コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
鼓膜を殴る様に、自分の名前を呼ぶ声が聞こえるが、五条は、聞こえないフリをして、何とか眠ろうと、顔を顰めながら目を瞑っていた。
(傑)「悟!!起きて!」
「五月蝿いな。此れは夢なんだから、さっさと目覚めないと。」
(傑)「さっきから何言ってるんだ!!」
五条(28)は、自室で居眠りをしていて、目が覚めた時には、見慣れた教室に居た。昔、五条は此の教室で、学生時代を過ごした。今は、五条が教師側になり、good looking guy五条悟先生として、生徒達に、此の教室で勉強を教えている。
其れはさて置き。
僕、何で教室で寝てんの?
自室で眠っていた筈なのに、何時の間にか、教室に居る事に、五条は意外にも平常だった。
此れで仕事に遅刻してたら、また学長に責められるんだろうなぁ。
何て、他人事の様に思っていた時だった。
(傑)「悟、任務に行くよ。」
「……………。」
「……無量空処って、喰らうとこんな感じなのかな………。」
(傑)「悟?」
「僕疲れてるんだ。寝よーっと。」
此れは夢だ。夢に違いない。夢じゃなきゃ、自分が去年殺めた親友が、学生時の姿で、目の前にいる事に説明がつかない。
もう一度寝て、もう一度起きたら、現実に戻っている筈だ。
何故なら、これは夢だからだ。
五条は、自分の目に映る情報が、余りにも信じられなかった。
(傑)「悟、起きて!任務に遅れる!」
「………。」
(傑)「悟!!起きて!」
「五月蝿いな。此れは夢なんだから、さっさと目覚めないと。」
(傑)「さっきから何言ってるんだ!!」
嗚呼、懐かしい。昔はよく、傑に怒られてたなぁ。目が覚めたら、今度は学長に怒られるんだろうな。
僕の六眼が、肉体も呪力も夏油傑って言ってるからって、何だって言うんだ。僕は信じない。此れは夢だ。
次、起きた時には、自分の自室に戻っている筈だ。
(傑)「はぁ…任務に行かないつもりかい?」
「………。」
(傑)「そ、分かった。ならこっちも力尽くで連れて行くからね。」
ズルッ
「えっ。」
まさか、呪霊操術まで使って来るとは思っていなかった。意地でも退かなければ、其の内、諦めてくれるだろうと、五条は高を括っていた。今、五条は、無下限の術式を解いている。傑も、其れを踏まえて呪霊操術を使ったのだろう。
「えぇえ。」
呪霊に制服を摘まれ、宙吊りにされて、五条は連行された。
(傑)「遅れました。」
(夜蛾)「遅いぞ。」
「あはは、すみませんね。」
「「?!?!?!」」
(傑)「悟ーーーーーーーッッ?!?!どうしたんだ一体?!?!」
「え?」
(夜蛾)「悟、!体調でも悪いのか?!」
「はい?」
(傑)「彼の粗暴な悟が……ッ?!「すみません。」………ッッ?!?!」
(夜蛾)「何時も生意気な彼の悟が…ッ「すみません。」……ッッ?!」
「まさか、此れは何かの悪兆…ッ!」
(傑)「まさか、日本に巨大な隕石でも降るんじゃ……ッッ?!日本滅亡の合図か…ッッ!」
「何言ってんの?」
(傑)「いや、悟こそ何言ってんの?!」
「何で謝ってるの?!」
「は?遅れたからだよ?」
「「彼の悟が?!遅れたから謝っただと?!?!」」
「馬鹿にしてる?」
此の二人は、僕の事を何だと思ってるの?何時も、謝れと口煩く言っていたのは、何処の誰だ?
何だよ、「何で謝ってるの?!」って…。
解せぬ。