保険室ってどこなんだろう……
「う…う…。」
「だ、誰……!?」
慌てて階段を駆け下り踊場へ出ると、そこには劉磨さんが倒れていた。
「り、劉磨さん、大丈夫ですか!?」
「お前…何で…。」
「劉磨さんのことが心配で来たんです。動けますか…?」
「…俺から離れろ。」
体を起こしているときも辛そうな息切れが聞こえる。
こんなに無理をしていたんだ…
「頼むから…離れてくれ…。」
「もしかして…血を吸っていないからですか…?」
「なんでそれを……。」
「朝の会話を…聞いてしまいました。どうすれば……どうすれば劉磨さんは楽になれますか……?」
「俺に構うな。」
「血を吸えば……楽になりますか……?」
「……そうだ……俺は吸血鬼だからな。」
「それなら……私の血を吸ってください。」
「お前…自分で何を言ってるのかわかってんのか!?それに、こんなところで吸ったら…。」
「分からないですよ!……でも、助けてくれたから……。あの時劉磨さんは私のこと…助けてくれたから……だから…。」
劉磨さんの口元に自分の首筋を寄せネクタイを解く。
こんなことを自分でするのは恥ずかしいけど……劉磨さんのため……。
「……ごめん……。」
「はい…。」
劉磨さんが顔を埋めた瞬間に身体中に電流のような衝撃が走った。
首筋を這っている彼の舌が熱い…。
でも…これで私も劉磨さんを……助けられた……?
全身から力が抜け、目の前が真っ白になるとき、誰かが私の名前を叫ぶ声が聞こえた。