テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#夢小説
結紀
793
57
蓮
75
“わざとですよね”
“手を出さないのがです”
“私、こんなに頑張ってるのに…”
唐突に伝えられたその言葉に
俺は思わず嘆息をもらす。
確かにここ数日を振り返ってみると、
あいつの行動は妙だった。
──数日前。
夜、俺の部屋で紅茶を飲みながら
他愛もない話をしていた。
その日のあいつは口数が少ねえ上に
どこかそわそわしていた。
「もう遅えしそろそろ戻るか」
使ったティーカップを片付けようと
立ち上がると、無言で袖口を掴まれる。
「…」
そのまま何も言わずただ見つめてくる。
「…なんの真似だ」
あいつはゆっくり口を開いた。
「…今日は」
「朝までここに居たいです」
何を言い出すかと思えば、
あいつは顔を赤くしてそう伝えてきた。
「お前、自分が何を言ってるのか
わかってんのか」
「明日はお互い非番です」
「そういう問題じゃねぇ。だめだ。
部屋行って寝ろ」
「1人で寝るの寂しいです」
「同部屋のやつはいねぇのか」
「居ましたけど…今は居ません」
一瞬落ちた暗い影に、 以前初陣で同期を
失ったと言っていたのを思い出す。
「チッ…そんな顔してもだめだ」
至近距離で、そんな顔で
そんな無防備な発言をするな。
かなり危ねぇ。
「…わかりました」
やっと観念したか、と思ったが
掴んだ袖口は離されない。
まだ何か言いたげな表情を見つめていると
あいつは目を逸らしながら口を開いた。
「…じゃあキスして欲しいです」
「あ?」
「キスで我慢します」
…なんなんだ今日は。
だが自分の破壊力を理解してない
目の前の女にもう俺も限界だった。
「我慢?そのセリフ後悔すんじゃねぇぞ」
ぐいっ、と腰を引き寄せ唇を奪う。
──チュッ、チュ…
角度を変えるたび熱い吐息が漏れる。
息なんかさせてやらねぇ。
俺を煽った罰だ。
長い口付けのあと俺は少し後悔した。
「ハァッ、窒息するかと思ったっ…
兵長のいじわるっ…//泣」
唇を離した後のあいつの火照った顔は
俺をさらに追い込むのに十分だった。
「…てめぇがしろって言ったんだろ」
潤んだ瞳で怒りをぶつけてくる
あいつの破壊力をなんとか
平静を装ってかわす。
「”我慢”できそうか。
それともまだ足りねぇか」
「ほんとにいじわるですね!」
その後、あいつを自分の部屋に戻し
誰もいなくなった部屋で俺は一人、
深く息をついた。
…なるほど。
あの奇行も、俺を誘惑するための
あいつなりの作戦だったというわけか。
…可愛すぎるな。
柄にもなくそんな感情が湧いた。
…いや、全く気づいてなかったわけじゃねぇ。
だが俺は兵士であり、部下を束ねる立場だ。
そんな俺が欲に溺れたら示しがつかない。
だからあいつを抱くつもりはなかった。
…はずだった。
だが声を震わして勇気振り絞るあいつを
突き放せるほど俺も冷酷じゃなかった。
…いや違ぇな。
結局俺が欲に負けただけだ。
好きな女にあんなふうに迫られて
拒絶できる男がいるなら会ってみてぇもんだ。
明日の壁外調査。
この約束が生き残るための糧になるなら
悪くない。
──これから待ち受ける出来事を
知らない俺は、 呑気にそんなことを
考えていた。
コメント
1件
もうサイコーすぎたよぉ〜!!(*´Д`*)💕💕 うわっ、リヴァイ兵長がここまで葛藤してるの最高すぎる…「俺を煽った罰だ」とか言いながら結局キスしちゃうとことか、もうニヤニヤが止まんなかったんですけど!!😭💞 しかも「好きな女にあんなふうに迫られて拒絶できる男がいるなら会ってみてぇ」って…きゃあああ自覚しちゃってるー!!🔥 ヒロインちゃんの不器用な誘惑も可愛すぎて鼻血案件でした…「キスで我慢します」ってなにその愛おしさ!!✨ これはもう次が待ちきれない…!!さくさんありがとうございます!!😭💕