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夏のまぶしい太陽の下、学校のプールからは男子たちの賑やかな歓声が響いている。
授業の終盤、先生の
「よし、残りはフリータイム!」
という声と同時に、みんなが一斉に水しぶきをあげた。
「勇斗!ビーチボールやんね?」
「あー、ごめん!ちょっとあっちで休憩」
クラスメイトに囲まれていた勇斗は、友達の誘いを笑顔で断ると、まっすぐに柔太朗のほうへ歩いてきた。
柔太朗は、プールの壁際に頭をあずけて、賑やかな水面をぼんやりと眺めていた。
「柔太朗」
水面を揺らしながら近づいてきた勇斗は、柔太朗の隣に並んでプールの縁に腕をかけた。
いつもの優しげな笑顔。だけど、そのタレ目の奥にある熱に、柔太朗はすぐに気がついた。
「……何、はやちゃん。みんな見てるよ」
「見てないよ。みんなボールに夢中だし、水飛沫で見えやしないって」
勇斗はふにゃりと笑いながら、段々距離をゼロにしていく。
「さっきの授業中、柔太朗が他の班の奴とペア組んで泳いでるの、ずっと見てた」
「……え?」
「あいつ柔太朗のこと触りすぎ。いくらバディの確認だからって、俺以外の奴にそんなベタベタ触らせないで」
低い、少し拗ねたような声。
学校では誰にでも優しい完璧な勇斗の、柔太朗にしか見せない強い独占欲。
水中で、勇斗の大きな手が僕の腰に触れた。
「授業だし、しょうがないじゃん……っ!?」
言い訳をしようとした瞬間、水中で引き寄せられ、僕の身体は勇斗の胸に強く叩きつけられた。
バシャ、と小さな水音が周りの歓声に消える。
勇斗の両腕が、柔太朗の背中と腰を、骨が軋むんじゃないかと思うほどの力で抱きしめた。
周りにはクラスメイトが何十人もいる。すぐ数メートル先では、男子たちが大声をあげて水を掛け合っている。
見つかったら一発でアウトの状況で、勇斗のハグは容赦なく強くなっていく。
濡れた肌と肌がぴったりと密着して、お互いの心臓の音が、水を通じてドクドクと激しく響き合っているのがわかる。
「離さない。……今、すっごい嫉妬してるから、これくらいさせて」
耳元で囁かれる熱い吐息に、身体中の力が抜けてしまいそうになる。
きつく抱きしめられたまま、勇斗は柔太朗の首筋に、周りからは絶対に見えない角度で、深いキスを落とした。
ツンと突き放したいのに、このドキドキするスリルと、勇斗の狂おしいほどの愛しさが嬉しくて、柔太朗の手は水中で勇斗の背中にそっと回ってしまっていた。
「……柔太朗、顔真っ赤。可愛すぎ」
「……誰のせいだよ、バカ」
しばらくして、名残惜しそうに腕の力が少しだけ緩む。
だけど勇斗の手は、授業終了のチャイムが鳴るまで、水の中で柔太朗の腰をずっときつく掴んだままだった。
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コメント
2件
「プール」、読了しました…! もう、水中でぎゅっ、てされるシーン、心臓がバクバクしました🫣💦 周りに人がいるのに、見つかったら終わりなのに、勇斗くんが柔太朗くんを離さない独占欲…ヤバいです。嫉妬してるって正直に言っちゃうところ、甘くて苦しくて、でも柔太朗くんの手がそっと背中に回るのも、すごく切なくて好きです…。2人の距離感と、水の中のヒミツがたまらない1話でした🌙🤍