いつも通りに学校に行く。
そして……
虐められる
そんな毎日を過ごせる自分が憎かった。
いつも通りの笑顔で
いつも通りの仕草で
いつも通りの……
…..
(…….屋上….行きますか)
ガチャ…と屋上の扉を開ける。
誰も居ないだろうなと思ったが誰かが居た。
生徒会の人….
それにしか言葉に出来なかった
生徒会の中での三人しか居なかったがどの人も知らない。
菊は静かに屋上の隅へと隠れて行った。
三人は気付いていたが話に集中し過ぎるあまり、口で菊の事を言う言葉は無かった。
菊は隅で静かに読書をする。
「新シイ死ニ方」
そういう本を読んでいた。
何も参考にはならないが、一応最期の為にと読んでいる。
すると、誰かが
「へぇ…これ面白いの?」
…….とても身長が高い人だった。
そう問われて戸惑いはしなかったが答えた
「…..面白くないですよ」
偽りの微笑….お得意になった微笑をする。
「君は不思議だね」
「まぁ…..そうですね」
初対面とのそんな会話…。
「あ、名前言ってないあるよ」
向こうに居た菊との身長の少し上の人が話しかけてきた。
「そうだね~」
と、金髪の人も続けて話した。
コミュニケーションが上手い人….。
と思いながらも菊は初対面の人の名前を聞く。
「僕はイヴァン、生徒会に入ってるよ」
「フランシスお兄さんだよ~」
「王耀ある。耀と呼ぶよろし!」
「…..本田菊と申します」
坦々と名前を言っていく。
「てか、菊ちゃん顔立ちが可愛いね~女の子?」
「私は男ですよ」
何故女性の方の顔立ちに見えるのか菊には到底分からなかったが
フランシスは大変驚いている。
「美食家….めちゃくちゃ失礼あるよ」
「うっそ?!御免ねっ!!」
「あまりにも顔立ちが可愛かったから….」
「まぁ、それは僕も思ってたよ」
「そういうなら…我も….」
「えぇ……」
そういえば自分自身の顔をちゃんと見てないなと思った。
醜く、憎い、そういう顔立ちだと、からかいを受けたからだ。
強いて言うなら”トラウマ化”していっていた。
「確か….フェリちゃん助けたんでしょ?」
「….何故それを….?」
「前フェリちゃんが自分から言ってたからね~」
「その時めちゃくちゃ嬉しかったんだって」
「……そう…..ですか」
嬉しい…..
助けただけなのに….
何故あの人はそんなに優しく心が広いのか….
答えは簡単。
菊と真逆な性格だから。
例えばフェリシアーノは心が広い。
それを真逆にしたら、菊は心が狭い
となる。
だから単純で簡単なのだ。
菊の心にひっそりと潜む闇と悪。
その昼休みは此処で終わりを告げた。
「菊~!」
放課後の香りを身に染める時、フェリシアーノが声をかけてきた。
「一緒に帰ろう!」
元気な声が校舎に響く。
菊は断ろうと頭に過ぎったが…
「…….気分転換に良いですよ」
と爽快な風が吹く放課後で微笑をした。
今日は何故か気分が良い。
だから、尚更行くことになる。
突然の事だからフェリシアーノもビックリしていたのだろう。
だけど、すぐに表情を変えて元気な声を出した。
「それじゃあ、帰ろうっか!」
「….はい…」
ゆっくりと陽炎が昇る坂道…
頑張って頑張って、笑顔を作った坂道。
フェリシアーノと喋る坂道。
「あ、俺こっちだ!」
「また一緒に帰ろうね!」
「はい」
また….お得意様の微笑をする。
「…….」
「ねぇ….菊」
突然、名前を呼んできた。
「….どうしましたか?」
「俺って….」
「….菊を幸せに出来てるかな….」
「…..最近思うんだよね….」
「菊がどうやってした方が嬉しいかとか….色々、菊が笑顔になれる方法を探してんだ….」
「でも、もし….」
「もし、救えて無かっ____」
と言いかけた瞬間。
菊が口を挟んだ。
「フェリシアーノ君….」
「……私は十分楽しんでます」
「笑顔が偽りに見えるかも知れませんが、貴方と過ごしている時間は経つのが早いです」
「….だから」
「私は十分皆さんに…幸せをおもてなしを貰っています」
「だから、落ち込むことはありませんよ」
「私が最期になる時まで笑っていられる….そんな笑顔を私は見たいです」
「だから、私は….フェリシアーノ君…..」
「アルフレッドさん、アーサーさん、フランシスさん、イヴァンさん、ルートさん、王耀さん…」
「それに、ロヴィーノさんも大好きです」
「だから、落ち込まないでください….」
「大丈夫ですから_____」
少し違和感のある言葉だったがフェリシアーノにはそれが子守唄(ララバイ)の様に聞こえた。
菊の瞳は初めて黄色に輝いていた。
勿論。フェリシアーノが見たことも無い表情で。
言葉に出来ないぐらいに嬉しかったのだろう。
「…….うん!」
「俺も菊の事….大好きだからね!!」
菊の”大好き”に負けないぐらいに圧倒の声を出していた。
菊は大切に….大事にされている事が分かった。
とても…安心出来た。
心地好かった….ただ….
その瞬間が______
ガチャ…と自室の扉を開けた。
今日の一日…とても気分が良かった。
今までにない….最期の幸せをくれた。
偽りを無くして、本当の自分に
お得意様の微笑を、本当の笑顔に….
さて….
明日は早いです
全て….全て…
本当の自分に______
貴方はどんな選択をしますか?
|▶1.全ての終結
|▶2.全ての幸せ
|▶3.全ての快楽
選ぶのは貴方次第。
選ぶ事で物語の真相が知れるでしょう_____
コメント
6件
うわぁ~ー!神すぎます!僕だったら2ですね!まあどれも神そうですけど!見るの遅れた僕が憎いです😭!
いやぁぁぁぁ!!!!!!!!選択肢……2がいい!って言いたいけど1も捨て難い…
わア゙ア゙ア゙ア゙ア゙😭😭😭最高過ぎる😭 新シイ死ニカタって平仮名のとこがカタカナになってるのバチくそ好みです😭😭😭😭 えぇ……私は3を選ぶかな