コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
あくまで個人の趣味であり、現実の事象とは一切無関係です。
スクショ、無断転載、晒し行為等はおやめください。
Dom/Subユニバースです。
午前中に入っていたリモートでの打ち合わせを終えて寝室に戻ると、ニキはベッドの上でKneelの姿勢を取って、ボロボロ泣いていた。そういえば昨日はお互い疲れ果てていて、プレイの途中で寝てしまったんだった。きっとコマンドも足りていないし、アフターケアも不十分だったに違いない。
恐らく起きた時に俺がいなかったから、不安になったんだろう。そりゃあ満足なプレイも出来ないまま、Domが姿を消せば愛想を尽かされたと考えてもおかしくない。
「ニキ」
「っ、ぼび」
俺の存在を認識した途端、涙の量が増した。喉の奥で押し殺したような呻き声も加わって悲壮感が凄いことになっている。
普通はパートナーを見たら嬉しそうにするもんじゃないんか。なぜそんなに悲しそうなのかさっぱり分からない。ただKneelの姿勢は絶対に崩さないから、本能がRewardを欲しがっているんだろう。
それじゃあ昨日の続きをしようじゃないか。
「ニキ、どうしたん。Kneelなんかして。俺なんも言ってへんのに」
「ぁ…ご、ごめ、」
プレイのきっかけくらいのつもりで軽く叱責したが、怯えた顔を見て「あ、これはダメなやつだ」と即座に理解した。すぐさま方向性を変えて甘やかす方へ持っていく。
「なんで謝るん?偉いよ。俺の事待っててくれたんやろ?」
「起きたら、ボビーいないから。怒ったのかと思って…っ、」
「打ち合わせがあったんよ。ごめんな、先に言っとけばよかったな」
Look、Come、Kiss。簡単なコマンドを出しては過剰なほど褒めてやる。すると徐々にニキの瞳がとろりと甘さを帯びてきた。
そろそろか。
「ニキ、Stay」
「ッ!」
俺のコマンドを正しく理解したニキは、話す事さえせず時が止まったかのように微動だにしない。ニキはこのコマンドが好きじゃない。ほんの少し動けば俺に触れる距離がもどかしいのだと。だからこそ少しだけ酷いことをしたい時はこのコマンドを使う。
予想通り大変嫌そうな顔はしているが、その瞳の奥は仄暗く輝いている。これを我慢すれば俺がいつもより甘やかすと知っていて期待しているのだ。
自分の顔をニキの顔の目の前まで持っていく。キスをされると思ったのか目を伏せた所で、俺が動きを止めれば慌てて目を開けた。コマンドを思い出したんだろう。
「Stayやろ?」
「ん、ぅ」
謝りたい。でも動けない、話せない。きっといろんな思考がグチャグチャになった末に蚊の鳴くような声が漏れた。動けないストレスのせいか呼吸が浅くなってきたところを見計らって頭を撫でた。
「よぉ我慢できたな。Good boy」
褒めればほろほろと涙を溢しながら嬉しそうに笑った。普段じゃ絶対にありえない素直さが可愛くて、抱きしめたり頬を撫でたり身体中に触れてやる。
「ね、ぼび、きすは」
ほわっと顔を緩ませてオネダリをしてくる愛しのSub。俺からして欲しいって事か。お望み通り顔中に唇を落とすと恥ずかしくなってきたのか頬がじわじわ赤くなっていく。
「ほんとかわいいな、お前は。俺の自慢の Subやね」
「ふぁ…ん、へへ」
首に回されたニキの腕を支えつつ、だんだん体の力が抜けて来ている彼を落とさないように抱え直した。
ちゃんと見守っててやるから、深い快楽に沈んで来い。
起きたら2人で遅すぎるブランチでも食べて、またゆったりしよう。
力の抜け切ったニキを抱きしめて、額にキスを落とした。