「はぁ…」
恋人がそういう行為を求めてこない。
もちろん忙しいのが承知の上で
キス、ハグはするがそれ以上のことをしてくれない
いや無理をすることは決してないのだが、恋人になって数年、そろそろ体の関係にも慣れておきたいのだ
刀也さんからは絶対誘ってこないし、上か下かなんてまだ決まっていない
じゃあ俺が誘うしかないのでは?
そう思い立ったが吉日
俺はなんとかして刀也さんを誘うことにした
と、言っても俺も童貞で、そういう事の知識には疎い
ネットで調べてみてもありきたりな事しか書かれていない
男同士の行為は準備が大変だって聞いたけど…
「えっちな…こと…」
そう口に出しては溜息が漏れる
俺と刀也さんがそういう行為をするのかと考えただけで顔を赤くしてしまう
やっぱり無理かなぁ…なんて思っていると自分の股間がテントを張っているのに気がついた
「ぁ、…?勃っ…てる…?!」
ネットの記事を読むだけで勃つとか俺はどれだけ情けないんだ
でも勃ってしまったからにはしょうがない
行為はしたことなくても自慰はしたことある、なぜなら行為で発散できないから
だから余計に性欲が溜まってしまう
「そうだ…」
俺は刀也さんの部屋に向かった。
1人で普通にスるなんてつまらない、いつもと同じだ
少しスリルというものを味わいたい
ガチャ
部屋のドアを閉めた。相変わらず綺麗な部屋だ
俺の鼓動が響く
俺は早速、刀也さんのクローゼットを物色した
なるべく匂いが強いものを選んだ
「刀也さんが…悪いんすからね…」
自分のズボンのベルトを解き、自分のモノに手を掛けた
「ぁ、んふっ、う…」
「んくっ…はっ…ぁ!」
出るのは情けない声だけで、女の子みたいにかわいい嬌声じゃない
「ひぅ、…ぁ、ぐ…」
刀也さんの匂い…
あの人はいつもミントみたいな爽やかな匂い
でもどこか優しくて、暖かい匂いがする
俺はいつもそれを嗅いでるのか、なんて贅沢なんだろうと思いながら自慰に浸った
「ふぅ……ん…!♡」
「ぁ、や…イッ…ぃ…」
絶頂に達しそうなとき、足跡が聞こえた
嘘だろ…今日は部活で遅くなると聞いていたのだが…
どうかリビングにいてくれ…
そんな願いも虚しく、部屋のドアを開けられ
最高に情けない姿を恋人に見られた
「ガッくん…?!」
「ぁ…ぅ…刀也さん…おかえりなさい…あはは…」
「ただいま…じゃなくて!何してるの、僕のトレーナーで…」
あー視界がぐるぐるする…
無駄な考えが脳を過ぎって目の前が真っ暗だ
もう何も考えられない、刀也さん、絶対引いたよな…
「いや…その自慰を…」
「な〜〜ッ…!」
「ごめんな、刀也さん…引いたよな…」
「はぁ…いや…、引くって一体何をですか?」
「え?だって俺がこんなことしてたら引いたっすよね…って」
「引くわけないじゃないですか」
思考がさらに停止した
だって成人男性が恋人のトレーナーの匂い嗅ぎながら自慰してるって普通引くだろ
「いやだって、僕あなたの彼氏なんですけど」
「でもぉ…!」
「ガッくんは僕に引いてて欲しいんですか?」
少しキレ気味で答えられる
いや決してそんなことではない。引いてて欲しくないし、ちゃんとわかって欲しい
「いや、違うんれすよ…」
俺は渋々これまでの経緯を話すことになった
そういう行為をちゃんとしておきたいこと、しないから性欲が溜まってこういうことになったこと
洗いざらい全部話した
「ふ~ん…なるほど」
「いやほんとすみません…ちゃんと洗って返しま」
「じゃあしましょうかセックス」
「はっ?」
「したくないんですか?」
いやもちろんしたい。したくないわけがない
でも、刀也さんが引きもせず受け入れてくれるとは…
俺は刀也さんの問いに喉を詰まらせた
「したい…れす…ちゃんと…」
♢
「で、なんで俺が押し倒されてるすか…?」
現在、俺は刀也さんに押し倒されている
どうやら刀也さんが上の予定らしい
まぁ正直、上下なんてどっちでもいい
愛して、愛されたらそれで満足だ
「?僕が上じゃないの」
「え?普通俺じゃないんすか?」
「いいじゃん、ほら早く」
刀也さんが意外とノリ気なのに少しびっくりしつつも、シャツのボタンを外した
「ガッくん薄っ…ちゃんと食べてんの?」
「失礼な…食べてるっすよ!」
「あはっ、!冗談ですよ」
そんないつも通りの会話を交わしながら、ローションを手に取った
