テラーノベル
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Noob x Guest666
平和
捏造いっぱい!!!
「ゲスト666が脱走した」
壁に寄りかかって面倒そうに報告する1x1x1x1。
「えーーー!!!」
ショックを受けるクールキッド。
「…また?」
この光景を見るのは十二回目のジョン。
「ああ。まただ。これで十七回目だ。」
「あれ、十四回目じゃなかったっけ?」
「十七回目だ。」
「そっかー」
回数を確認するとクールキッドは項垂れる。
「あのもふもふ、一体いつもどこに行ってるんだろう?」
「そりゃあいつの勝手だろうが。どうせ半日もすりゃ帰ってくるだろ。」
1x1x1x1は最初のうちはよく焦っていたものの、十七回目ともなると慣れきって、そういうものだとばっさり割り切っている。
「そうだね…」
ジョンは口元の笑みを崩さないまま、呆れたような返事をした。彼ももう慣れたのだ。
ゲスト666はときどきいなくなる。脱走の字の如く扉やら窓やら壁やら突き破って出ていくのだ。しかしその行き先を知るものはいない。最初のうちも、探していたらいつのまにか戻ってきていた。二十回近くとなるとみんな慣れて探さなくなった。すぐに帰ってくるだろうと。
外は小雨が降っていた。
サバイバー達が生活しているログハウスの窓際で、ヌーブは暗い外と窓ガラスにつく水滴を見ていた。
今彼の周りに仲間はおらず、別の部屋で各々のことをしている。ヌーブがいるロビーは珍しく静かだった。
ぼんやりしていると、黒い景色に赤が混ざっていることに気づく。不思議に思い赤色に意識を向けると、不意にそれが顔を上げた。
ゲスト666だった。雨に濡れながらも尻尾を揺らしてヌーブを見つめていた。
親友であることに気づいたヌーブは一目散に外に飛び出し、彼に駆け寄った。
「シクサー、大丈夫?寒くない?」
近づくと、ゲスト666は喉を鳴らしながらヌーブに頬ずりをする。ヌーブがそれを受け止めながら撫でてやると、今度は毛繕いが始まった。もっともヌーブに毛皮はないのだが。
「んっふ、ふふっ。くすぐったいよ…」
元気そうなことに安心して、ヌーブは小さく笑う。
ゲスト666とヌーブはログハウスから少し離れ、多少の雨は防げる木陰でのんびりしていた。穏やかな雨音のそばで、ゲスト666は体を丸めて、片膝を立てて座っているヌーブのすぐ横で眠っている。ヌーブが顎を撫でるとゴロゴロと喉を鳴らす。
ヌーブは変わり果てた友の毛並みを整える。
彼がヌーブのもとを訪れ始めたのはしばらく前のことだった。ヌーブと戯れるためにどんな天気の中でもやってきて、二人きりの時間を過ごす。
今回で大体十八回目だ。
仲間達にバレたらどうしようかと考えることもあった。しかしすぐに、仲間達はゲスト666を受け入れてくれるとヌーブは自分に言い聞かせた。
ヌーブがくしゃみをすると、それを聞いたのか、寝ぼけているゲスト666はヌーブを引き寄せて抱き締めた。あめにぬれたけ雨に濡れた毛皮は水分を含むせいで表面が冷たいが、すぐにゲスト666の肉体の温かさがヌーブを包みこむ。なんだか彼も眠たくなってきて、ヌーブも瞼を閉じた。数分もしないうちに穏やかな寝息が聞こえてきた。
「ゲストー?いるかーい?」
ジョンがゲスト666を探しに森へ入ってくる。木々の間を進み、やがてヌーブとゲスト666が二人で寝ている現場を発見する。
「おや…」
ジョンは少し考えたのち、ふっと微笑んで引き返して行った。
翌日ヌーブは風邪を引いた。
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