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ー第9話ー
ーデクたちはー


珠洲が連れ去られた後、個性強化訓練は一時中止になり、部屋に戻るよう指示された。


デク「珠洲さん…」


焦凍「思えば珠洲の個性見たの今日が初めてだよな」


勝己「ずっと個性を隠してたようには見えたな」


お茶子「ええ?!デクくん達はてっきり知ってるのかと思ってた!」


万百「死柄木弔と同じ個性じゃなかった…?」

 

勝己「んなんけねぇだろ!なんで珠洲とあいつの個性が一緒なんだよ。」


万百「そんなの私にも分からないわよ…。でも死柄木弔となんらかの関係がありそうよね。」


天哉「みんな、この話はもう終わりにしよう。きっと、先生達が何とかしてくれる。」


みんな「…」


デク「そうだといいんだけど…」


デクはそう言って、雨が降り続ける窓の外を眺めていた。



『…みんなごめんね。』


暇すぎるので散歩に来たのはいいが行くあてもない私は崖の上から見える雄英高校を座って見つめて呟いた。


『もう…私を探さないで。』


1人でいるとみんなの事を思い出してしまう。


?「珠洲さん!」


いきなり誰かの声がして思い切り後ろを振り向いた。


そこにいたのは、緑谷出久だった。


『な、なんで出久が…?』


デク「そんなの…君が心配だったからに決まってるじゃないか!」


『…ありがとう出久。でももう私はヒーローじゃない、だからもう関わらないで。』


出久は拳を握りしめて静かに私の隣に座った。


デク「僕たちには珠洲さんが必要だよ…。」


私は出久を見つめた後にこっと笑って雄英高校を見た。


『私実は知ってるんだ。出久の個性ってオールマイトから引き継いだモノでしょ?』



デク「…なんでそれを…?!」


『私、昔からその人が個性を持っているかが分かるの。


具体的にいうと、私からは人の心臓あたりにモヤみたいなモノが見えて、人によってその色は違う。


出久と初めて会った時、そのモヤが消えかかってる様にうっすらとしかなかった。


でも、出久がいきなり個性の使い方に慣れた日からそのモヤは強くしっかりしたモノになってた。


しかも今まで同じ色のモヤなんて見た事なかったのに、出久のモヤの色はオールマイトと同じ色をしてた。』


出久は余命宣告をされたみたいに顔が一気に青くなり、焦った様子だった。


それを見た私は急いで付け足した。


『安心して!この話まだ誰にも言ったことないし、ヴィラン連合のみんなにも言ってないよ。これからもこれを打ち明けようとは1ミリも思ってない。』


デク「よかったぁ…。でも珠洲さんにそんなものが見えてるなんて知らなかったよ。」


ふふっと笑いながら言った。


『なんか私の親も見えてたらしくて、遺伝なのかな?…私は出久のことすごく応援してるから。私はヒーローになれなかったけど、出久はきっとオールマイトを超えられる。だから絶対に諦めないでね、ヒーロー。』


私は出久の横を通り過ぎて帰ろうとした。


デク「……僕も知ってたよ。」


『…?』


いきなり訳の分からない言葉が飛んできて、後ろを振り向いた。


デク「僕も珠洲さんが自分の個性が大嫌いで、でもヒーローになりたいっていう思いが誰よりも強かったこと…知ってたよ。」


『…やめて。』


私は拳を強く握りしめて出久から目を離した。


もう私はヴィラン。思い出させないで。


デク「…約束したじゃん、4人で最強なヒーローになろうって。僕、本当の本当に、珠洲さんの個性をこの前初めて見た時、素敵な個性だなって思ったよ。まさになんでも切り開いてくれて、道を開けてくれる大胆で元気な珠洲さんにそっくりな個性で、絶対珠洲さんと一緒にヒーローになろうって思ったよ。」


『…そんなのウソに決まって…』


私が言い終わる前に出久が言葉を重ねた。


デク「ウソじゃない!!」


『…!』


デク「本当だよ…!ねぇ、珠洲さんって一体何者なの…?」


『…』


私は出久に目線を戻して、真実を告げた。


出久になら、言っていいと思った。


『私は…柄木珠洲の本名は死柄木珠洲。個性崩壊、死柄木弔の血の繋がってる本当の妹。』


デク「…え?」


出久は目の前の事実を受け止めきれなかったようだ。


私は優しい笑みを浮かべて地面に手をついて、個性を発動させた。


『私は兄さんと壊すことを決めたの。だからそっちには戻れない。出久達を傷つけることはしないから、お願い。帰って。』


出久の周辺の地面を崩壊で崩した。出久は焦りながらも跳躍して飛び立った。


デク「珠洲さん…!」


私はすごく苦しそうな顔をしている出久を見ていられなくて、微笑んで手を振ったあと、すぐ踵を返してその場を後にした。


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