴んで、ブルークの方に寄せられた。
俺は目を強く瞑っていた。
すると優しくリップを塗ってくれた。
sha「、、?」
塗り終わったのに手を離てくれない。
ちゅ、
と軽いリップ音が聞こえ唇にやんわりと温かさが残り、コーヒーの匂いが軽く鼻を通る。
目をゆっくり開けて見ると、優しく微笑んで寒さで頬と鼻が赤くなっているブルークがいた。
俺は思考回路が追いついていなくて、ポカーンとしていた。
br「もう1回リップ貰っていい?」
もう1回、、????
俺は完全に理解をした。
sha「うん、、」
ブルークの顔が近ずいてくる、、
キスされる、、!
『間もなく、8番線に、電車が参ります~』
!!!!!!
br「2駅先着いてからしよっか?」
sha「それって、」
br「シャークんの家より近いでしょ?僕の家来てよ」
sha「え?いいの?」
br「いいよ、コンビニ寄って家帰ろ?」
そう言ってブルークは俺の腕を引っ張って電車に乗った。
誰もいない電車に2人。
身を寄せ合う赤いマフラーの君と緑のマフラーを身に付けた俺。
今日から周りが色鮮やかに見えそうだ。