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a@見る専
かき
外は蒸し暑い気候の中で、
やけに冷たい空気が張り詰まって苦しく感じた。
大勢の人がいて。
冷たい目。
怖かった。
色んなモノに緊張して怖かった。
お母さん……”あの人”は怒っていた。
ずっと。
なんでって。
俺だって分からない。
私の子供なのに!
命を掛けて産んだのは私だ!
赤の他人のお前らに、
干渉する筋合いなどあるものか!
兎に角蹲って耳を塞ぐ事しか出来なかった。
当たり前だろう。
まだ9歳の子供だ。
あの人が居なくなってから俺は親戚に引き取られた。
叔母さんは優しかった。
俺にマフラーを編んでくれた。
叔父さんは厳しかった。
どんな時も優しく在るようにと。
もう居ないお父さんが好きだった。
冬の思い出ですらとても暖かった。
俺にニット帽をくれた。
いつも父さんが被っていたお気に入りのニット帽。
大好きな人達に囲まれても、
どれだけ暖かい思いに浸っても、
いつも心の片隅を支配する冷たい空気に怯える。
怖い。
ずっと。
嫌な記憶。
小学校、中学校と俺は虐められていた。
あの人のトラウマも相まって、俺は耳を塞いだ。
聞きたくない言葉から、逃げて。
逃げて。
逃げ出した結果は。
俺の親友を
俺を救ってくれたヒーローを。
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