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#二次創作
よんがつ
132
#夢小説
しらすのお部屋
568
つばさ
206
――それから、数週間後。
レウコイドによって引き起こされた一連の事件は、終息を迎えていた。
失われたものは、決して少なくない。
それでも。
CRのメンバーたちは、それぞれの場所で、再び日常を取り戻し始めていた。
「先生、次の患者さんです」
「はい」
聴診器を手に、永夢が診察室へ入っていく。
白衣を身に纏ったその姿は、いつもの小児科医そのものだった。
「こんにちは。今日はどうしたの?」
子どもに向けて、優しく微笑む。
その笑顔に、もう迷いはなかった。
――聖都大学附属病院、外科。
「メス」
「はい」
飛彩の声が手術室に響く。
一瞬の判断が、生死を分ける。
だからこそ、飛彩はこれまでと変わらず、目の前の患者だけを見つめていた。
――花家ゲーム病クリニック。
「……ったく。ゲーム病だって分かったなら、もっと早く来いっつーの」
大我はぶっきらぼうに言いながらも、患者の状態を確認する。
その傍らでは、ニコがいつものようにゲーム機を弄っていた。
「大我、次の患者来るよ」
「分かってる」
「じゃ、あとはよろしくー」
「お前も手伝え」
「えー」
そんなやり取りも、いつものことだった。
そして――ニコは、再びアメリカへ渡ることを決めた。
ゲーマーとして、もう一度世界へ挑戦するために。
「じゃあね、大我」
「……向こうでも調子乗んなよ」
「それ、応援?」
「…勝手にしろ」
「ふふっ。じゃ、行ってくるね!せーんせい!」
ニコは笑って、手を振った。
――一方。
貴利矢は、研究室に籠もっていた。
「……まだだな」
画面に映し出されているのは、新たなワクチンの研究データ。
ゲムデウスウイルス。
ゲーム病そのものを根本から抑えるための、新たな可能性。
「まだまだ、やることは残ってるねぇ」
貴利矢は椅子に深く腰掛けると、再びキーボードへ手を伸ばした。
そして、CR。
「今日も平和だね~!」
ポッピーの明るい声が響く。
「そうだな」
パラドはゲーム機を操作しながら答える。
以前と変わらない。
笑って、遊んで。
必要とされれば、誰かを助ける。
それが、彼らの日常だった。
――そんな日々の中。
一日の診療を終えた永夢は、病院の屋上へ向かっていた。
扉を開ける。
冷たい風が、頬を撫でた。
「……あ」
フェンスの向こうを眺めていたパラドが振り返る。
「永夢」
「パラド。ここにいたんだ」
「なんとなく」
永夢は隣まで歩いていく。
しばらく、二人は何も言わなかった。
眼下には、いつもと変わらない街。
車が走り、人が歩き、建物には明かりが灯っている。
あれほどの戦いがあったことが嘘のようだった。
「……なあ、パラド」
「ん?」
「マイティアクションXの裏世界で見つけた、あのメッセージ」
パラドの表情が、ほんの少しだけ変わった。
「……お前なら、見つけられるって信じてた」
「うん」
永夢は小さく頷く。
「でも……どうやって送ったの?」
「普通の通信じゃ、レウコイドに気付かれる可能性があったからな」
パラドは空を見上げる。
「だから、ゲームの裏側に隠した」
「ゲームの……裏側?」
「バグスターにしか認識できないデータ領域があるんだ。普通の人間にはただの空白データにしか見えない場所」
永夢は目を見開く。
「そこに、メッセージを?」
「ああ」
パラドは笑った。
「俺が消える前に、ほんの少しだけ時間があったからな」
「……そっか」
永夢は視線を落とす。
そして。
永夢の脳裏に、あの日の光景が蘇る。
マイティアクションX。
その裏世界。
何もないはずの空間に、突如として浮かび上がった文字。
それは、パラドが残したものだった。
――そこには、こう記されていた。
『――永夢。
今、俺はレウコイドに捕らわれている。
あいつは、〇月〇日に病原菌を撒き散らすつもりだ。
