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人間は何を知っているかではなく、何をしようと思っているかによって、 価値・無価値、能・不能、幸・不幸が決まる。 リントネル
シティオブアスランは金星に建設された都市で、オレが育った都市でもある。火星で最も人口が多い都市であり、金星全域を統治する国家、オアシスの首都でもある。オレはそんなオアシスの防衛軍に所属するアルフレッド・クルーズ。アカデミーを首席で卒業して防衛軍に派遣されてからもうすぐ1年。
「クルーズ士官、シティオブアスランとの接続が完了しました。」
「ありがとう。席を外してくれるか?」
「パルパティが秘密裏に武器の開発を進めている件ですが、かなり深刻な問題を誘発するかもしれません。パルパティの武器開発は地球にあるいくつかの国から支援を受けていることが判明しました。」
「つまり、ヘルモスを急襲すれば25年ぶりの戦争の勃発が起こると?」
「国務長官、その通りです。攻撃自体を政府として取りやめるのか続行するのかを明日の夜までに結論を出してください。攻撃する場合は間に合う限り最大の備えを国家としておく必要があります。国家非常庁に連絡してオアシス外に住むオアシス市民の退避を進める必要にも迫られるでしょう。もっともいくつかの星に住む市民の退避は間に合わない可能性があります。攻撃の延期も場合によってはご検討を。」
「クルーズ士官、あなたの考えは?」
「財務長官、攻撃を急ぐ必要はないかと。2週間で兵器を完成させることは不可能です。そしてリスクが高い地域に住む全市民の退避をするには10日あれば何とか足りるかと。2週間の遅れを挽回する訓練を我々軍人は受けていますが、一般市民は受けていません。」