ウマヅラハギは、紅茶の家にお泊まりすることになった。部屋はコンパクトで、大学生の一人暮らしとは思えないほど整理整頓されている。彼はソファに座り、少し緊張した様子で周囲を見回した。紅茶が風呂に入っている間、静かな空気が流れる。少しずつ、その時間が心をざわつかせる。
ウマヅラハギの目が、紅茶の脱ぎ捨てられた服に留まった。彼はその服を手に取り、嗅いでみたいという衝動に駆られた。どこか背徳的な行為だと思いつつ、紅茶の香りを感じたくてたまらない。彼は、服の匂いを嗅ぐことがどれほどの意味を持つのか、考えもせずにそれに手を伸ばす。
「これ、どうせただの偶然だよな…」自分の行為を正当化させたくて心の中で呟いた。ただの好奇心だと。しかし、無邪気に笑う紅茶の姿や、優しい声を思い出すと、その言葉が無力に思えた。背徳感と同時に、彼の心は高鳴り、興奮が広がっていく。
一瞬の逡巡の後、ウマヅラハギはその服に顔を近づけた。紅茶の匂いが、彼の鼻をかすめる。甘さとほのかな男の香りが混ざり合い、彼の心に強烈な刺激を与えた。これが本当にただの偶然なのか、彼は自問自答する。どうしようもない衝動に駆られ、服を抱きしめてしまいたくなる。
その時、紅茶が風呂から上がる音が聞こえてきた。ウマヅラハギは焦り、慌ててスマホをいじり始めたが、その手は震えている。心の中は全く穏やかではなかった。「バレないよな、こんなこと…」と、頭の中で反復しながら、心の動揺を隠そうと必死になる。
紅茶が洗面所から出たのを確認すると、ウマヅラハギはいつも通りの笑顔を作り上げた。しかし、その笑顔の裏には、服の香りを嗅いでしまったという秘密が隠されている。果たして、紅茶はそのことに気づくのだろうか?ウマヅラハギは、不安と期待の入り混じった気持ちで、彼の動向を見守る。
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