「挿れんぞ」
なんて、言っても聞こえてないかもしれないけど。一応忠告だけして先端をあてがった。すると、何をされるか察した奏斗の肩が震えて身じろいだけど、力の抜けきった体では抵抗になんかならない。欲するままに、一気に奥まで突き入れた。
「ッふ、は…はぁ、ぁ゛…?!!♡」
奏斗の背を抱きかかえるようにして腰を打ち付ける。なかに入ったお湯が、ばちゃばちゃとかき混ぜられた。奏斗はそんなおれから逃げ出そうと体を捻るくせに、お湯に沈むのが怖いのか、おれの肩を掴んで離さない。かわいい。愛してるよ、奏斗。けど、ふと考えてしまった。このまま、また、沈めてやったらどんな反応をするのだろうと。先ほどの奏斗の顔を思い出す。いけない。わかっていても、衝動を止められない。ちょっと、ちょっとだけなら。奏斗の背を支えていた腕をするりと移動させて肩を掴む。奏斗の不安そうな顔が視界の隅に映った。でも、ごめん。止められない。肩を、ぐっと押す。
「あ、ぁ、はぁっ、ふ………っ」
途端になかの締め付けが強くなる。奏斗の体に緊張が走ったのがわかった。必死の抵抗を見せて、のたうち回るけれど、おれは解放してやれない。酸素を求めて、限界まで持ち上げられた頭。けれど、外には届かない。ぎゅっと閉じられた瞼。あの中で、奏斗の瞳はどうなっているのだろう。ぴくぴく痙攣する唇が愛おしくて、自分のを、隙間なくくっつけた。それを何と認識したかは知らないが、おれの持つ酸素を少しでも得ようと、奏斗の方から押し付けてくるものだからたまらない。ああ、やっぱりおまえは最高だよ。大好き。愛してるよ。
「奏斗、出す…っ」
一方的に告げて、ナカに自分のを注ぎ込む。奥に、塗り付けるように。奏斗の体が、抵抗とは別に震えた気がした。興奮がいったんおさまって、戻ってきた理性。気づけば奏斗が脱力して沈んだままになっていて、慌てて抱き寄せた。
「がっ、げほっ、げほっ、は、はぁっ、ぅ、げほっ、ぁ、はっ、はぁっ」
「ご、ごめん奏斗、やりすぎた!おれ…ごめんっ!」
冷静になって、やってはいけないことをやってしまったと思う。謝りながら、心配で顔を覗き込むと、またあの、虚ろな目…いや、少し違う。なんだこの、何と言うか…恍惚、とした…。
「は、ぁ…は、き、もち、かった…ぁ、はっ、ぁ」
「え、奏斗…?」
自分の耳を疑った。今、何て言った?空耳か?いや、でも確かに。本人に確認しようとしたが、その瞼は閉じられてしまった。うつむくと、湯船に浮く白濁が見えた。掃除しないとな、なんて。んん?待てよ。おれはまだナカから抜いてないのに、なんで浮いてるんだ?おれのはまだ奏斗のナカにあるはずで、じゃあ、この浮いてるのって…。ズクン。腰が重くなったのを感じて、急いで奏斗のナカから引き抜いた。だめだ。だめだぞ、おれ。これは冷水でもかぶっておさめるとして、今日はもう、眠ってしまおう。風呂でよかった。後始末が楽だ。栓を抜いてお湯を流し、自分と奏斗の体をタオルで拭く。準備していたパジャマを着て、奏斗を抱えて自分の寝室へと向かった。いつもは別々に眠るけど、今日くらいいいだろう。ベッドに奏斗を寝かせて、おれも隣に入り込む。内腿の、キスマーク。頭に血がのぼって深く考えられなかったけれど、今日の飲み会にいた、お偉いさんの誰かだろう。考えれば考えるほど腹が立つ。これに関しては、明日、ちゃんと奏斗と話そう。今日はおれも、もう疲れた。
「…おやすみ奏斗」
そっと頬にキスをして、奏斗を抱えて瞼を落とした。
コメント
3件
続きは…続きはないんですかぁ…!!!;;
すっっき!!!!!
大好きです ;;