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雲ひとつない晴天
太陽がうるさいくらい輝いている
「なんや〜、暑いなぁ」
少年はTシャツをバサバサさせながら嘆く
「せやな〜、アイス買ってくる?」
少し髪が長い少年は仰向けで団扇を仰ぎながら返した。
「んあー、別にええ、あーけど、どうしよ…あー、一緒に行くわ…」
少年はバッ!と立ち上がり
髪の長い少年に手を差し伸べた
「一人でなんか行かへんよ、一緒に行く予定やったけど?」
と手を取って起き上がる
「んー、にしても、ほんまに暑いなぁ…今何度?」
少年は髪の毛が長い少年の団扇を取って仰ぐ
「あ、ん?えー?おー、38℃やって」
「え?!38℃って!!わいら死なん??!!」
団扇を床に捨てて騒ぎながら、サンダルを履き外に出る
「あ”ー、やっぱりこの暑さは溶けるんちう??ヤバいやん!!」
狐色になりかけている肌と少し青白い肌に陽が当たる
少年らは二人で顔を見合わせて
ほんまに買い物しに行くん?
と言う顔をした。
とりあえず、ダラダラと近くのコンビニへと足を運んでいる途中
後ろから
「ぅお?こないな暑い中二人揃うてどこに行くん?」
と後ろから声がして振り向くと
少し目が細い少年がアイスを食べながら近づいてきた
「夏休みやのにこんな大集合しぃ、ほんまに仲ええんだな〜俺ら」
少年は再確認したみたいな顔をして
しみじみ言った
「別に、あんたらに会いに来たわけちゃうけど…夏休みで連絡もなしに3人集まってまうんはヤバイなぁ」
細目の少年が呆れた様子で言い、髪が長い少
年に輪ゴムを渡した
「え、なんや、コレ」
と細目の少年に は?と言う顔をした
「輪ゴムやで?」
「そないなこと知っとるわ!!」
髪の長い少年が声を荒げた
「おうおう、暑いのに元気やな…見てるこっちが暑いさかい髪の毛縛っときぃな」
「それは、すまん…けど、輪ゴムでなんか縛らへんわ!アホなん?」
細目の少年は満面の笑みで
「あんたにだけは言われたないな」
と言う
「はぁ?何やって?知らへんの?輪ゴムで縛ると、髪の毛に絡まんねんで…」
「知ってんで、そやさかい輪ゴムをあげたんやん」
細目の少年はニヤリと笑った
「嫌な奴やな」
と言いながら、髪をいじり始めた
「はいはい、おおきに〜」
その会話が終わる頃、ずっと静かにしていた少年が
「なぁ、こんな暑いのにほんまに元気やな」
と2人の方を見ながら干からびそうに言った。
三人並んでダラダラと歩く
蝉の声がじわじわ鳴いて、暑さもどんどん増す
中陽炎がよく見える気がした
疲れ切った少年が呟く
「こんな暑いと熱中症になんで…絶対」
少し間が空いた後
「ってか、結局どこに向かってるん?」
細目の少年が聞いた
「はぁ?コンビニやろ!」
少しキレ気味に少年が返す
「なんで、そないにキレてんねん」
「キレてへんし!」
髪の長い少年が
「元気やん」
と笑った、髪の長い少年を細目の少年が見て
目を見開いた
「ん?なんや、結局縛ってんやん」
「あ?別にええやん」
「ほんまに、可愛げがあらへんな」
糸目の少年は呟き、フイッとそっぽを向いた
それから少し歩いて、道のかどを曲がった先
にコンビニの看板が見えた
少年は水を得た魚のように一気に元気を取り戻し走り出した
いきなり走ったのに驚いた髪の毛が反射的に
走りながら長い少年が少年に言う
「急に走んなや」
「目の前にオアシスがあったら走るやろ!」
「オアシスって…そないな大袈裟…いや、そうやけども、ちょっ、相変わらず足早いなぁ、ん、あーーー」
と糸目の少年は呆れながらも一緒に走った
コンビニに着いて、アイスコーナーへと向かうと
ほとんどのアイスがなくなっていた
「えぇ?!」
少年は床に崩れ落ちる
「みんな思考は一緒やな」
と糸目の少年はジュースコーナーを見に行く
「マジかぁ、どうする?」
髪の長い少年が少年に聞く
「うぅ、くっ、俺のオアシスがぁあ」
少年はそう言うと、もう立ち直れないと呟く
「いや、まだアイスはあるし、この中から選ぼうや」
髪の毛が長い少年は、アイスを選び始めた
この夏休み最初にして滑り出しは最悪である。