まずはほぐすところから始まるらしい
「いれていい?」
「うん…」
刀也さんの細い指が俺のナカに入る
指は少し冷たくて、気持ちがいい
2人の汗とシャンプーの匂いが入り混じる
「ん゛~、…いひひっ、!変な感じ」
俺は唸るような声を出した
普通の男がこんなのとこで感じるはずもない
刀也さんの甘い体温が肌を伝う
いつもとは違う恋人の姿に少しドキドキした
「ぅ〜ん?もうちょい奥かな」
グッと指が奥に入る
ピリピリとした感覚に襲われた。その指は奥へと、奥へと入り込んでくる
「ぅ、゛ぁッ!んふ…ッ゛」
薄暗い部屋に差し込む月明かりが、刀也さんの睫毛を照らしている
「もういいかな?充分でしょ」
そう声が掛かる。ボーッとしていた頭はその声によってハッとさせられる
少し低い声が俺の部屋中に響き渡る
あの明るい声ではない、余裕が無い、いつもの調子じゃない。嗚呼、刀也さんは俺でちゃんと欲情してくれてるんだ
そう分かった瞬間さっきからの荷が全て降りた気がした
「うん…いいっすよ…来て」
「刀也さん…」
早まる鼓動が、胸越しに聞こえる
シーツが擦れる音と共に、堪えきれない吐息が零れた。
ぐちゅっ
薄暗い部屋に剣持の影が揺れ、腰を押し付けられるたび自分の体が小刻みに動く
それは少し熱を持っていて、ほんのり暖かい
鼻先にくる匂いで、全身の力が抜けていく
「んァ゛っ…ぅう゛…ッ♡」
声が漏れ理性と羞恥心がぐちゃぐちゃに崩されていく。
蜂蜜のように甘い声、まるで自分じゃないみたいに、唇が触れ合うたびに小さく水音が鳴る
乱れた前髪の隙間から覗く、若葉色の瞳が甘く潤んで揺れる。
「ガッくん…声抑えないで、ちゃんと聴かせて?」
耳元で囁く刀也さんの声に。俺の肩がびくんと震えた。
「そ、そんな……っ恥ずかし……ん゛っ……」
唇を噛んで必死に押し殺そうとするけど、喉奥から熱を帯びた声が滲み出る。
指先で腰をなぞれば、背筋が震え、俺は堪えきれずに吐息を震わせた。
「ぁ゛……っ♡ あ゛っ……と、刀也さん……っ♡」
耳朶にかかる声は甘く掠れて、鼓膜をじりじりと焼く。
肌に触れるたび、熱が掌に伝わり、汗と体温が絡みつく。
鼻先にかすかに立ちのぼる石鹸の匂いに混じる、刀也さん自身の甘い匂いがたまらない。
「ィ、…!ふ゛ぅ、…そこっ゛…♡」
「ん、…ここがいいんだ?」
「ぅ゛ぐッ…ぁ、あ゛っ!♡ぉ゛ッ…あ…♡はぁ…っ♡」
喉の奥から漏れる声は濁点混じりで、2人の鼓動を加速させる。
視線を落とすと、潤んだ瞳で恥ずかしさと快感に揺れる俺がそこにいる。
「ね、っ♡もういっちゃッ゛ぅ♡ふぅーッ゛…ぁ゛ぐ」
声が漏れる瞬間、身体が跳ね、指先の熱が肌を滑る
耳元で囁きながら、腰にかける手の圧を少し強められると、俺は息を荒くして全身を震わせた。
「ガッくん……っ」
指先で敏感なところを軽く撫でるたび、全身が跳ねる。
シーツの擦れる音、荒い呼吸、そして甘い吐息
「ィ、く…ッ゛♡♡うぁ、あ゛゛ァッ!…ふ、ぐぅ゛♡」
「僕もィっ…♡♡は、あ゛…♡」
2人とも達した瞬間、俺の意識が途絶えた
微かに聞こえる刀也さんの荒い息に少し安心しながら意識はさよならを告げた
♢
朝日がカーテンの隙間から差し込み、部屋を柔らかく照らす。
「……ん゛っ……おはよう、刀也さん……」
小さく濁点入りの声が漏れる。寝ぼけながらも、まだ夜の余韻を引きずっている。
頬にかかる光を眺めた。
その温もりだけで、胸がぎゅっとなる。
「……よく眠れたました?」
耳元で囁くと、俺は小さく目を開き、ぼんやりと頷く。
「ん゛……はい、っす……」
声はまだ濁点入りで甘く、朝の静けさの中にぽつんと響いた。
呼吸だけが静かに重なり、夜の余韻と朝の光が混ざった穏やかな空気に包まれる。
何もせず、ただ隣に刀也さんがいる――それだけで十分、心が温かくなった。
「ちゃんとできて良かったですね」
「そうっすね…」
コメント
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☔️ 速報:あめの死亡が確認されました。
あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙👏👏👏😇💘💘💖💖💖💖😭😇😇😇😇🚑🚑🚑👍👍👍👍👍👍👍👍