俺は何とかして、あいつをゲンムコーポレーションの屋上へ誘導する。
だから――この惨状を止めてくれ。
お前なら、できる。
もし、俺に何かあっても気にするな。
俺はお前。
お前は俺だ。
どんなことがあっても――俺たちの心は繋がってる。
だから――
後は頼んだぞ。
永夢』
永夢は、しばらく黙っていた。
隣にいるパラドを見る。
「……本当に、パラドらしいよ」
「そうか?」
「うん」
永夢は小さく笑った。
「最後まで、自分のことより僕のことを考えてた」
「……永夢だって、同じだろ」
「え?」
「俺が同じ状況だったら、絶対助けに来てた」
「……」
「だから、お互い様だ」
パラドはそう言って、笑う。
永夢も、つられるように笑った。
「……うん」
しばらくして。
永夢は空を見上げる。
「パラド」
「ん?」
「これからも、よろしくね」
「ああ」
二人は並んで、夕暮れの街を眺める。
もう、戦いのためじゃない。
誰かを救うために。
誰かと笑うために。
そして――
明日を生きるために。
「……帰ろうか、パラド」
「そうだな、永夢」
二人は屋上を後にする。
その背中を、夕陽が静かに照らしていた。
――レウコイドとの戦いは、終わった。
けれど。
彼らの物語は、これからも続いていく。
仮面ライダーエグゼイド――レウコイド編
完。
〜あとがき〜
全40話。
ここまで見てくださって、本当に本当にありがとうございました!!
いいねやコメントも、非常に嬉しかったですし、何度も力をもらいました!!
正直、最初はここまで長い物語にする気なんて一切ありませんでした。
……なのですが。
書いていくうちにどんどん物語が広がっていって、追加設定を増やしてしまったり、新しい展開を思いついてしまったりして……気づけばこんな長さになっていましたねー。笑
そして、なんと全部で10万字を軽く超えております。
……驚きです。ほんとに。笑
特に白血病に関わる部分については、どうしてもできるだけ厳密に描きたかったため、物語のテンポが少しゆったりとしてしまったところもあったかと思います。
そこはご了承いただければ幸いです……!
そんな中でも最後まで読んでいただけたこと、本当に嬉しく思っています。
「自分が描きたいストーリーを、好きなように描く。」
このモットーは、レウコイド編を最後まで書き続ける中でも変わりませんでした。
もちろん、「ここ、もっと上手く書けたんじゃないかな」と思うところもたくさんあります。
それでも、ところどころ自分でも「この展開は結構自信あるぞ!」と思える場面を作ることができて、個人的にはかなり大満足しています!!笑
もしよければ、ぜひもう一度、最初から見直してみてください!
……まあ、見返してみると色々と不備が見つかる可能性は高いですが……笑
それも含めて、レウコイド編という物語を楽しんでいただけたら嬉しいです。
改めまして。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!!
そして、もし少しでも「面白かった」「読んでよかった」と思っていただけましたら、いいねやコメントをいただけると非常に嬉しいです!!
……というか、
ください!!!笑
最後に本心が漏れました。笑
ここまで長い物語を最後まで追いかけてくださった皆さんには、本当に感謝してもしきれません。
またどこかで。
いつになるかは分かりませんが、次の作品でお会いできたら嬉しいです。
それでは――
レウコイド編、最後まで見てくださり、本当にありがとうございました!!
コメント
1件
つばささん、完結おめでとうございます&お疲れ様でした! パラドがゲームの裏世界に隠したメッセージ——あの伏線の回収、めちゃくちゃ痺れました。彼が消える直前の“ほんの少しの時間”で何を残したのか、ずっと気になってたんですよね。永夢とパラドが屋上で並んで夕陽を見るラスト、静かで、でも確かに明日へ続く温かさがあって、グッときました。 40話、10万字超——本当にすごいです。お疲れ様でした!