テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ちあき
28
甜
46
中学入学式の日、恋に落ちた。少し俯きがちな、君の瞳に。
「ねね!名前聞いてもいいですかっ」
「あっ、え、えと、留生です、生を留めるで、留生、」
白髪の腰まで伸びた、綺麗な髪。見ていたら吸い込まれてしまいそうな、空色の瞳。
「じゃあ留生ちゃんだ!席となり?だよね!よろしく」
「よっ、よろしくお願いします、」
「留生ちゃん、髪も目もすごい綺麗!」
「……え?ぁ、いやっ、へんでしょ、こんな、普通じゃないの、」
「え?なんでーっ?すっごい、すっっごい綺麗!」
「で、でも、”普通 “じゃないし、」
「普通?普通の基準ってさ人それぞれじゃん!自分はすっごく綺麗だと思う!」
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
私は少しだけ目を見開く。
そんなことを言われたのは初めてだった。
でも。
――君もすぐ、いなくなっちゃうんでしょ?
最低だ、と自分でも思う。それでも、そう思わずにはいられないんだ。
だから私は、期待しないようにすぐに目を逸らす。
1人なら、何も思わないと知ってしまったから。
◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁
2話も出す予定です。気軽にコメントくれると嬉しです。
コメント
3件
いやあ、第1話から良いですね。冒頭の「中学入学式の日、恋に落ちた」――この一文で既に心を持っていかれました。 留生ちゃんの「普通じゃない」という自己否定と、それに真っ向から「綺麗だ」と返す語り手の温度差が印象的です。「君もすぐいなくなっちゃうんでしょ?」の諦めに、彼女が抱えてきた孤独の重さが一瞬で伝わってきて、胸が締め付けられました。 白髪と空色の瞳という外見設計も、この物語の核に直結していて無駄がない。たった1話で関係性の伏線と心情の深みを両方仕込んでいて、続きが気になって仕方ないです。